公益財団法人 国家基本問題研究所
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今週の直言

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国基研副理事長・杏林大学名誉教授 田久保忠衛    日米首脳会談についての各紙論調は出尽くした感があるが、一言でその意義を表現すると、米国の対中政策の中で日本がより重要な役目を果たす約束をバイデン政権は取り付けたことにある。日本政府は「約束」だけでなく、「実行」の段階に移行する。志ある政治家なら、この機会をとらえて日本を一人前の国家にする絶好の機会とすべきではないか。  共同声...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授 西岡力    4月7日、韓国でソウル市長と釜山市長の補欠選挙があった。セクハラが問題になり、釜山市長は辞任、ソウル市長は自殺したことを受けて、残余の任期1年を勤める新市長を選ぶ選挙だった。  ソウルでは第1野党「国民の力」の呉世勲候補(元ソウル市長)が得票率58%、与党「共に民主党」の朴映宣候補(前中小ベンチャー企業相)が39%だった。...

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国基研理事・東海大学教授 山田吉彦    3月初旬、フィリピンが管轄権を主張する南シナ海のウィットサン礁海域に出没した220隻の中国漁船は、1か月経っても一部が停泊を続け、この海域の実効支配を既成事実化している。フィリピンは主権を維持するため米国に支援を求めるなど奔走している。しかし、経済支援やワクチン外交を駆使して譲歩を迫る中国に、具体的な反撃ができないのが現実だ。  中国は...

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産経新聞月刊「正論」発行人 有元隆志    東京電力福島第1原子力発電所の敷地内にたまる放射性物質トリチウムを含んだ処理水について、政府が海洋放出する方針を固めたことは、遅れたとはいえ「政治の決断」として評価できる。今後は風評被害が拡大しないよう、国内外への発信も含め、菅義偉首相を中心に責任を持って取り組まなければならない。  日本や韓国などのメディアの一部が「汚染水」と書くの...

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産経新聞月刊「正論」発行人 有元隆志    宗教団体である創価学会を支持母体とする連立与党の一角、公明党は「平和の党」「人権の党」を自任してきた。その看板を掲げるのであるならば、中国当局による香港、新疆ウイグル自治区、チベット、南モンゴル(内モンゴル自治区)での人権弾圧に抗議する時ではないのか。公明党は実際にはその逆のことを行っている。  超党派の日本ウイグル国会議員連盟など6...

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国基研副理事長 田久保忠衛    16日にワシントンで行われる日米首脳会談は、バイデン米政権発足後初の外国首脳との対面での会談であり、同政権がいかに日本を重視しているかを示すものだ、と菅義偉首相は4日のフジテレビ番組で語った。感情を顔に表さない首相には珍しく誇らしさをのぞかせていたように思う。大いに結構なことだが、従来の日米首脳会談のように、先方の要請に応じるか、応じられない時に...

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産経新聞月刊「正論」発行人 有元隆志    中国の人権弾圧に対して、日本政府は及び腰のままでいいのか。人権問題を重視する国ならば、いまこそ中身のある対中制裁に踏み切るべきだ。  ●日本主導で人権への懸念明記  3月に行われたバイデン米政権発足後初の日米外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)の共同文書では、中国を名指ししたうえで「ルールに基づく国際体制を損なう、地域の他者に対...

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国基研企画委員・明星大学教授 細川昌彦    3月15日付の「今週の直言」(第774回)で、楽天に対する日本郵政の出資と、中国IT大手テンセント(騰訊)の子会社からの出資について懸念を指摘した。ここでは経済安全保障にかかわる後者の問題をさらに深掘りしたい。  一つは、日本の外為法による規制の心もとなさだ。  2019年秋、欧米による投資規制強化の動きに呼応して、日本も外為法を...

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国基研副理事長・弁護士 髙池勝彦    3月17日、札幌地裁である判決が出た。3組の男性カップルと1組の女性カップルが婚姻届を出したが、民法や戸籍法の規定で同性婚が認められてゐないとして受理されなかつた。そこで、民法や戸籍法の規定は憲法で保障された「婚姻の自由」や「法の下の平等」に反するとして、平成31年(2019年)2月、札幌地裁に、民法や戸籍法の規定を変更しない国の責任、即ち...

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国基研副理事長 田久保忠衛    米アラスカ州アンカレジで行われた米中外交トップ会談は、米側の冷静な姿勢に対して中国側が感情を高ぶらせ、思わず本音を吐いたところに意味があった。米国の民主主義は世界の中の一部諸国に共有されているにすぎないのに対し、中国の「民主主義」はより多くの国々の支持を得ていると言わんばかりの主張を耳にすると、両国間の和解は容易なことでは実現しないと思える。が、...

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