公益財団法人 国家基本問題研究所
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今週の直言

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国基研企画委員・月刊「正論」発行人 有元隆志    第2次岸田再改造内閣は「入閣待機組」を多く起用するなど派閥順送りの新鮮味に欠ける陣容となった。その中で評価できることと言えば、外相に上川陽子氏、防衛相に木原稔氏を据えたことだ。  前外相の林芳正氏は、就任直前まで超党派の「日中友好議員連盟」の会長を務めるなど「親中派」として知られていた。この議員連盟は在日中国大使館が「日中友好...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学特任教授 西岡力    9月5日、慰安婦強制連行・性奴隷説を否定する日韓両国の学者、活動家が集まり、ソウルで合同シンポジウムが開催された。この立場の日韓シンポが韓国で開かれるのは初めてだ。会場には両国の国旗が大きく描かれた横断幕が掲げられ、開会式では韓国の国歌斉唱の後に君が代斉唱があった。韓国人が大多数である約100人の聴衆の中には大きな声で君が代...

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国基研理事・国士舘大学客員教授 百地 章    2年前の自民党総裁選挙以来、岸田文雄首相が繰り返し明言してきた「任期内の憲法改正」の約束期限が、来年9月末まであと1年に迫った。9月中の改憲となれば、来年の通常国会での発議が必要であり、今秋の臨時国会での条文化作業は待ったなしだ。  ●合意可能な議員任期延長と緊急政令  改憲のテーマだが、自衛隊の憲法明記については自民党と日...

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国基研企画委員・麗澤大学特別教授・元空将 織田邦男    昨年12月に閣議決定された国家安全保障戦略は、総合的な国力により安全保障を確保するという観点が強調されており、優れた戦略といえる。だが、残念ながら二つの欠陥がある。  一つは我が国の核抑止戦略が欠けていることだ。安保戦略は全31ページの労作だが、核抑止については、たった2行の記述しかない。米国による拡大抑止の強化と非核三...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学特任教授 西岡力    北朝鮮の金正恩委員長が韓国を初めて「大韓民国」という正式国号で呼んだ。北朝鮮は韓国のことを米国の植民地だと位置づけ、国として認めていないので、これまでは「南朝鮮」と呼んできた。だから、その意図を巡りさまざまな解釈が出ている。  ●住民に広がる戸惑い  金委員長は8月28日に海軍の司令部を訪れて演説し、「米国と日本、『...

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国基研企画委員・明星大学教授 細川昌彦    中国による日本産水産物の禁輸に対して、日本外交の無策が続いている。岸田文雄首相は漁業関係者への支援策ではスピード感重視だが、中国に対する行動は躊躇するばかりだ。外交当局者は「中国を刺激しない」を繰り返す。しかし水産物禁輸は中国の「経済的威圧」であり、中国がそれを対日外交カードとして利用しようとすることを前提に、日本政府は早急に行動すべ...

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国基研企画委員・元陸上幕僚長 岩田清文    かつての武器輸出三原則や、改定後の防衛装備移転三原則などの自己規制は、長年にわたり日本の安全保障政策において自らの手を縛り続けてきた。これを改善すべく、昨年12月に閣議決定された「国家安全保障戦略」では、海外への装備移転が日本にとって望ましい安全保障環境の創出のための重要な政策手段になるとの認識が示された。併せて、防衛装備移転三原則な...

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国基研企画委員・明星大学教授 細川昌彦    中国が日本からの水産物の禁輸を発表した。1か月前、中国による日本の水産物の全量検査に対して「日本は対抗措置を」と本欄で提言した。しかし、岸田内閣は何らそうした対応を行わないまま、東京電力福島第1原子力発電所の処理水の海洋放出に至った。  岸田文雄首相も野村哲郎農水相もそろって中国による禁輸を「想定外」とコメントしたことには驚きを禁じ...

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国基研企画委員・産経新聞特別記者 田村秀男    中国の金融界が揺らいでいる。ノンバンク(非銀行系)の大手信託会社が支払い不能に陥ったからだ。習近平政権は危機深刻化を防ぐ手だてを持たない。最悪の場合、リーマン・ショック級の金融危機を引き起こしかねない。  中国の中央銀行、中国人民銀行はすべての金融機関が手がける投融資を「社会融資総量」として分類している。日本円に換算すると、ノン...

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国基研理事・第26代海上幕僚長 古庄幸一    岸田文雄首相が5月7日から2日間、韓国を訪問した。報道によると、政府専用機でソウルの韓国空軍基地に降りて、裕子夫人と共に、韓国の歴代大統領や朝鮮戦争の戦死者などを追悼する国立墓地「国立ソウル顕忠院」を訪れ、顕忠塔に献花して焼香を行い、黙祷を捧げた。首相は帰国前の記者会見で、「シャトル外交を再開して、日韓両国の信頼関係を強化し、新しい...

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