公益財団法人 国家基本問題研究所
https://jinf.jp/

今週の直言

  • HOME
  • 今週の直言

国基研企画委員兼産経新聞月刊正論発行人 有元隆志    林芳正外相は就任時に辞任した日中友好議員連盟会長の意識が抜けないのか。中国の王毅外相から訪中招請を受けたことを自ら明かした。来年2月の北京冬季五輪開会式出席に対する外交的ボイコットが、国際社会で焦点となっている最中にもかかわらずだ。  11月18日の外相電話会談後には日中双方とも発表しなかったが、林氏は21日のフジテレビ番...

続きを読む

国基研評議員兼企画委員 太田文雄    17日に米議会の諮問機関「米中経済安全保障調査委員会」の年次報告書が公表された。その中で、日本にとって極めて重要な記述の一つは「パートナー国が米国の中距離戦力の受け入れに乗り気であることを調べるための対話」を提唱しているくだりである。台湾の安全確保のため、米軍がインド太平洋に数多くの対艦巡航ミサイルと対艦弾道ミサイルを展開するための予算を付...

続きを読む

国基研企画委員兼研究員 冨山泰    バイデン米大統領と習近平中国国家主席による11月16日(日本時間)の初のオンライン首脳会談は、米中間の競争が武力衝突に発展しないようにするには首脳レベルの関与と意思疎通が必要、という米国の呼び掛けで実現した。対立する問題で具体的合意を達成することは目的でなかった。首脳会談をきっかけに、バイデン大統領が対中強硬姿勢の修正へ動かないか注視する必要...

続きを読む

国基研企画委員兼研究員・福井県立大学教授 島田洋一    米バイデン政権が2022年北京冬季五輪の「外交的ボイコット」を検討中と伝えられる。  五輪の主催者は国際オリンピック委員会(IOC)だが、IOC規則は「開会宣言は開催国の国家元首によって行われる」と定めている。北京五輪の場合、習近平国家主席が行う。  さらに次のような開会式実施細則が続く。  「開催国の国家元首は、ス...

続きを読む

国基研企画委員・産経新聞月刊正論発行人 有元隆志    国際人権問題担当首相補佐官の新設は、岸田文雄政権として人権外交を前面に打ち出す狙いがあったはずだが、早くも看板倒れに終わりそうである。首相補佐官に就任した中谷元氏が人権制裁法制定など法整備に慎重な構えを示したからだ。  ●中国に寄り添って解決?  中谷氏は15日放送のBS日テレ番組「深層NEWS」に出演した際、経済重...

続きを読む

国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授 西岡力    岸田文雄首相は、新設の人権問題担当首相補佐官に自民党の中谷元・元防衛相を任命した。中国共産党政府が行っているウイグル、チベット、南モンゴル、香港、法輪功、キリスト教徒などへのすさまじい人権侵害を黙認しないという、普遍的価値を共有する文明国としての姿勢を示す人事として評価したい。その上で、2つの注文を付けたい。  ●人権...

続きを読む

国基研客員研究員・ジャーナリスト 濱本良一    中国共産党の重要会議、第19期中央委員会第6回総会(6中総会、11月8~11日)が、習近平時代を称賛する党史上3回目の歴史決議を採択し、閉幕した。来秋の第20回党大会で、慣例を破って総書記3期目就任を狙う習近平氏。党創立100周年を利用し、党史を総括する中で自らの権威を高めたかったのだが、必ずしも習氏の満足できる内容にはならなかっ...

続きを読む

国基研評議員兼企画委員 太田文雄    バイデン米政権が来年早々公表する「核態勢見直し」(NPR)に核先制不使用を盛り込むことの是非について、同盟国への打診が行われていると報道されている。同盟国の日本としては、米国による核先制不使用宣言を絶対に認めるべきでない。  核先制不使用宣言は、中国、ロシア、北朝鮮が核兵器と同じ大量破壊兵器である化学・生物兵器を使用しないようにするための...

続きを読む

国基研副理事長 田久保忠衛    憲法改正にとってこれほどの好機はめったに訪れるものではない。「改憲勢力」とされる自民党、公明党、日本維新の会、国民民主党の4党が国会による改正発議に必要な3分の2の議席を衆参両院で確保した。国民投票の利便性を高める改正国民投票法は去る6月、提出から3年の月日を経て、ともかく成立した。  岸田文雄首相をはじめ、細田博之衆院議長、自民党の茂木敏充幹...

続きを読む

国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授 西岡力    来年3月に行われる韓国大統領選挙の候補者が出そろった。与党「共に民主党」は李在明・前京畿道知事、第1野党「国民の力」は尹錫悦・前検事総長を候補に選出した。ほかに中道野党「国民の党」から安哲秀氏、極左の正義党から沈相奵氏が出馬を表明している。  ●野党候補・尹氏も期待できない  大統領候補選びの隠された焦点は韓国の法治...

続きを読む