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今週の直言

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2024年10月の記事一覧

国基研企画委員兼研究員・麗澤大学特任教授 西岡力    北朝鮮による拉致被害者、横田めぐみさんの弟の横田拓也さんが会長を務める「家族会」と私が会長を務める「救う会」は、石破茂首相が自民党総裁選で主張した平壌と東京に連絡事務所を設置する案に反対してきた。その理由は、①北朝鮮は拉致被害者を含む全住民に公民証を持たせ厳しく管理しているので、新たに調査をするということ自体が時間稼ぎに過ぎ...

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国基研企画委員兼研究員 湯浅博    石破茂新首相が自民党総裁選で高々と掲げた「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」構想は、首相就任3日にして消えていた。10月4日の所信表明演説で、自らの政治信条をあっさり封印してしまったからだ。同盟国やパートナー国からの拒否反応に怯んだためか、あるいは解散・総選挙を控えて刺激的な表現を避けたかったのか。どちらにしても、石破氏は軍事オタクではあ...

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国基研企画委員兼研究員 黒澤聖二    海上自衛隊の護衛艦「さざなみ」が9月25日、台湾海峡を通過した。オーストラリア海軍の駆逐艦やニュージーランド海軍の補給艦と連携した行動であった。8月31日には中国軍の測量艦が鹿児島県トカラ海峡のわが国領海を通過し、一部メディアはこのことと絡め、前例のない対抗措置に踏み切ったと報じている。他方、中国国防省報道官は「中国の主権と安全を損なう挑発...

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国基研企画委員・産経新聞特別記者 有元隆志    自民党の石破茂新総裁には御慶およろこび申し上げるが、これまでの言動から見ると、石破氏がこの国を率いる指導者としてふさわしいのか、はなはだ疑念を持たざるを得ない。何よりも石破氏は安定的な皇位継承について、過去に例がない「女系天皇」を選択肢として排除しない考えを示してきたからだ。  石破氏は総裁選期間中の産経新聞のインタビューでは「...

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国基研企画委員・元防衛庁情報本部長 太田文雄    9月19日、米海軍の制服組トップであるリサ・フランチェティ作戦部長が「米国の戦闘海軍のための航海計画」2024年版を公表した。同計画は2022年にも前作戦部長によって公表されているが、その後ロシア・ウクライナ戦争に伴う黒海での海戦や、紅海におけるイエメンの反政府武装集団フーシ派との戦いの教訓を含め、ロボットや自律システムの軍事利...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学特任教授 西岡力    9月18日、中国の深圳で日本人小学生が中国人暴漢に刺されて殺された。反日教育を政策として行って、日本人になら何をしても良いと思わせる雰囲気をつくった中国政府と、それに対して反論せずに謝罪を繰り返してきた日本政府への怒りを禁じ得ない。  ●共産党独裁の正当化に利用  事件の背景には中国人の間に拡散している反日感情、より...

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国基研企画委員兼研究員 湯浅博    中国広東省深圳市で日本人学校に通う男子児童(10)が中国人の男に刺殺された事件に、深い悲しみが広がっている。そして、都合の悪い事実から目をそらす中国当局の隠蔽体質と、徹底した抗議と再発防止に動こうとしない日本政府に対する憤りが収まらない。つい6月にも、江蘇省蘇州市で日本人母子への切り付け事件があったばかりではないか。二つの事件が日本人を標的に...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学特任教授 西岡力    「連休中に事故に遭ったり急病になったりしても、救急医療体制が崩壊しているので治療を受けられず生命の危険がある。なるべく出掛けるな。お墓参りもやめた方が良い」。今年1月まで韓国の小児専門救急医療センターで勤務し、4月の総選挙で当選して保守野党・改革新党の国会議員となった李妵鍈氏が旧暦お盆の連休(9月16~18日)を前に家族や友...

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国基研企画委員・産経新聞特別記者 有元隆志    自民党総裁選(27日投開票)に出馬した9人の候補者の口からしばしば出てくるのが「覚悟」という言葉である。例えば、小泉進次郎元環境相は「覚悟を持って、やるべきことを断行し、未来に明るい展望の持てる国に」と決意を語っている。日本を取り巻く安全保障環境がかつてないほど厳しい中にあって、新しい首相となる次期総裁には、文字面だけでなく真の意...

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国基研企画委員・元内閣官房参与 加藤康子    バイデン米大統領は「国家安全保障上のリスク」を理由に、日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収を阻止する準備に入ったと伝えられる。次の大統領の座を争うトランプ前大統領(共和)とハリス副大統領(民主)も、この買収に反対している。岸田文雄首相と自民党総裁選立候補者は「日本は米国の強固な同盟国で、安全保障上のリスクはない」と、理不尽な政...

