公益財団法人 国家基本問題研究所
https://jinf.jp/

今週の直言

  • HOME
  • 今週の直言

国基研副理事長 田久保忠衛    2月1日の夜7時のニュースで石原慎太郎氏死去を耳にした時はギョッとした。同じ年で、華麗な活躍を続けてきた彼が元気になって軽いランニングもできるようになり、その動画を見たばかりだったから、衝撃も大きかったのかもしれない。  ●創成期の活力源に  何よりも、石原氏にはわが国家基本問題研究所が大変お世話になった。発足前の平成18年だったと思う。...

続きを読む

国基研企画委員・産経新聞月刊正論発行人 有元隆志    中国の新彊ウイグル、チベット、南モンゴルや香港での人権問題に関する決議が1日、衆院本会議で採択された。国会はこの決議採択で終わることなく、日本在住のウイグル人らから被害の実態を聴取し、人権報告書として公表すべきだ。  もともとこの決議は中国による人権弾圧への非難と、被害者救済の法整備へ向けた衆院としての決意を表明するはずだ...

続きを読む

国基研企画委員兼研究員・福井県立大学教授 島田洋一    「聞く力」をぎりぎりまで発揮するせいか、「決める力」がないように見える岸田文雄首相だが、2月1日の期限を目前にした1月28日、「佐渡島の金山」(新潟県佐渡市)の世界文化遺産登録を国連教育科学文化機関(ユネスコ)に推薦すると正式に表明した。  今後の焦点は、国際舞台において日本政府がどこまで事実に基づく主張を展開できるかに...

続きを読む

国基研副理事長 田久保忠衛    米保守系誌ワシントン・エグザミナーのトム・ローガン氏は「ドイツはもはや信頼できる同盟国ではなくなった」と突き放し、リベラル系のニューヨーク・タイムズ紙のコラムニスト、ロス・ドゥザット氏は「ドイツは一再ならずロシアの事実上の同盟国のように行動してきた」と、北大西洋条約機構(NATO)の裏切り者であるかのような表現をしている。2月7日にドイツのショル...

続きを読む

国基研企画委員・産経新聞特別記者 田村秀男    25年間にも及ぶ日本のデフレーション(収縮)は国内総生産(GDP)のみならず、防衛支出にも及ぶ。経済と軍事が二本柱である国力が衰退し続けている。対照的に全体主義中国の国力膨張はめざましく、日本を飲み込む勢いだ。日本が安全保障を確保するためには、経済・防衛デフレから脱出するしかない。  ●「戦後レジーム」の呪縛  ストックホ...

続きを読む

国基研企画委員・明星大学教授 細川昌彦    日本経済の停滞が言われて久しい。今後の経済見通しでも、日本は先進国の中でも依然低迷している。政府も危機感を持ち、成長戦略は常に政権の重要政策となって、政府における会議や計画は枚挙にいとまがない。未来投資会議、成長戦略会議、成長戦略実行計画、グリーン成長戦略などなど。しかし、単なる看板の付け替え、お化粧直しの感も否めない。  経済成長...

続きを読む

国基研企画委員・産経新聞月刊正論発行人 有元隆志    岸田文雄首相は中国が軍事的圧力を強める台湾の有事に備えるため、敵基地攻撃能力の保有を含めた日本の軍事力強化に邁進すべきだ。21日の日米オンライン首脳会談で、岸田首相は年内に策定する国家安全保障戦略などにおいて、敵基地攻撃能力の保有も含めあらゆる選択肢を排除せずに検討する方針を伝え、バイデン米大統領も「歓迎した」という。 ...

続きを読む

国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授 西岡力    昨年12月28日、文化庁文化審議会は新潟県の佐渡金山を国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産登録推薦候補に選定した。しかし文化庁は、選定は推薦の決定ではなく、今後、政府内で総合的に検討すると注釈を付けた。2月1日がユネスコへの推薦書提出の期限だ。ところが、1月も半ばを過ぎたのに、まだ推薦が決まらない異常事態が続いている。...

続きを読む

国基研企画委員兼研究員 冨山泰    ウクライナ問題をめぐりロシアと西側の緊張が続く中で、ロシアが米国に突き付けた要求の中に、日本の安全保障を脅かしかねないものが含まれていることを見落としてはならないだろう。バイデン米政権がロシアの要求を丸飲みすることはなさそうだが、それと気付かないまま日本の利益を損ねるような譲歩をしないように、わが国は交渉の行方に注意を払っていく必要がある。 ...

続きを読む

国基研評議員 岩田清文    昨年10月、台湾の国防部長(国防相)が、2025年には中国の全面的侵略が可能になるとの認識を示した。また昨年6月、米上院軍事委員会においては、2027年以降は中国の台湾侵攻が可能なレベルに上がるとの答弁が米インド太平洋軍司令官により行われた。これらを前提にすれば、最悪の場合、2025年~2027年以降、中台紛争勃発の危険度が高まる。  ●迫りく...

続きを読む