2026年6月の記事一覧
【第1383回】ガラパゴス国会を猛省せよ
国基研企画委員・産経新聞特別記者 有元隆志 高市早苗首相が7月にトルコで開催される北大西洋条約機構(NATO)首脳会議への出席を見送ることになった。理由は「会期末の国会日程を優先するため」だという。昨年の石破茂前首相に続き、またしても日本の首相は内政の都合を理由に安全保障を議論する外交舞台を欠席する。国際社会における日本の存在感を自ら貶めるこの愚行をいつまで続けるつもりか。...
【第1382回】中国の邦人拘束の背景にモーター技術
国基研企画委員・明星大学教授・内閣官房参与 細川昌彦 中国で先月、日本人2人が当局に拘束されたことが24日明らかになった。2人は富士電機の社員で、レアアース(希土類)製品の輸出に関して「国家輸出入禁止貨物密輸罪」違反容疑をかけられたと見られている。 ●反スパイ法事件とは異なる狙い 日本の中国専門家の中には、今回の拘束が反スパイ法ではなく、上記密輸罪を適用している...
【第1381回】米国の変化は日本のチャンス
国基研理事長 櫻井よしこ 米・イラン戦争停戦の覚書は、米国の政治的敗北を印象づけた。比類ない軍事力でイランを圧倒したにもかかわらず、眼前の中間選挙、株式市場、油価に影響された「弱い立場からの交渉」の結果だと米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは批判した。 戦略なき軍事力行使の限界は、最も困難な状況に陥った局面でトランプ氏が長年の同盟国、例えばイスラエルのネタニヤフ首相を...
【第1380回】政府は日銀に国策との整合性を求めよ
国基研企画委員・産経新聞特別記者 田村秀男 日本銀行は16日、政策金利を0.25%引き上げ、31年ぶりの水準である1%としたばかりか、さらに利上げを重ねる構えである。需要が依然として脆弱な状況下で利上げを先行させると、景気の停滞を招きかねない。すると、高市早苗政権がめざす国内投資促進による経済再生に冷や水がかかる。日銀には国家の政策との整合性が問われる。 ●不可解な...
【第1379回】米国をアジアから引かせてはならない
国基研副理事長・元陸上幕僚長 岩田清文 60日間の停戦合意が一応成立したイラン戦争は、トランプ米政権の戦略上の矛盾を鮮明にした。米国は、南北米大陸を中心とする西半球の重視を唱えながらも、現実には中東に深く引き込まれ、イランの核兵器保有阻止やホルムズ海峡の再開のために、軍事・外交資源を大きく費やした。こうした中東への資源投入が、米国の対中抑止に本来振り向けるべき戦力をそぎ、結...
【第1378回】習氏は何をしに平壌に行ったのか
国基研企画委員・麗澤大学特任教授 西岡力 6月8~9日、中国の習近平国家主席が平壌を訪問した。北朝鮮の金正恩委員長は米国から攻撃される場合に中国軍の介入を望み、習氏は台湾侵略に備えて北朝鮮軍の協力を求め、両者の思惑が一定程度一致したので訪朝が実現した。 両国の国防相が異例にも首脳会談に同席した。首脳会談に関する中国側発表に「軍隊の交流を強化する」「それぞれの安全保障を断...
【第1377回】国際会議で示した日本の主体的な安保戦略
国基研企画委員・元陸上幕僚長 岩田清文 5月末に開催されたアジア安全保障会議(シャングリラ会合)の第一の意義は、米国が「米国は太平洋の国だ」と強調し、第一列島線(日本~台湾~フィリピン)沿いの「拒否的抑止」(攻撃しても成功しないと相手に思わせ、攻撃を断念させること)に焦点を当てると明言した点にある。 ヘグセス米国防長官は、中国の「歴史的な軍拡」と活動拡大に強い警戒感を示...
【第1376回】日銀利上げに重大疑義あり
国基研企画委員・産経新聞特別記者 田村秀男 日本銀行(植田和男総裁)は今月15、16の両日に開く金融政策決定会合で政策金利を引き上げる情勢だ。物価高や円安に対応するためとされるが、重大な疑義がある。利上げはエネルギー価格高騰によるインフレには無力どころか、需要を萎縮させ、国民経済にデフレ圧力を及ぼすリスクが大きい。円安に関しても、これまでの日銀利上げ効果は乏し かったでは...
【第1375回】中国軍が米空母艦隊攻撃の模擬訓練
国基研研究員 中川真紀 中国人民解放軍のロケット軍では2023年に司令官と政治委員の解任が明らかになって以降、同軍や装備調達部門の高官が相次いで失脚し、指揮系統の混乱等による作戦能力の低下に関する報道が散見されている。しかし、中国内陸部に所在する軍射爆場の衛星画像を分析すると、ロケット軍が保有するミサイルの開発試験や部隊による実射訓練は継続されており、その能力を逐次強化させ...
【第1374回】核の議論先送りで国民を守れるのか
国基研企画委員・元陸上幕僚長 岩田清文 5月25日、自民党安全保障調査会は、年末の安保関連3文書の改定に向けた提言案を了承した。強調されているのは、ドローンや人工知能(AI)を活用した「新しい戦い方」への対応や、長期戦を見据えた「継戦能力」である。これらはいずれも重要だ。しかし、最も重いテーマである「核攻撃をどう防ぐか」に関しては、「米国が提供する核抑止力を中心とした拡大抑...





