公益財団法人 国家基本問題研究所
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今週の直言

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国基研企画委員兼研究員・福井県立大学教授 島田洋一    10月4日、北朝鮮が推定飛距離約4600キロの弾道ミサイルを発射した。西太平洋の米軍重要拠点グアムに十分届くことから、明らかに米国を睨にらんだものである。  ここで危惧されるのは、米バイデン政権がブッシュ(子)政権の犯した対北朝鮮外交の歴史的失敗を繰り返さないかである。  ●圧力緩和で失敗したブッシュ政権  20...

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国基研企画委員兼研究員 冨山泰    9月27日の安倍晋三元首相の国葬で、一般献花の列に並んだ。国葬会場の東京・日本武道館近くの公園に設けられた献花台にたどり着くまでに3時間、その前に献花台への最寄り駅とされた地下鉄駅前の花屋さんで花を買うのに1時間半、花を買ってから列の最後尾に着くまでに20分かかり、実際に献花できるまで合計5時間の長い道のりだった。  参列者は普段着から喪服...

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国基研企画委員・月刊「正論」発行人 有元隆志    外交官の身柄を拘束し、取り調べることは国家主権に対する重大な侵害行為である。それをロシアは平気で行った。9月26日、ロシア政府は在ウラジオストク日本総領事館の領事が国家機密に関わる情報を不正に取得したとして、この領事を拘束し、国外退去処分にした。1956年の日ソ国交回復後、ソ連時代を含めロシアから日本人外交官が「ペルソナ・ノン・...

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国基研理事長 櫻井よしこ    「日本を取り戻す」と誓った安倍晋三元首相の国葬儀が27日に迫った。  日本人とは、日本国とは、どんな存在かを問い続けたのが安倍氏だった。占領統治のために都合よく日本を縛り上げたにすぎない臨時のルールとしての米国製憲法を今日に至るまで改正し得ていない日本を振り返って、安倍氏は日本が失い果てた日本らしさを取り戻そうとしたのだ。  ●国柄を取り戻...

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国基研企画委員 荒木信子    2002年9月17日、小泉純一郎首相(当時)が平壌を訪問、北朝鮮の金正日総書記(当時)は拉致を認め謝罪した。だが、北朝鮮側は5人生存、8人死亡と一方的に告げた。これは虚偽を含んでいる。同年10月、蓮池薫さんら5人が24年ぶりに帰国を果たして以来、拉致被害者は誰一人として帰国できていない。  小泉訪朝は画期的な出来事ではあったが、拉致問題の解決には...

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国基研評議員 岩田清文    9月11日、ウクライナ北東部ハリキウ州の要衝イジューム市を奪還したウクライナ軍の反攻作戦は、4日間で80~100キロという驚異的な進軍速度だった。当時、ウクライナ軍の作戦構想は、同国南部に戦力を集中しており、ハリキウは反撃の主正面ではなかった。しかし、ロシア軍の弱点が確認されたため、戦車、装甲車を中心とする機動部隊が攻撃し、ハリキウ州の大部分を奪還し...

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国基研企画委員・明星大学教授 細川昌彦    ドイツで先進7か国(G7)貿易相会合が開かれた。注目すべきは、中国を念頭に「経済的威圧」への深刻な懸念を初めて取り上げて、共同声明に盛り込んだことだ。  ●「経済的威圧」への共同対処  近年、中国は巨大な中国市場や供給力をバックに相手国の政策を変更するよう圧力をかけている。習近平国家主席は2020年4月の党の会議の講話において...

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国基研企画委員・麗澤大学特別教授 織田邦男    今年5月の日米首脳会談で、岸田文雄首相は、日本の防衛力を抜本的に強化し、裏付けとなる防衛費を増額するとともに、「反撃能力」の保有を含めあらゆる選択肢を排除しない考えを伝え、バイデン米大統領から強い支持を得た。  6月、政府は経済財政運営の指針となる「骨太の方針」を決定し、防衛費については、北大西洋条約機構(NATO)加盟国が国内...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授 西岡力    米政府は、ウクライナ戦争で苦戦するロシアが北朝鮮から数百万発のロケット砲や迫撃砲の砲弾を輸入するための協議の過程にあると明らかにした。国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官が9月6日の記者会見で述べた。すでに輸入されたかどうかは未確認としている。  また、ロシアは独立を宣言させたウクライナ東部のドネツク、ルガン...

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国基研企画委員・産経新聞特別記者 田村秀男    円安がぶり返されるたびに「悪い円安」論が盛り上がる。それに押された鈴木俊一財務相は、円買い・ドル売りの市場介入を匂わせるのが関の山だ。岸田文雄政権に今求められるのは、円安を日本再生の好機にする強固な意志と戦略である。  ●企業の弱い設備投資・賃上げ意欲  9月8日時点の円の対ドル相場は143円台で、1月末に比べた下落率は2...

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