2026年3月の記事一覧
【第1359回】金与正談話は「高市訪朝」への駆け引き
国基研企画委員兼研究員・麗澤大学特任教授 西岡力 3月19日の日米首脳会談で、高市早苗首相は拉致問題を解決するため北朝鮮の金正恩国務委員長との会談に強い意欲を示し、トランプ大統領からそのプロセスで協力するとの約束を得た。すると23日、北朝鮮の事実上のナンバー2である金与正労働党部長が日朝首脳会談に否定的な談話を出した。しかし、この談話は日本との交渉を拒否するものでなく、交渉...
【第1358回】ペルシャ湾に日本の掃海艇を常駐させよ
国基研企画委員・元海上幕僚長 武居智久 米国とイスラエルの奇襲から始まったイランの反撃は先が見通せない。大規模な対地ミサイルの発射は減ったものの、自爆型ドローン「シャヘド」によるタンカーや周辺国重要施設への攻撃が続いている。専門家はイランの絶え間ない反撃を「弾薬庫の深さ(magazine depth)の戦争」と呼んだが、シャヘドによる攻撃は、ロシアに抗戦するウクライナと同じ...
【第1357回】日本の石油備蓄を近隣国支援に活用せよ
国基研企画委員・元陸上幕僚長 岩田清文 イランによるホルムズ海峡の実質的閉鎖は、日本のみならず東南アジア全体のエネルギー安全保障を揺るがしている。 日本政府が国内対策として、石油の民間備蓄義務量を15日分引き下げ、さらに国家備蓄石油を当面1か月分放出すると決定したのは当然である。加えて、補助金と予備費の活用により、ガソリン小売価格を1リットル当たり全国平均170円程度に...
【第1356回】韓国の「言論の自由」後退を憂える
国基研企画委員兼研究員・麗澤大学特任教授 西岡力 3月20日、韓国で慰安婦像撤去運動を展開してきた金柄憲・慰安婦法廃止国民行動代表が逮捕された。韓国の法治と言論の自由が大きく揺らいでいる。隣人として強い憂慮を感じる。 2月16日付の本欄で伝えたように、李在明大統領が1月にSNSを通じて金氏の活動を「死者名誉毀損」と決めつけた後、警察は家宅捜索を1回、警察署に呼んでの取り...
【第1355回】「成功」だった日米首脳会談
国基研企画委員・産経新聞特別記者 有元隆志 高市早苗首相は米国との決裂危機を回避した。それどころか、トランプ大統領は日本の協力は北大西洋条約機構(NATO)とは異なると評価した。「成功」と評価していい会談だった。 ●「日本はNATOと違う」 トランプ大統領は日本も名指してホルムズ海峡への艦船派遣を求めていた。高市首相は会談で「日本の法律の範囲内でできることとでき...
【第1354回】ホルムズ海峡の船舶護衛に海自艦を派遣せよ
国基研企画委員兼研究員・元防衛庁情報本部長 太田文雄 トランプ米大統領は14日、中東からの海上輸送の要衝ホルムズ海峡で民間船舶を護衛するため軍艦を派遣するよう日本などに求めた。原油輸入の9割を中東に依存する日本がホルムズ海峡の安全航行に貢献できず、自国関係船舶の護衛すら他国任せにすれば、国際社会に批判されて当然だ。まずは自衛隊法に基づく海上警備行動として海上自衛隊の護衛艦を...
【第1353回】首相は中国抑止を米大統領に説け
国基研理事長 櫻井よしこ 米国とイスラエルのイランへの軍事攻撃はイランの核開発を当面阻止した。イランは、イスラエルにとどまらず湾岸地域のスンニ派アラブ諸国を攻撃し、それまで中立を保とうとしていた湾岸諸国は態度を一転させ、米国と共同でイランへの非難声明を発表した。中東の勢力図は大きく変わっていくと思われる。 2024年にイスラエルのネタニヤフ首相が米国の上下両院合同会議で...
【第1352回】中国が南シナ海で新たな埋め立て開始
国基研研究員 中川真紀 中国がベトナムと領有権を争う南シナ海・パラセル(西沙)諸島のアンテロープ礁で新たに埋め立てを開始したことが分かった。英国に拠点を置く非営利調査機関のオープン ソース・センターが埋め立ての証拠となる衛星写真と共にリポートを公表した。 アンテロープ礁の北東90キロにあるウッディ島は中国によって3000メートル級滑走路が建設され、既に軍事拠点化されて...
【第1351回】核拡散阻止に貢献した対イラン攻撃
国基研企画委員・元陸上幕僚長 岩田清文 米国とイスラエルによるイランへの軍事攻撃は、中東情勢を一気に緊張状態へ押し上げた。武力行使の是非については国際法上慎重な検討が必要であり、日本が安易に軍事力による解決を追認すべきでないことは言うまでもない。しかし、今回の事態は単なる国際法上の妥当性だけではなく、核不拡散体制を守る観点からも冷静に評価する必要がある。唯一の被爆国・日本の...
【第1350回】金総書記の対米融和発言をこう読む
国基研企画委員兼研究員・麗澤大学特任教授 西岡力 北朝鮮で朝鮮労働党第9回大会が2月19日から25日までの7日間、開催された。対外関係では、韓国および米国とどのように付き合うかについて金正恩総書記が演説した内容が公開され、米国に対して融和的なメッセージを送ったことが注目された。 ●トランプ訪朝の働き掛け 金総書記は演説で、「憲法に明記されたわが国家の現在の地位を...