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国基研副理事長・弁護士 髙池勝彦    小泉進次郎氏は9月6日、次期首相を事実上決める自民党総裁選挙への出馬を宣言した中で、選択的夫婦別姓制度を導入する法案の提出を公約に掲げた。選択的夫婦別姓制度とは、夫婦が婚姻に際して同姓とするか別姓とするかを選択できるといふものである。小泉氏は、若さを売り物に、その公約も新鮮さを打ち出したいのであらうが、十分な議論もなくこのやうな重大な問題を...

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国基研理事・元統合幕僚監部首席法務官 黒澤聖二    中国軍のシュパン級測量艦が8月31日、鹿児島県口永良部島沖のトカラ(吐噶喇)海峡で我が国領海内に侵入した。日本政府の抗議に対し中国外務省は9月2日、国際海峡の「通過通航権」の行使であり、正当な通航と主張した。  果たしてトカラ海峡は国際海峡なのか。何故中国艦は大隅海峡(鹿児島県大隅半島沖)や宮古海峡(沖縄県の宮古島と沖縄本島...

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国基研企画委員・元内閣官房参与 本田悦朗    自民党総裁選挙で最有力候補の一人と目される小泉進次郎元環境相は9月6日の出馬会見で、労働市場の規制改革を1年の期間限定でやり遂げるという決意を表明した。しかし、労働市場の流動化はわが国経済の需要回復が前提でなければならず、優先順位を間違えると失業者を生む結果になりかねない。  他方、会見中の「インフレや金利があっても成長する経済を...

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国基研企画委員・元内閣官房参与 本田悦朗    自民党総裁選の日程が決まり、候補者の政策の輪郭が見えてきた。本稿では各候補者の掲げるマクロ経済政策に焦点を当て、その比較を試みる。財政・金融といったマクロ政策は、国家の経済基盤を決定する重要な柱であり、国民の経済活動に大きな影響を与えるものであるが、現時点で全貌が明らかになっているわけではない。そこで、主に財政政策に関し、立場を明ら...

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国基研企画委員・麗澤大学特別教授・元空将 織田邦男    8月26日、中国軍のY9情報収集機が、長崎県の男女群島付近の日本領空を約2分間にわたって侵犯した。中国軍機による我が国の領空侵犯は初めてである。  国際法上、国家は領空において「完全かつ排他的」な主権を有している。領海のような「無害通航権」(沿岸国の平和・秩序・安全を害さない限り、その国の領海を自由に通航できる権利)は認...

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国基研研究員 中川真紀    8月26日、中国軍のY9情報収集機が長崎県の男女群島沖で、中国軍機としては初めて日本の領空を侵犯した。同機は台湾及び日本への軍事作戦を担当する中国軍5大戦区の一つ、東部戦区の所属であり、これまでも日本周辺空域での飛行が確認されている。  今回の領空侵犯が故意か過失かは不明だが、中国軍、特に東部戦区の①対日情報収集範囲の拡大②日本を対象とする海空域防...

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国基研理事・東京工業大学特任教授 奈良林 直    太陽光や風力発電は原子力に代わるクリーンなエネルギーとして世界的に持てはやされてきたが、今やこれら再生可能エネルギー(再エネ)の電力供給源としての力不足が認識される一方、原子力が地球温暖化対策の切り札として強力に推進され始めた。福島第一原子力発電所事故の教訓で世界中の原発の安全性は強化され、革新原子炉の建設も始まっている。  ...

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国基研企画委員・麗澤大学客員教授 江崎道朗    自民党総裁選では多くの課題が議論されるが、ここで確認しておきたいことがある。それは現在、国会で議論されている皇族数確保策のことだ。  ●旧皇族復帰案に立憲・野田氏が抵抗  我が国は、天皇陛下を「国民統合の象徴」として戴く立憲君主国家だ。ところが天皇陛下をお支えする皇族がこのままだといらっしゃらなくなるかもしれない。そうした...

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国基研企画委員・麗澤大学特別教授・元空将 織田邦男    来月の自民党総裁選に、現時点で12名の議員が名乗りを上げている。総裁選は、自民党が政権与党である限り、首相を選ぶ選挙であり、同時に自衛隊最高指揮官を選ぶことを意味する。かつて自衛隊高級幹部会同で、「ここに来る前に六法全書を調べたら、私が最高指揮官だった」と述べた首相がいた。こういう人は総裁になる資格がない。  ●防衛...

