2026年1月の記事一覧
【第1341回】真冬の衆院解散の裏に拉致問題
国基研企画委員兼研究員・麗澤大学特任教授 西岡力 真冬の衆院解散の大きな目的の一つに、拉致問題を進展させることがある。今年前半に高市早苗首相が北朝鮮の金正恩総書記と会談する可能性が出てきた。会談実現には高市内閣が国民の支持を得ていることを示す必要がある。日程から逆算して、2月に総選挙を実施せざるを得なかったのだ。 ●トランプ氏に4月訪朝の可能性 高市首相は19日...
【第1340回】日本の覚悟を問う米国家防衛戦略
国基研企画委員・元陸上幕僚長 岩田清文 米国防総省は23日、国家防衛戦略(NDS)を公表した。NDSが示した国防総省の優先事項は、①米国本土防衛②インド太平洋における対中国抑止③同盟国やパートナー国の防衛分担増大④米国防衛産業基盤の強化―である。3日のベネズエラ大統領拘束作戦における軍事力行使は、とりわけ米国本土防衛に対する強い意志の表れであろう。 ●増大する同盟国...
【第1339回】判決が看過した社会的影響の重大性
弁護士 髙井康行 奈良地方裁判所は,安倍晋三元首相を銃撃した山上徹也被告人に無期懲役を言い渡した。私は極刑であるべきだと考えるが、検察の求刑が無期懲役であったことを前提にすれば、相当な量刑というほかない。 この判決に対しては、山上被告人が旧統一教会によって不幸な人生を送らざるを得なかったことを理由に、罪一等を減じ有期懲役にすべきだったとする批判が一部マスコミやコメンテー...
【第1338回】総選挙では改憲勢力の伸長を
国基研企画委員・産経新聞特別記者 有元隆志 衆院選が27日に公示され、2月8日に投開票が行われる。戦後最も厳しいと言われる国際情勢に迅速に対応するためにも、憲法改正をはじめ、抑止力の強化を訴える勢力の伸長が望ましい。 ●基本政策あいまいな「中道」 自民党の高市早苗総裁(首相)は、毎年度、補正予算が組まれることを前提とした予算編成手法との決別や、「世界の中心に立つ...
【第1337回】浜岡原発の不祥事で規制委改革も必要
国基研理事・東京科学大学特定教授 奈良林 直 中部電力の浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)の安全審査をめぐり、中部電力が想定される地震の揺れ(基準地震動)を過小評価していた可能性が発覚し、原子力規制委員会は意図的な不正が行われた可能性があるとして、浜岡原発の安全審査を停止することを宣言した。基準地震動はすべての耐震設計の基準になるもので、この信頼性が担保できないのだから、数...
【第1336回】歴史戦を韓国内で続ける李大統領
国基研企画委員兼研究員・麗澤大学特任教授 西岡力 韓国の李在明大統領が1月4~7日に中国、13~14日に日本をそれぞれ訪問した。二つの歴訪で李氏は、歴史認識を外交に持ち込む反日外交を封印した。それが李氏の掲げる国益重視の実用外交だ。支持層には不満があるので、李氏は国内で韓国現代史に関する歴史戦を展開し「ガス抜き」をしている。それに対して保守派が反発し、反日運動の虚偽を暴いた...
【第1335回】日本の針路を問うべき解散・総選挙
国基研企画委員・産経新聞特別記者 有元隆志 高市早苗首相が通常国会冒頭で衆院の解散・総選挙に踏み切る。与野党とも「今、なぜ」と言う気分かもしれないが、日本を取り巻く国際情勢を見れば、高市首相(自民党総裁)が安定した政治基盤を築きたいとの思いを強くしたのも理解できる。それほど日本の針路にとって重要な時期に来ている。 与党は衆院定数465の過半数をぎりぎりで確保しているもの...
【第1334回】中国の地域覇権阻止に日米は協力できる
国基研企画委員・元陸上幕僚長 岩田清文 昨年12月に示された米国の国家安全保障戦略(NSS)は「アトラス(天球を支える神)のように米国が世界秩序全体を支える時代は終わった」と述べ、冷戦後に続いた米国による世界覇権追求の終焉を公式文書で示した。中国との関係については「相互に有利な経済関係」の維持を掲げており、中国を「敵」と規定するのではなく「交渉相手」として位置づけている。他...
【第1333回】中国軍の年末演習、米軍の接近阻止に焦点
国基研研究員 中川真紀 中国人民解放軍で台湾侵攻を主任務とする東部戦区が昨年12月29~31日、「正義使命-2025」と称する統合演習を実施した。中国の公式報道等から判断すると、米軍の接近阻止に焦点を合わせた統合演習であった可能性が大きい。 ●第1列島線以遠に届くミサイル登場 29日、東部戦区は台湾周辺5カ所において陸・海・空・ロケット軍等が参加する統合演習「正...
【第1332回】ベネズエラの民主主義回復が日本の立場
国基研企画委員・麗澤大学特任教授 江崎道朗 米国によるマドゥロ大統領の身柄拘束事件をどのように見るべきか。国連憲章、国際法違反だとか、力による現状変更を容認すべきではないとの声も聞く。 ここで確認すべきは、なぜトランプ政権は、マドゥロ大統領を拘束したのかということだ。 ●トランプ政権の論理 ベネズエラでは、2013年に発足したマドゥロ政権の下での統制的な経済...
【第1331回】ベネズエラ攻撃は台湾侵攻のハードル下げた
国基研企画委員・麗澤大学特別教授 織田邦男 米国は1月3日、ベネズエラに対する軍事攻撃を実施し、マドゥロ大統領とその妻を拘束し、ニューヨークに連行した。トランプ政権は、ベネズエラの大統領選挙に不正があったとして、マドゥロ氏を大統領として認めていない。第1次トランプ政権では、当時のグアイド国会議長を暫定大統領として承認した。トランプ米大統領はマドゥロ氏が麻薬密輸に関与してい...
【第1330回】「力の時代」に抗する日本の国柄
国基研理事長 櫻井よしこ 昭和改元から満100年の今年、国際社会は乱気流の真っ只中でせめぎ合う。年初のトランプ米大統領によるベネズエラのマドゥロ大統領拘束は、プーチン露大統領によるウクライナ侵略や習近平中国国家主席による台湾への軍事的威嚇と同様、平和を脅かす行動として国連憲章や国際法の精神に反する。 その点を踏まえた上で、私たちは、現在の国際社会にかつてのように国際法を...
【第1329回】トランプ氏の宥和発言が米中戦を招く
国基研企画委員・元防衛庁情報本部長 太田文雄 昨年末、中国が台湾を包囲する区域で軍事演習を行ったのに対し、トランプ米大統領は「何も心配していない」と発言、中国の習近平国家主席と「素晴らしい関係を築いている」と述べ、台湾への軍事侵攻についても「彼がやるとは思わない」と主張した。 中国は台湾侵攻時における米国の出方を試しているのに、トランプ大統領のこのような宥和発言で「米国...
【第1328回】2027年台湾有事への警鐘
国基研企画委員・元陸上幕僚長 岩田清文 昨年末、米国防総省が議会に提出した中国軍に関する年次報告書は、台湾有事に対する緊迫感を一段と高める内容となっており、我が国の安全保障認識に強い警鐘を鳴らすものであった。 ●米の脅威認識が質的に変化 とりわけ、中国人民解放軍の目標として、2027年までに台湾に対し「戦略的決定的勝利」を達成する能力を獲得すると明記された点は...






