公益財団法人 国家基本問題研究所
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今週の直言

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国基研客員研究員・ジャーナリスト 濱本良一    中国共産党の重要会議、第19期中央委員会第6回総会(6中総会、11月8~11日)が、習近平時代を称賛する党史上3回目の歴史決議を採択し、閉幕した。来秋の第20回党大会で、慣例を破って総書記3期目就任を狙う習近平氏。党創立100周年を利用し、党史を総括する中で自らの権威を高めたかったのだが、必ずしも習氏の満足できる内容にはならなかっ...

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国基研評議員兼企画委員 太田文雄    バイデン米政権が来年早々公表する「核態勢見直し」(NPR)に核先制不使用を盛り込むことの是非について、同盟国への打診が行われていると報道されている。同盟国の日本としては、米国による核先制不使用宣言を絶対に認めるべきでない。  核先制不使用宣言は、中国、ロシア、北朝鮮が核兵器と同じ大量破壊兵器である化学・生物兵器を使用しないようにするための...

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国基研副理事長 田久保忠衛    憲法改正にとってこれほどの好機はめったに訪れるものではない。「改憲勢力」とされる自民党、公明党、日本維新の会、国民民主党の4党が国会による改正発議に必要な3分の2の議席を衆参両院で確保した。国民投票の利便性を高める改正国民投票法は去る6月、提出から3年の月日を経て、ともかく成立した。  岸田文雄首相をはじめ、細田博之衆院議長、自民党の茂木敏充幹...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授 西岡力    来年3月に行われる韓国大統領選挙の候補者が出そろった。与党「共に民主党」は李在明・前京畿道知事、第1野党「国民の力」は尹錫悦・前検事総長を候補に選出した。ほかに中道野党「国民の党」から安哲秀氏、極左の正義党から沈相奵氏が出馬を表明している。  ●野党候補・尹氏も期待できない  大統領候補選びの隠された焦点は韓国の法治...

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国基研評議員兼企画委員 太田文雄    3日に米国防総省が「中国の軍事・安全保障動向に関する報告書2021」を公表した。日本のメディアは一斉に、この中の「2030年までに中国は少なくとも1000発の核弾頭保有を目指している」という点を報道しているが、何故中国が核弾頭の増勢を目指しているのかについての分析が不足しているように思われる。  ●攻撃目標は都市から軍事施設へ  ニ...

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国基研企画委員兼研究員 冨山泰    米国防総省が11月3日発表の報告書で明らかにした中国の軍事力のうち、日本の安全保障にとりわけ重大な影響を及ぼすのは、現在のミサイル防衛システムで迎撃できない極超音速ミサイルが日本本土を射程内に収める形で配備されたことである。日本は、核搭載可能なこの新型ミサイルの脅威に目覚め、速やかに対策を講じねばならない。  ●中国が台湾対岸にDF17...

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国基研理事・東京工業大学特任教授 奈良林直    岸田文雄首相は11月2日、英グラスゴーで開催された国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)に出席し、アジアなどの脱炭素化に最大100億ドル(約1兆1000億円)の追加支援を表明した。しかし動画を見る限り、スピーチを行った会場は閑散としていた。会議ではむしろ「脱石炭」が議論の焦点になり、40カ国余りが合意したが、太陽光...

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産経新聞月刊正論発行人 有元隆志    衆院選で自民党は解散時よりも議席数を減らしたものの、国会を安定的に運営できる絶対安定多数を単独で確保した。さらに自民、公明の両与党と、公約に憲法改正の方向性を明記した日本維新の会、国民民主党を加えると、改憲勢力は憲法改正発議に必要な310議席を優に超えた。政権発足から間もない岸田文雄首相は、選挙戦で公約したように「憲法改正を実現すべく最善の...

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国基研理事・北海道大学名誉教授 奈良林直    中国や北朝鮮など周辺諸国が極超音速ミサイルの開発を加速し、日本への軍事的脅威を増す中で、我が国には日本を脅かすミサイルに対する防衛システムを構築できる先端科学技術がある。しかし、日本学術会議による軍事研究禁止が足かせとなって、その技術を活用できない。今ほど学術会議の抜本的見直しが必要な時はない。  ●周辺国で進む極超音速兵器の...

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国基研評議員兼企画委員 太田文雄    北朝鮮は19日、大気圏内で変則軌道を描く弾道ミサイルを潜水艦から試験発射した。先月28日には極超音速兵器(Hypersonic Glide Vehicle=HGV)とみられる火星8型ミサイルを陸上から発射している。  変則飛行が特性のHGVは、弾道ミサイル防衛網を突破できるいわゆるゲームチェンジャーとして、ロシアが1990年代後半から開発...

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