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国基研理事長 櫻井よしこ    再選の可能性を模索した岸田文雄首相が自民党総裁選出馬を断念した。評価すべき実績は少なくない。それでも不出馬の決断は正しいだろう。国民の信頼を回復できないまま、首相が低支持率に喘ぎ続けた理由は明らかだ。  2021年10月の政権発足以降、岸田氏は衆参両院の選挙で圧勝し、次なる選挙の心配をせずに、日本をまともな独立国家にするための憲法改正や皇位継承安...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学特任教授 西岡力    佐渡の金山が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産に登録された。韓国も賛成した。  登録決定直前まで日韓両国は水面下で折衝を進めていた。日本政府は当時の国際法に違反するような「強制労働」はなかったという立場を固守し、韓国側は「強制労働被害の現場」だったことを展示せよと迫った。その結果、①登録決定直後に現地の相川郷土博物...

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国基研企画委員・元陸上幕僚長 岩田清文    拡大抑止に関する日米閣僚会合が7月28日、東京で開催された。核を含めた米国の拡大抑止に関して、これまで十数年にわたり事務レベルの会合が行われてきたが、閣僚である政治レベルで議論されたのは初めてである。  閣僚会合後の共同発表には、「閣僚は、米国の核政策及び核態勢並びに同盟における核及び非核の軍事的事項の間の関係性について緊密に協議す...

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国基研企画委員・産経新聞特別記者 田村秀男    日銀は7月31日の金融政策決定会合で、政策金利を0.25%に引き上げると同時に、国債の新規買い入れの減額を決めた。消費が停滞している中で金利と通貨発行量の両面で金融を引き締める。これでは、ようやく迎えた30年デフレからの脱出のチャンスを潰しかねない。  ●円安是正優先でタブー失念  植田和男日銀総裁は記者会見で利上げについ...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学特任教授 西岡力    米国のトランプ前大統領は7月18日、共和党大会での大統領候補指名受諾演説で、「北朝鮮の金正恩委員長と仲良く過ごした。核兵器を持つ者と仲良く過ごすことは良いことだ」と語った。23日、北朝鮮国営の朝鮮中央通信は論評を出し、「国家の対外政策と個人的感情は厳然と区別すべきである」として、トランプ氏に距離を置く立場を表明した。  金...

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国基研理事・東京工業大学特任教授 奈良林直    日本原子力発電が再稼働を目指している福井県の敦賀原発2号機に関し、原子力規制庁は26日の審査会合で、原子炉建屋近くの「K断層」が将来動く可能性があるかという「活動性」と、建屋真下の「D1断層」がK断層とつながっているかの「連続性」の二つについて、原電の主張が曖昧で、科学的根拠に乏しく、2号機が原発の新規制基準に適合しているとは認め...

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国基研企画委員・明星大学教授 細川昌彦    米大統領選挙はトランプ氏対ハリス氏の構図になる見込みで、その行方に世界が注目する。ハリス氏の政策は基本的にはバイデン政権を引き継ぐだろう。問題はトランプ政権復活の場合だ。経済面を見てみよう。  7月18日の共和党大会でトランプ氏は大統領候補指名受諾演説を行った。経済政策は、①インフレ危機の終結②金利の引き下げ③大規模減税④関税引き上...

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国基研企画委員・産経新聞特別記者 田村秀男    中国共産党が5年に一度、経済の基本路線を決める第20期党中央委員会第3回全体会議(3中全会)は7月18日、国有企業を柱に経済を成長させる方針を打ち出して閉幕した。内需不振の中、国有企業を軸にサプライチェーン(供給網)と生産能力を増強し、安値輸出攻勢をさらに強める。反発する西側各国には重要原材料の供給力を武器に脅す。  ●GD...

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国基研企画委員兼研究員・福井県立大学名誉教授 島田洋一    米国でトランプ政権が復活する可能性が高まっている。また、トランプ氏暗殺未遂事件の影響などで共和党員の投票率が上がると見られる中、民主党の大統領候補選びの混乱もあって、議会の上下両院も共和党が多数を占める可能性が強まってきた。従って、第1次政権時以上に、トランプ共和党の目指す政策が高スピードで実現されていくと見ておくべき...

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国基研理事兼企画委員 石川弘修    国家基本問題研究所(櫻井よしこ理事長)は7月11日、海外で今なお根強い慰安婦性奴隷説を否定する学術論文を執筆し、米国の学界で事実上孤軍奮闘している米ハーバード大教授ジョン・マーク・ラムザイヤー氏に日本研究賞を授与した。また、日韓間に横たわる加害・被害者史観を脱却する研究結果を発表した東京都立大学名誉教授・鄭大均氏に日本研究特別賞を贈った。 ...

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国基研企画委員・産経新聞特別記者 有元隆志    7月8日は安倍晋三元首相が暗殺された日である。2年前、国家基本問題研究所で企画委員会を開催していた時に、衝撃の知らせは届いた。国政選挙の最中に起きたこのテロは民主主義に対する重大な挑戦であり、私たちは永遠に忘れてはならない。  この2年間で日本を取り巻く情勢は大きく変化した。中国、ロシア、北朝鮮、イランの4か国は新「悪の枢軸」と...

