公益財団法人 国家基本問題研究所
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今週の直言

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国基研理事・東京工業大学特任教授 奈良林直    国際エネルギー機関(IEA)は5月、地球温暖化対策のため再生可能エネルギーを推進する場合に、風力発電や電気自動車、蓄電池に必要な鉱物資源の量が膨大に増え、環境破壊なども問題になるとの報告書を発表した。これを基に米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが同月11日付で、バイデン米大統領が数兆ドルを注ぎ込もうとしているエネルギー転換政策は...

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国基研企画委員・明星大学教授 細川昌彦    東芝の株主総会の運営が公正でなかったとする外部調査報告書が公表された。東芝が経済産業省と一体となって「物言う株主」の株主提案権の行使を妨げたとし、そのために経産省が外為法の問題がないにもかかわらず、その規制をもって介入したとのストーリーに仕立て上げられている。  しかしこれを鵜呑みにした報道に惑わされず、実態を冷静に見る必要がある。...

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産経新聞月刊正論発行人 有元隆志    先の通常国会で、対中人権非難決議案の採択は見送られた。与党の二階俊博自民党幹事長、山口那津男公明党代表らが中国との関係維持を最優先する立場から決議案採択に慎重だったためだ。野党も決議案に賛成はしたものの、積極的に動いていた議員は多くなかった。与野党は採択見送りの責任のなすりつけ合いをすべきでない。国会議員全員に連帯責任がある。  ●侵...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授 西岡力    6月7日、韓国ソウル地裁が朝鮮人戦時労働者問題で正当な判決を下した。元労働者ら85人が日本企業16社を相手取り、慰謝料1億ウォン(約1000万円)ずつを求めた訴訟で、訴えを却下したのだ。  43ページにわたる判決全文を読み、裁判長を務めた金亮澔キムヤンホ部長判事のバランス感覚と愛国心に心を打たれた。  ●「最終的解決...

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国基研副理事長 田久保忠衛    バイデン米大統領の表現に従えば、「民主主義体制と専制政治体制の対立」の中で、とかくぼやけがちな印象を与えていた民主主義陣営が、米国を中心にようやく形を整え始めたと見ていい。6月13日に発表された先進7カ国首脳会議(G7サミット)の共同宣言には、世界が当面する諸問題が盛り込まれたが、中心は「台湾海峡の平和と安定」ならびに「新疆ウイグル自治区での人権...

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国基研理事・東京工業大学特任教授 奈良林直    東京五輪の開催が1カ月半後に迫り、「命と五輪とどちらが大事か」という二者択一の議論が国会やマスコミをにぎわしているが、五輪の感染対策を万全にすることで、命と五輪を両立させるという三つ目の選択肢があることを指摘したい。なぜ、国会で「あらゆる感染対策をして五輪を成功させよう」という議論がされないのであろうか。国基研の櫻井よしこ理事長が...

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国基研企画委員兼主任研究員 湯浅博    インド太平洋に目を向けた英国が、欧州勢の先陣を切って大きな一歩を踏み出したことを歓迎したい。環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)11カ国は英国の加盟申請を受けて6月2日、閣僚会議で英国との交渉開始を決めた。その10日ほど前には、英空母打撃群が米海軍の駆逐艦とオランダ海軍のフリゲート艦を従え、インド太平洋へ向け7カ月間の航海に出た。米中間の...

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国基研理事長 櫻井よしこ    東京五輪・パラリンピック中止論が叫ばれている。中止要求の主たる理由は以下の点に絞られる。➀多数の外国人選手や関係者の来日で、コロナウイルスの感染が拡大する➁日本人医師を五輪関係者の医療にとられて、国内医療体制が崩壊する➂五輪開催の莫大な出費を国民のために振り向けるべきだ➃緊急事態宣言で国民生活へのしわ寄せは甚だしく、五輪開催の意味はあるのか。  ...

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国基研理事・東京工業大学特任教授 奈良林直    4月12日付で国基研政策提言「脱炭素の答えは原発活用だ」を発表し、①24基の原発の新増設②日本の進んだ火力発電技術の輸出により二酸化炭素(CO2)排出削減に貢献すること―を提案したが、どちらも実現のめどが立たない。その結果、日本を代表する重電メーカーの発電プラント製造能力は存亡の危機に直面している。  ● 原発も火力発電も頓...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授 西岡力    文在寅政権の韓国は、価値観外交を拒否した。21日の米韓首脳会談を見ると、そう結論せざるを得ない。  ●中国の名指し非難避ける  まず、米韓共同声明には中国という言葉が一度も出てこない。菅義偉首相の訪米時の日米共同声明(4月16日)では、中国という言葉が5回登場し、そのうち2回で「威圧の行使を含む、ルールに基づく国際秩...

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