公益財団法人 国家基本問題研究所
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今週の直言

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産経新聞月刊「正論」発行人 有元隆志    安全保障上重要な土地の買収対策として政府が検討している土地利用規制法案をめぐり、連立与党の公明党が慎重姿勢を強めている。国境離島、防衛施設、原子力発電所の周辺地域が外国資本によって買収され続けると、安全保障上重大な問題が発生する。公明党は同法整備をはじめ、国土保全と国防の強化に積極的に協力すべきだ。  ●予言した論文  中国系資...

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国基研企画委員兼研究員 太田文雄    岸信夫防衛相は2月末、中国海警局の船が尖閣諸島周辺の日本領海侵入を繰り返していることを念頭に、外国公船の乗員が同諸島に上陸しようとする場合、自衛隊による「危害射撃」(相手に危害を加える射撃)が可能との見解を述べた。  我が国の法体系では、自衛隊の平時の海上警備行動と有事の際の防衛出動との間のいわゆるグレーゾーン事態における規定がないことか...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授 西岡力    ハーバード大学のマーク・ラムザイヤー教授が書いた戦時中の慰安婦に関する学術論文「太平洋戦争における性サービスの契約」が批判されている。同論文はオランダの出版社エルゼビアが発行する国際学術誌インターナショナル・レビュー・オブ・ロー・アンド・エコノミクスのインターネット版で公開され、3月に出版される印刷版にも掲載が予定されていた...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授  西岡力    韓国は中国に引き寄せられ、大陸国家に回帰するのか。建国以来、韓国は自由民主国家として米国との軍事同盟で安全保障を強固にし、日本との友好関係を拡大しつつ、経済成長を遂げた。北朝鮮という存在が大陸との関係を遮断したため、海洋国家の一員となって発展したと言える。ところが、文在寅政権になって、韓国の立ち位置が変わった。  バイデ...

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国基研企画委員・明星大学教授 細川昌彦    バイデン米大統領は2月24日、重要部材の供給網の問題点と対応策を検証する大統領令に署名した。半導体、高性能電池、医薬品、レアアース(希土類)が重点4品目だ。バイデン氏は「米国の国益や価値観を共有しない外国に依存できない」と強調した。むろん中国を念頭に置いてのことだ。バイデン政権も前政権と同様に、中国に厳しく臨むのだろうか。  重点4...

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国基研企画委員兼研究員・福井県立大学教授 島田洋一    バイデン米政権が世界保健機構(WHO)への復帰を決めた。予想された動きだが、台湾のWHO総会参加などの条件を付けることなく簡単に復帰した姿勢には、強い危惧の念を抱かざるを得ない。  トランプ政権は昨年7月6日、中国に支配され、本来の責任を果たさず、改革の意思も見せないWHOとの関係に終止符を打つとして、1年後に脱退する旨...

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国基研企画委員兼研究員 太田文雄    英国のジョンソン首相は昨年11月、最新鋭空母「クイーン・エリザベス」が英国や同盟国の部隊を率いながらインド洋、東アジア地域に展開する計画を発表した。その背景には1985年の英中共同声明に違反して香港を中国共産党体制下に置こうとする習近平政権に対する反発があるものと思われる。  この予行演習として、昨年秋に同空母は英空軍のF35B短距離離陸...

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国基研企画委員兼研究員 冨山泰    中国が自ら開発した新型コロナウイルス・ワクチンを開発途上国などにばらまく「ワクチン外交」を積極的に展開している。欧米のワクチンを入手できない諸国がこれに飛びついており、コロナ禍がうまく終息すれば中国の国際的影響力が飛躍的に拡大する結果を招きかねない。  中国外務省によると、2月8日時点で中国が国産ワクチンの無償供与を予定している国は53カ国...

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国基研理事長 櫻井よしこ    国際平和と友好の象徴、スポーツの祭典とされながら、五輪はいつも高度に政治利用されてきた。いま留意すべきは、約1年後、北京冬季五輪の成功を介して勢力拡大を目指す中国共産党政権の目論見である。  東京五輪・パラリンピック組織委員会前会長、森喜朗氏の発言への内外の激しい反発は、北京五輪に敷衍ふえんして考えてこそ、意味がある。「女性の多い会議は時間がかか...

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国基研企画委員・明星大学教授 細川昌彦    バイデン米大統領と習近平中国国家主席は先週、初の電話協議をした。米側発表によると、バイデン大統領は、香港、新疆ウイグルの人権問題や台湾への軍事的圧力、不公正な経済慣行などの懸念を伝えたという。対する中国側の発表は、米中対話の枠組みの再構築を米側に呼びかけたことを強調する。  バイデン大統領がまず強硬姿勢を示しておくことは、超党派で対...

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