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国基研企画委員・産経新聞特別記者 田村秀男    ロシアは西側からの金融制裁をかわしている。ロシアの消費者物価上昇率は7%台だが、ウクライナ戦争前の8%台よりも低い。背景には中国からの支援がある。  中国の対露輸出、輸入とも戦争前に比べて6割以上増だ。長大な中露国境を越え、あるいは第三国経由で、生活物資のみならず、半導体など軍民両用ハイテク製品や軍事関連機材、塹壕ざんごう掘削機...

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国基研企画委員・元陸上幕僚長 岩田清文    6月14日、主要7か国首脳会議(G7サミット)の首脳声明で、中国がウクライナへの侵略を続けるロシアを支援していることへの「深刻な懸念」が表明された。バイデン米大統領もサミットの席上、「中国は武器を製造する能力と技術を提供している。実際にロシアを助けている」と指摘している。  この指摘どおり、2年近くにわたる中国の対ロシア支援の事実が...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学特任教授 西岡力    6月19日、ロシアのプーチン大統領が24年ぶりに北朝鮮を訪問し、金正恩委員長と首脳会談を行った。両氏は「どちらか一方が、武力侵攻を受け、戦争状態になった場合、遅滞なく、保有するすべての手段で軍事的およびその他の援助を提供する」という規定を含む「包括的戦略パートナーシップに関する条約」を締結した。  この規定に従って、北朝鮮...

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国基研企画委員・月刊「正論」発行人 有元隆志    まもなく三回忌を迎える故安倍晋三元首相は常々、政治家に必要なのは「結果を出すことにパッション(情熱)を持つ」ことだと語っていた。岸田文雄首相の党首討論、記者会見での発言を見ていると、口では憲法改正を唱えながら、その実現に向けて指導力を発揮しようとしない。安倍氏の言う「パッション」が決定的に欠けている。  ●言行不一致  ...

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国基研企画委員・元陸上幕僚長 岩田清文    6月19日、ロシアのプーチン大統領が北朝鮮の平壌を訪問し、金正恩朝鮮労働党総書記と首脳会談を行った。両首脳は、いずれかが攻撃を受けた場合、相互に支援する条項などを盛り込んだ「包括的戦略パートナーシップ条約」を締結した。  プーチン氏はこの条約について、1961年に旧ソ連と北朝鮮が結んだ「友好協力相互援助条約」と同様の内容だと説明した...

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国基研企画委員・元内閣官房参与 本田悦朗    6月11日、政府は今後の経済財政政策の方向性を定めるいわゆる「骨太の方針2024」の原案を公表した。今回の骨太の方針では、様々な社会的課題に取り組むことによってデフレ脱却を確実なものとし、国民が豊かさを実感できる社会の実現を目指している。とりわけ、財政再建の指標に注目が集まった。政府は今回、プライマリーバランス(PB=国債費を除く歳...

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国基研理事・東京工業大学特任教授 奈良林直    原子力規制委員会は6月6、7の両日、福井県敦賀市の日本原子力発電敦賀原発2号機の活断層に関する現地調査を行った。敦賀2号機は再稼働へ向けた安全審査が新規制基準に従って行われている。審査は敷地内の地層のひび(破砕帯)が活断層であるかの議論が延々と続き、審査書類の無断修正(規制委は改ざんと判断)や、報告書の1300か所の記載修正に伴う...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学特任教授 西岡力    6月1日、木原稔防衛相は韓国の申源湜国防相とシンガポールで会談し、韓国軍駆逐艦による自衛隊機へのレーダー照射問題を事実上棚上げし、日韓防衛交流・協力を活発化することで合意した。  2018年に起きた火器管制レーダーの照射は、一歩間違えれば自衛隊機が攻撃されかねない重大な敵対行為だ。韓国がそれを認めないままで日韓が防衛協力を...

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国基研研究員 中川真紀    中国人民解放軍東部戦区は、頼清徳台湾総統の就任を受けて5月23~24日、陸、海、空、ロケット軍等による統合演習「聯合利剣2024A」を台湾周辺で実施した。今回の演習では、台湾東岸最大の港湾である花蓮港東側にも演習区域を設定し、海空軍の「統合戦備パトロール」(戦闘準備の警戒パトロール)に加え、中国海警船が「総合法執行演習」を行う等、台湾東側海空域の重視...

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国基研企画委員・月刊「正論」発行人 有元隆志    台湾の頼清徳新総統は台湾の政界において「最も親日的な政治家」と言われる。副総統時代の2022年7月には暗殺された安倍晋三元首相の弔問のため訪日した。日本と中華民国が1972年に断交して以来、李登輝副総統(当時)が乗り継ぎで東京に立ち寄った以外では最も高位の高官の来日となった。  頼新総統は就任に先立って5月9日に行われた日本の...

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