公益財団法人 国家基本問題研究所
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今週の直言

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国基研企画委員兼研究員・福井県立大学教授 島田洋一    中国共産党政権(以下中共)が覇権を握れば、自由で人間的な文明は地を払う。中共にどう立ち向かうか。世界が米大統領選の両候補に関し、最も注視するのはそこである。  バイデン民主党大統領候補はオバマ政権の副大統領だった。2015年、訪米した習近平中国国家主席はオバマ大統領(当時)との共同記者会見で、①サイバー犯罪に共同で戦うと...

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国基研理事・北海道大学名誉教授 奈良林直    トランプ米大統領は14日、中国IT企業の北京字節跳動科技(バイトダンス)に対し、同社が運営する動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の米国事業を90日以内に売却するよう命じた。米国の大統領は、安全保障の観点で対米投資を審査する対米外国投資委員会(CFIUS)の勧告に基づき、企業の合併・買収(M&A)の阻止や事業売却を命じる...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授 西岡力    「日本に対話を呼びかけ」―。日本の多くのマスコミは8月15日の文在寅韓国大統領の演説にこのような見出しを付けた。しかし、その全文を読み、同じ式典でなされた光復会(独立運動家とその子孫の会)会長の祝辞を読むと、現政権下での日韓関係の正常化はほとんど不可能だと考えざるを得ない。  ●空疎な対話呼びかけ  文大統領はこう語...

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(終戦75周年特別寄稿・下)静岡大学教授 大野旭(楊海英)    戦後75周年を迎えた日本が目指すべきことは、ヤルタ体制からの脱却である。ヤルタ体制とは、大戦末期の1945年2月に米英ソ三大国がクリミア半島のヤルタで交わした密約に基づく対日戦後処理方針を中心とした国際秩序の枠組みを指す。ヤルタ協定が密約だったことと、協定内容を押し付けられた当事者が会談に含まれていなかったことなど...

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(終戦75周年特別寄稿・中)インド政策研究センター教授 ブラーマ・チェラニー    長期化する日本の経済的苦境が国際的に注目されたせいで、非常に重要だがほとんど気付かれない動きが目立つことはなかった。その動きとは、世界第3の経済大国・日本の政治的台頭である。日本は安倍晋三首相の下で、安全保障体制の改革に着手し、進行しつつあるアジアの勢力均衡の形成に積極的役割を果たそうと努め、それ...

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(終戦75周年特別寄稿・上)米バンダービルト大学名誉教授 ジェームズ・アワー    1853年、ペリー提督は苦情を携えて日本を訪れた。当時の日本は米海軍を脅かす大国ではなかったが、技術進歩のおかげで船舶の航続距離が伸びると、鎖国中の徳川幕府は難破船の救助を拒むか、場合によっては船員を殺害した。  ペリーは、遭難船に国を開くよう日本に要求する大統領親書を手渡した。黒船の実力を痛感...

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国基研理事・拓殖大学学事顧問 渡辺利夫    「李登輝、消えゆくの報。  頭こうべを深く床に伏す。  ありがとうございました」  これ以上、私には言葉がない。  ●二・二八事件の謝罪  鮮やかに思い浮かぶひとつの光景がある。1995年2月28日、台北新公園で執り行われた二・二八事件記念碑落成式に臨んだ台湾総統(中国国民党主席)李登輝が、犠牲者と家族に対し公式の謝罪...

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国基研副理事長 田久保忠衛    7月23日にポンペオ米国務長官がカリフォルニア州のニクソン図書館で行った「共産主義中国と自由世界の将来」と題する演説は、トランプ政権の対中政策の中でも一時期を画する意義があったと思われる。  同長官が言わんとするところは、14億人の人民よりも党およびその指導者の利益を考えている中国共産党の行動は民主主義国とは相いれないので、「関与政策」は転換す...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授 西岡力   これまで新型コロナウイルス患者は1人もいないと主張してきた北朝鮮が、初めて感染者発生を認めた。韓国から軍事境界線を越えて北朝鮮の開城市に戻った元脱北者の感染の疑いが濃厚と判明したというのだ。 7月26日、朝鮮労働党機関紙・労働新聞は一面トップで、前日に党非常拡大政治局会議が開催されたと報じた。そこで金正恩委員長は「わが国に悪...

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国基研理事長 櫻井よしこ    4月7日に安倍晋三首相が緊急事態宣言を発出したとき、日本国民は立派に行動した。政府の宣言には強制力も罰則もなく、要請するだけの建て付けだ。国は国民と対立する悪しき存在であり、最小限の権力さえ与えないのがよいとする現行憲法の精神を色濃く反映した結果である。  国の建て付けとは正反対に、日本国民の圧倒的多数が首相の言葉を正面から受け止め、本来の日本国...

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