公益財団法人 国家基本問題研究所
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今週の直言

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国基研評議員兼企画委員 太田文雄    北朝鮮は19日、大気圏内で変則軌道を描く弾道ミサイルを潜水艦から試験発射した。先月28日には極超音速兵器(Hypersonic Glide Vehicle=HGV)とみられる火星8型ミサイルを陸上から発射している。  変則飛行が特性のHGVは、弾道ミサイル防衛網を突破できるいわゆるゲームチェンジャーとして、ロシアが1990年代後半から開発...

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産経新聞月刊正論発行人 有元隆志    衆院選は政権選択の選挙である。単独で衆院定数(465)の過半数(233人)に達する候補者を出している自民党と立憲民主党の公約を比較したい。結論から言うと、日本共産党と多くの選挙区で候補者を一本化して政権獲得を目指す立憲民主党には、政権を担う資格はない。外交・安全保障政策を見ても明白である。  ●「普天間県外移設」の教訓  立憲民主党...

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国基研企画委員兼研究員 大岩雄次郎    31日投票の総選挙で、経済政策に関する重要論点は「成長」と「分配」をめぐる与野党の立ち位置の違いである。日本経済が30年近くに及ぶ低成長に喘ぐ中、立憲民主党の枝野幸男代表は、かつての民主党と同じ轍を踏むことを厭わず、「分配なくして成長なし」を掲げる。  ●成長こそがパイを拡大できる  経済成長が先か、所得分配が先か、と問われれば、...

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国基研評議員長・尚美学園大学名誉教授 梅澤昇平    総選挙に突入したが、甘利明自民党幹事長の発言は本質を突いている。「自由民主主義の政権と、共産主義が初めて入る政権のどちらを選ぶかの政権選択だ」と。  共産党は、初めて政権参加の可能性を秘めた選挙と見て、候補者調整で立憲民主党に大幅に譲った。共産党が目標とする比例区850万票獲得を捨てた背水の陣だ。立憲の枝野幸男代表は連立政権...

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国基研企画委員兼研究員 冨山泰    10月初め、中国が多数の軍用機を台湾近くに飛来させた。台湾海峡の平和と安定を損ねる中国の行動に対し、日本政府は反応が鈍く、毅然とした態度を取らなかった。これでは、「中国に対して主張すべきは主張する」(所信表明演説)という岸田文雄首相の言葉がうつろに響く。岸田新政権の中国外交は先が思いやられる。  ●驚くべき日米の反応の違い  台湾南西...

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国基研副理事長 田久保忠衛    自民党内でもハト派と見られてきた岸田文雄新首相が「少なくとも(党総裁の)任期中に、時代の変化に対応した改憲をしっかり進めるべきだ」と述べた(9月17日の記者会見)。安倍晋三元首相の下で作成された①9条への自衛隊明記②緊急事態条項の創設③参院選の合区解消④教育の充実―という4項目の改正を実現したいとの熱意を表明したものだ。改憲を望む人々にとっては勇...

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国基研企画委員・明星大学教授 細川昌彦    中国の環太平洋経済連携協定(TPP)への加盟申請を受けて、台湾も加盟を申請した。前稿(第831回)で「台湾も早期に加盟申請すべきだろう」と指摘したが、台湾の動きは予想以上に早かった。昨年署名された「地域的な包括的経済連携協定」(RCEP)への参加は中国によって阻まれ、このままではアジアの経済圏で孤立しかねないとの危機感があった。  ...

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国基研理事・麗澤大学大学院客員教授 髙橋史朗    自民党の「こども・若者」輝く未来創造本部が「こども庁」創設と「こどもまんなか基本法(仮称)」制定に向けて準備を進めている。有識者会議が発足し、年内にも取りまとめが行われ、同庁設置法案を含む関連法案が来年の通常国会に提出される見通しである。これまであまり議論されなかった問題点を指摘したい。  ●「家庭」軽視は不当  第一は...

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国基研理事・東京工業大学特任教授 奈良林直    週刊文春が暴露した河野太郎行政改革担当相の資源エネルギー庁幹部に対する恫喝で、河野氏は原子力発電所が北朝鮮のミサイル攻撃を受けたら危険だとまくし立てている。その河野氏は防衛相時代に、北朝鮮などのミサイル攻撃を防ぐ陸上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の建設を取りやめた張本人だ。原発をミサイル攻撃の危険にさらし、廃棄に持ち込も...

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国基研企画委員兼研究員 冨山泰    インド太平洋地域の主要な民主主義国による安全保障協力の枠組み「クアッド」(日米豪印4カ国で構成)が初の対面による首脳会議を24日ワシントンで開いた。専制国家・中国への対抗を念頭に置きつつ、新型コロナウイルスや気候変動といった非軍事的な脅威への対応、新興技術の育成を含む経済安全保障、開発途上国のインフラ整備などが今後、クアッドの協力の柱となる方...

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