公益財団法人 国家基本問題研究所
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今週の直言

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産経新聞月刊正論発行人 有元隆志    イスラム原理主義勢力タリバンがアフガニスタンで20年ぶりに実権を掌握した。米国に歩調を合わせて、これまで総額約7000億円をつぎ込み、アフガニスタンの「自立」を支援してきた日本にとっても、今回の事態は「敗北」と言ってもいい。  筆者は2001年9月11日、米ニューヨークのダウンタウンに住んでいた。世界貿易センタービルに2機目の飛行機が突入...

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国基研副理事長 田久保忠衛    要するに、軍事力では世界最強の米軍が、イスラム原理主義勢力の一つに過ぎないタリバンに、20年間戦って敗北を喫したということだ。タリバンはスポークスマンの会見で、国際社会に柔軟に対応していくかのような姿勢を取っているが、かつて偶像破壊と称してアフガニスタン中部バーミヤンの石仏を破壊する暴挙を働いたタリバンが急に穏健路線に転ずるとは考えにくい。あると...

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国防安全研究院(台湾)准研究員 林彦宏    中国の軍事活動拡大により、台湾海峡の緊張が高まっている。台湾国防省の発表によると、中国人民解放軍の軍用機が台湾南西の防空識別圏(ADIZ)に侵入した回数は、2021年1月1日~8月8日に計125日、367機に達した。台湾空軍は、戦闘機を常時上空待機させる「空中哨戒」で対応しているほか、地上から無線警告を発し、地対空ミサイルのレーダーシ...

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麗澤大学准教授 ジェイソン・モーガン    戦場での超現実的な経験を説明するのに、「戦争の霧」という言葉が復員軍人によってしばしば使われる。戦闘を体験した人は、周囲の状況からの断絶感、方向感覚の消失、周りの出来事や時間の経過についての認識の喪失について語る。  戦勝国の米国にとって、第2次世界大戦の「戦争の霧」はずっと前に晴れた。一方、敗戦国の日本は長く「戦後の霧」に包まれてき...

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日本医科大学特任教授 松本尚    武漢ウィルスの感染者数が再び急増している。その原因を東京五輪の開催と結びつける論調もあるが、無観客と「バブル方式」(選手など五輪関係者と外部との接触遮断)を考えれば、そういった批判に明確な根拠があるとは思えない。周知の通り、ワクチン接種により高齢者の死亡者、重症者の数は激減しており、7月29日の東京都のデータでは新規感染者の83%は40歳代以下...

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国基研客員研究員・米バンダービルト大学名誉教授 ジェームズ・E・アワー    私は1963年から88年まで25年間、海軍将校および文民として米国防総省で働いた。たまたま私の公務員生活は、冷戦の最後の25年間とほぼ重なった。とりわけ75年から85年まで私が非常に強く懸念したのは、ソ連が保有する大量の通常兵器と戦略核兵器だった。しかし、米国を中心とする民主主義同盟諸国に脅威を及ぼした...

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国基研評議員兼企画委員 太田文雄    7月13日に令和3年の防衛白書が公表された。白書は中国について「わが国を含む地域と国際社会の安全保障上の強い懸念」としているが、北朝鮮に関しては「わが国の安全に対する重大かつ差し迫った脅威」とした。なぜ中国を北朝鮮と同様に「脅威」としないのか。  ●同盟国との共通戦略計画に障害  脅威は軍事攻撃の能力と意図で構成されるが、北朝鮮は日...

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国基研企画委員・明星大学教授 細川昌彦    中国の新疆ウイグル自治区の人権侵害を巡って、米欧で貿易を規制する動きが急速に強まっている。  米国は新疆産の原材料を使う綿製品、トマト製品、太陽光パネル部材を輸入禁止にしている。この関連でユニクロの綿シャツの輸入を税関で差し止めた。また、人権侵害に加担している企業と利用され得るモノに着目して輸出を規制しており、既に多くの中国企業に事...

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国基研理事・東京工業大学特任教授 奈良林直    7月3日、静岡県熱海市伊豆山地区で発生した土石流の起点近くに、大規模な太陽光発電所(メガソーラー)が設置されている。土石流との因果関係は今のところ不明だが、政府は調査に乗り出した。災害を引き起こす可能性のある山間部での設置が今後規制されれば、太陽光発電推進政策に影響を及ぼす可能性がある。  ●土石流の主因はずさんな盛り土 ...

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産経新聞月刊正論発行人 有元隆志    今秋に行われる衆院選の前哨戦として注目された東京都議選(4日投開票)で、自民党と公明党は目標とした過半数(64)に届かなかった。自民党は4年前の歴史的大敗からは回復したものの、伸び悩んだ。東京五輪・パラリンピックの中止・延期論が根強いことに加え、新型コロナウイルスのワクチン接種をめぐる混乱も響いた。  菅義偉政権が昨年9月に発足してから、...

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