現在、盛山正仁文部科学相は旧統一教会の関連団体から選挙支援を受けたにもかかわらず「教団と関係がない」ことを強調し、一方で選挙応援をした旧統一教会信者は「捨て駒」同然の扱いに憤慨し、盛山氏との関係をマスコミにリークして対抗している。
事の始まりは、安倍晋三元首相が旧統一教会を憎むテロリストに暗殺された(2022年7月8日)ことであった。これを機に岸田文雄首相は旧統一教会との関係断絶を宣言し(同年8月31日)、以降、政府は結論ありきで情報収集を行い、宗教法人法の解散請求要件の解釈を民法上の不法行為も含むと変更し過去に遡及適用させ、東京地裁に解散命令を請求するに至った(昨年10月13日)。この法解釈変更には閣議決定も、変更を議論した会議の議事録もない。政府がテロリストの願望に合わせ教団つぶしに全力疾走したことで、混乱し収拾がつかなくなっているのだ。
●誇張の多い反統一教会の主張
当初、統一教会問題は情報源が非常に限られていた。連日テレビのワイドショーで鈴木エイト氏(ジャーナリスト)、有田芳生氏(立憲民主党所属の元参院議員)、紀藤正樹氏(全国霊感商法対策弁護士連絡会=全国弁連)、西田公昭氏(日本脱カルト協会)などが発言していたが、彼らは昔から仲の良いアンチ統一教会の同志であり、私には同じ一つのグループが一つの意見を別々の口から語っているとしか思えなかった。
私自身も25年間アンチ側から統一教会を見ていたが、鈴木氏らの情報は偏向や誇張、間違いが多いため信頼していなかった。どうも全国弁連は左翼傾向が強く、この問題が政治利用されているように思える。
全国弁連に関しては未だ重大な真実が語られていない。実は、教団信者を拉致監禁する実行犯と関係が深いのだ。これまで4300人以上の監禁被害が確認されている。その被監禁者が棄教の「踏み絵」として教団を訴え、裁判件数を積み上げてきた。宗教者にとって信仰は人格の中核にあり、監禁してこれを奪うなど許されるものではない。
問題は、拉致監禁がブラックプロパガンダ(誇張や歪曲を含む情報宣伝)と表と裏の関係にあることだ。教団に「カルト」のレッテルを貼り、社会的評価を執拗に貶め、負のイメージを膨らませ、そこからの「救出」名目で拉致監禁が正当化されてきた。ブラックプロパガンダが拉致監禁という犯罪の手段であればこれに加担すべきではない。むしろ教団の良い部分も評価して名誉回復をすべきである。
●奪われる政治参加の権利
いま政府は一つの宗教をターゲットに信教の自由を侵害し、政治に参加する権利をも奪わんとしている。にもかかわらず、日本の宗教界は抗議の声を上げていない。これを許せば直ちに宗教界は萎縮し、宗教が廃れれば日本の良き精神性も文化も失われていくだろう。それではいけない。(了)