公益財団法人 国家基本問題研究所
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今週の直言

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国基研企画委員・明星大学教授 細川昌彦    5月10日、米国の税関当局がユニクロのシャツ輸入を差し止めたことが公表された。人権問題を巡る米欧と中国の対立によって日本企業も深刻なリスクに直面している。  27日~28日には主要7カ国(G7)貿易相会合が予定されている。議長国の英国は強制労働問題も議論する意向だ。中国の人権問題を最優先するタイ米通商代表とこの問題で共振し、及び腰の...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授 西岡力    私は5月17日付の本欄で、送還忌避者(退去命令を受けながら送還に応じない外国人)の処遇などに関する出入国管理法改正案に関する論議に国益への目配りが不足しているとの問題提起をした。しかし、政府・与党は18日、今国会での改正案成立を断念した。その結果、送還忌避者の増加による収容長期化や仮放免者逃亡などの懸案が解決できず、収容者の...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授 西岡力    今、国会では、送還忌避者(退去命令を受けながら送還に応じない外国人)の処遇などに関する出入国管理法改正案をめぐり、与野党が激しく対立している。  国基研は平成30年12月、外国人労働者の受け入れを拡大する前回の入管法改正の際、中国人永住者が急増していることに危機感を持ち、永住許可条件の厳格化を求める提言を行い、参議院はその...

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追手門学院大学教授 佐藤伸行    中国に対する危機意識があまりにも希薄ではないかと批判されていた欧州が、ようやく目を覚ましつつある。  5月初めの主要7カ国(G7)外相会議共同声明は中国の軍事的圧力が強まる台湾情勢に言及し、欧州が中国牽制で日米と足並みを揃えた。それに続き、インド太平洋地域の戦略的重要性を再認識したフランスは日米と共に離島防衛の合同演習を実施した。欧州連合(E...

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国基研企画委員兼研究員・福井県立大学教授 島田洋一    菅義偉首相は、2030年度の温室効果ガス排出量を2013年度比で46%削減する目標を発表した。その達成には、常識的に考えて、既存原発の活用はもちろんのこと、原発の新増設やリプレース(建て替え)が不可欠である。ところが、政府のエネルギー基本計画の柱となる2030年度の電源構成の見直しでは、原子力は現行目標の据え置きで調整が進...

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国基研理事長 櫻井よしこ    世界のどの国よりもわが国日本は人権尊重や民主主義擁護に努めなければならない。  第一の理由は、604年に聖徳太子が定めた十七条の憲法以来、明治天皇の五箇条の御誓文まで、その語彙を用いたわけではなかったが、人権尊重も民主主義もわが国の国柄の核を成す価値観であるからだ。  第二の理由は、わが国は戦後憲法で「戦力」の保持を禁止し、自衛隊は基本的に警察...

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産経新聞月刊「正論」発行人 有元隆志    憲法改正の手続きに関する国民投票法改正案が6日の衆院憲法審査会で可決された。自民、立憲民主両党は6月16日までの通常国会会期中に成立させることで合意した。これにより改憲に向けた機運が高まることを期待する。  国民投票法は憲法改正の具体的な中身ではなく、手続きを定めているにすぎない。にもかかわらず2018年6月の改正案提出以来、8国会、...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授 西岡力    4月27日、菅内閣が慰安婦問題と朝鮮人戦時労働者問題で重要な閣議決定を行った。「従軍慰安婦」という用語はたとえ「いわゆる」が付いても不適切であり、また朝鮮人戦時労働者について「強制連行」や「強制労働」という用語も不適切だと決定したのだ。  ●「いわゆる」も排除  昨年、文部科学省の検定に合格した山川出版の中学歴史教科...

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国基研理事・東京工業大学特任教授 奈良林直    菅義偉首相は4月22日の気候変動サミットのオンライン出席を前に、2030年度の温室効果ガス排出量を2013年度比で46%削減する目標を表明した。一方、米国は18日、米中高官級協議を経て、米中両国が国際的な地球温暖化対策に加わり、気候変動パリ協定の目標達成に取り組む共同声明を発表した。中国を温暖化対策の仲間に引き入れ、世界最大の温室...

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国基研企画委員・明星大学教授 細川昌彦    楽天に対する中国IT大手テンセントの子会社からの出資について、3月の発表直後から2度にわたって本欄で経済安全保障にかかわる懸念を指摘してきた。そうした懸念の声を意識してか、楽天はこの件の説明を大きく変えて、懸念払しょくに躍起になっている。政府も対応を迫られ、最近になって「監視」していく方針が報道されている。しかし、これで懸念が解消され...

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