公益財団法人 国家基本問題研究所
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今週の直言

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授 西岡力    香港の民主化運動リーダーが次々逮捕され、実刑判決を受けている。これに対して日本で批判の声が高まり、朝日新聞までもが12月3日社説で「国際社会は共同行動を強めるべきだ」と書いた。  それでは国際社会はどのような共同行動を取るべきなのか。都合が悪くなれば国際的な約束や評判など無視する独裁政権に人権侵害をやめさせるためには、それ...

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国基研理事・国士舘大学特任教授 百地章    臨時国会が12月5日閉幕し、憲法改正手続きを定めた国民投票法の改正は、最大の懸案事項の一つだったにもかかわらず、今回も先送りされてしまった。  ●国民投票法の改正もできない自民  衆議院では何とか憲法審査会を開会し、自由討議にまでこぎ付けたものの、結局、国民投票法の改正を行うことはできなかった。この改正法案は公職選挙法の改正に...

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日本医科大学教授 松本尚    武漢ウイルス感染症による「annus horribilis」(ひどい年)もあと20日余りである。この間、メディアは不安を煽るような報道を続け、結果、国民はこの感染症をおぞましい疫病のように扱うようになった。そろそろ冷静に現状の対応策を再考すべきである。  集中治療室(ICU)の病床が逼迫ひっぱくしているといわれる。確かに重症患者が集中する一部の医...

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国基研企画委員・明星大学教授 細川昌彦    中国の習近平国家主席が11月20日、環太平洋経済連携協定(TPP)への参加意欲を表明した。地域包括的経済連携協定(RCEP)に署名した直後というタイミングをとらえて、バイデン次期米政権の機先を制し、自由貿易、多国間主義の旗手であるかの如く振る舞う。  政治的ポーズだけではない。習主席は他国にサプライチェーンの中国依存を高めさせて、経...

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産経新聞正論調査室長兼月刊「正論」発行人 有元隆志    中国の王毅外相訪日で鮮明になったことがある。一つ目は習近平国家主席を国賓として招くべきではないということ。二つ目は尖閣諸島(沖縄県石垣市)の防衛にかける政府・自民党の気迫の欠如だ。  ●習主席国賓来日は中止に  王外相の訪日は、延期となった習主席の国賓来日の環境整備が本来の目的だった。ところが、一連の発言によって真...

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国基研企画委員・明星大学教授 細川昌彦    日中韓、東南アジア諸国連合(ASEAN)など15カ国が参加する地域包括的経済連携協定(RCEP)が署名された。人口、国内総生産(GDP)ともに世界の3割を占める巨大経済圏ができた。世界の内向き志向の中で、貿易自由化の進展は評価できる。しかし過大評価は禁物だ。貿易自由化のレベルは環太平洋経済連携協定(TPP)に比べてかなり見劣りする。関...

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国基研企画委員・明星大学教授 細川昌彦    14日、東南アジア諸国連合(ASEAN)との首脳会議を終えた記者会見での菅義偉首相の発言が波紋を呼んでいる。これまでの「自由で開かれたインド太平洋」と言わずに、「平和で繁栄したインド太平洋」と言い換えたのだ。  ●価値観外交のキーワード  「平和と繁栄」に反対する者はいないだろう。問題はそれをどうやって達成するかだ。軍事力を背...

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産経新聞正論調査室長兼月刊「正論」発行人 有元隆志    中国海警局の公船の度重なる周辺海域侵入によって尖閣諸島(沖縄県石垣市)が危険にさらされている。尖閣の実効支配を確たるものにするため、見習うべき国がある。ほかならぬ中国である。中国共産党は2003年に人民解放軍政治工作条例を改正し、世論戦、心理戦、法律戦の「三戦」による戦術で敵の力を削ぐよう指示している。日本版「三戦」で、攻...

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国基研企画委員・明星大学教授 細川昌彦    米大統領選でバイデン氏の当選が確実になった。バイデン政権における日本の対米戦略を考えるうえで、カギの一つは環境問題だ。バイデン氏は2050年までの温室効果ガス排出量実質ゼロを打ち出し、地球温暖化対策を目玉政策としている。具体的には、気候変動パリ協定に早期に復帰したうえで、クリーンエネルギーへの投資と環境規制の強化に力点を置く。 ...

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産経新聞台北支局長 矢板明夫    米民主党のバイデン前副大統領が7日、大統領選挙の勝利宣言を行った。「開票に不正があった」と主張するトランプ大統領(共和)との法廷闘争を控え、米国の混乱はしばらく続きそうだが、中国の習近平国家主席はバイデン氏の当選確実に胸をなで下ろしているに違いない。トランプ政権との約2年にわたる対立で、習政権は内政、外交ともに大きなダメージを受け、中国の外交関...

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