公益財団法人 国家基本問題研究所
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今週の直言

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国基研企画委員・明星大学教授 細川昌彦    新経済圏構想「インド太平洋経済枠組み」(IPEF)の交渉開始が正式に合意された。台頭する中国を念頭に、「米国をアジアに関与させる」という戦略的な意味は重要だ。  当初は参加に難色を示していたアジアの国々も、首脳レベルの戦略的判断で参加を決断した。ただし中国への対抗色が出ることを嫌い、声明ではそうした色彩を消している。  ●アジ...

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国基研副理事長 田久保忠衛    衆参両院の議事運営委員会の閉会中審査に岸田文雄首相が出席し、立憲民主党の泉健太代表が質問をするというので、8日にテレビを視聴した。そこで感じた絶望的な怒りはいまだに収まらない。つい最近まで日本の最高指導者だった人物が公衆の面前で真っ昼間に暗殺されたのに、国の在り方は問題にもされず、取るに足らぬ瑣末な問題に貴重な時間が徒いたずらに費やされている。 ...

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国基研理事・東京工業大学特任教授 奈良林直    ロシア軍に占拠されたウクライナ南部のザポリージャ原子力発電所が非常に危険な状態になっている。事態を深刻にとらえた国際原子力機関(IAEA)は、グロッシ事務局長が自ら現地に乗り込み、居座るロシア軍とザポリージャ原発の現状の調査に乗り出した。  ●メルトダウンの危険  ザポリージャ原発はロシアのウクライナ侵攻開始から間もない3...

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国基研企画委員・明星大学教授 細川昌彦    経済安全保障推進法が成立し、それを着実に実施することは当然だ。しかし、これで満足してはいけない。次に取り組むべきは経済安保における有事の法制度整備だ。経済安保推進法はいわば平時の法制だ。  ●日本版の国防生産法を  例えば、経済安保推進法には半導体など重要物資の安定的な供給を確保するための措置が規定されている。民間企業が国内生...

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国基研企画委員・月刊「正論」発行人 有元隆志    9月29日は日中国交正常化50周年の記念日にあたる。50周年を祝って、日中首脳がオンラインなどで会談する可能性が取り沙汰されているが、この日の会談には反対する。いまはとても50周年を祝う時ではないからだ。  中国は8月4日、日本の排他的経済水域(EEZ)内に初めて弾道ミサイルを5発撃ち込んだ。日本側は強く抗議したが中国から謝罪...

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国基研理事・東京工業大学特任教授 奈良林直    ロシアのウクライナ侵略に対する西側諸国の経済制裁とロシアの報復により、石油、天然ガスをはじめとするエネルギー価格が高騰する中で、電力需給は今冬へ向けて厳しい状況が続く。エネルギー資源を持たない我が国にとって、原子力発電所の最大限の活用は国家存続の唯一の選択肢である。岸田文雄首相が次世代型原発の開発・建設の検討を指示するなどエネルギ...

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国基研理事長 櫻井よしこ    8月4日、米下院議長ナンシー・ペロシ氏の台湾訪問への報復として、中国は台湾を取り囲む6海域で激しい軍事演習を開始し、人民解放軍(PLA)は沖縄の排他的経済水域(EEZ)にもミサイル5発を撃ち込んだ。着弾海域はわが国最西端の与那国島からわずか60キロほどだ。  専門家は、PLAの軍事演習は台湾侵攻を念頭に置いていたと見る。台湾有事は日本有事と喝破し...

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国基研企画委員・月刊「正論」発行人 有元隆志    内閣改造に踏み切った岸田文雄首相は10日の記者会見で、改造内閣を「有事の内閣」と位置付けた。「有事」の具体例としてウクライナ戦争や台湾をめぐる米中関係の緊張を挙げたが、首相の口から有事という言葉が出てきた意味は重い。それだけ日本を取り巻く安全保障環境は厳しいとの認識には賛同する。しかし、当の首相がどこまで「有事」を自覚しているか...

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国基研企画委員兼研究員・福井県立大学教授 島田洋一    2018年3月16日、米上下両院を全会一致で通過していた「台湾旅行法」がトランプ大統領の署名を得て成立した。中国政府が「米中関係のレッドラインを超える」と強く廃案を求めていた法案だった。意識的に何気ない名称を付されたこの法律が、なぜそれほど中国を刺激したのか。米国の議員やビジネスマンはそれ以前から頻繁に台湾を訪れていた。台...

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国基研評議員兼企画委員 太田文雄    ペロシ米下院議長の訪台(8月2~3日)に伴い、台湾を威嚇する中国の軍事演習が実施されたが、中国が同時に行った非軍事面での「攻撃」にも注目すべきだ。軍事力と非軍事的手段を複合的に組み合わせた「ハイブリッド戦」への備えを我が国も加速させる必要がある。  まず2日夜、中国国営メディアは「人民解放軍空軍のSu35が台湾海峡を横断した」と報じた。こ...

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