公益財団法人 国家基本問題研究所
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今週の直言

有元隆志

【第1402回】「仕事師内閣」に期待する

有元隆志 / 2026.09.24 (木)


国基研企画委員・産経新聞特別記者 有元隆志

 

 第2次高市改造内閣が大型連休明けの24日から本格始動する。内閣改造報道では、とかく党内力学など政局の文脈で論じられがちだが、今回の人事をみると、高市早苗首相が自民党所属議員に配布した役職希望アンケートを踏まえ、政策本位の適材適所を徹底したことが伺える。
かつての派閥全盛期にみられた「これから勉強します」といった生半可な就任会見は影を潜め、新任閣僚の誰もが所管官庁の課題をよく理解し、初日から実務を遂行できる即応態勢を整えた。まさに高市首相が望む「仕事師内閣」が誕生したと高く評価すべきであろう。

 ●規制改革担当相に注目
 改造の注目点といえるのが、規制改革担当相に連立を組む日本維新の会の中司宏前幹事長を起用したことだ。業界の既得権益や自民党内のしがらみが複雑に絡み合い、岩盤規制の打破は停滞を余儀なくされてきた。
そうした閉塞感を打破すべく、「徹底した行革」と「規制改革の断行」を訴えてきた維新幹部をこのポストに据えたことは、高市首相の意気込みが伝わってくる。
 民間企業の創意工夫やデジタル技術の社会実装を阻む旧弊な規制に果敢に切り込むことは、経済の潜在成長率を引き上げるだけでなく、肥大化した補助金や非効率な行政プロセスの見直しによる無駄な国費の削減にも直結する。
政権が目指す持続可能な財政運営と経済成長を両立させるためにも、中司氏のリーダーシップで、規制・行財政改革を推進してほしい。

 ●拉致、憲法改正も最重要課題
 外交・安全保障や経済財政政策を担う主要閣僚を留任させたことは、政策の継続性と実効性の観点からも望ましい。閣僚が1年ごとに目まぐるしく交代を繰り返すようでは、複雑な政策の工程表を着実に進めることはできない。巨大な官僚機構に対して統率力を発揮することも到底かなわない。
 現在、日本を取り巻く安全保障環境や経済状況は激動の渦中にあり、待ったなしで抜本的な対応をしなければならない。物価高対策やエネルギーの安定供給、厳しい地政学的なリスクへの対処など、山積する課題の前に、理念先行の空理空論や、政治的なアピールに時間を空費する余裕は一刻も残されていない。
 高市首相は「総裁直轄本部」の人事にも着手し、拉致問題対策、憲法改正実現のための本部長人事も行うが、いずれも政権が取り組むべき最重要課題である。
 高市首相率いる「仕事師内閣」には、果断な決断力をもって迅速に政策を遂行し、目に見える結果をスピーディーに出すことを期待したい。(了)