公益財団法人 国家基本問題研究所
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今週の直言

有元隆志

【第1335回】日本の針路を問うべき解散・総選挙

有元隆志 / 2026.01.19 (月)


国基研企画委員・産経新聞特別記者 有元隆志

 

 高市早苗首相が通常国会冒頭で衆院の解散・総選挙に踏み切る。与野党とも「今、なぜ」と言う気分かもしれないが、日本を取り巻く国際情勢を見れば、高市首相(自民党総裁)が安定した政治基盤を築きたいとの思いを強くしたのも理解できる。それほど日本の針路にとって重要な時期に来ている。
 与党は衆院定数465の過半数をぎりぎりで確保しているものの、1人でも欠席すれば再び過半数を割る危うさがあり、参院では少数与党のままだ。海外に目を転じれば、ウクライナ戦争、イランで拡大した反政府デモ、グリーンランドをめぐる米国と欧州の対立、そして中国による台湾に対する軍事的威圧など、情勢は緊迫化している。

 ●連立の意義
 与党内では、早期解散に慎重だった自民党の萩生田光一幹事長代行も「(国際社会で)発信力を確保するための国内環境を整備することは安全保障上も大切」と、高市首相の決断に理解を示した。昨秋、自民党と日本維新の会が合意した連立政策について国民の審判を仰ぎ、外交・安全保障、経済、社会保障などの懸案について、腰を据えた、安定した政権運営をするためにも国民の力強い支援が今こそ必要だと訴えることは、解散の大義となろう。
 副産物として立憲民主党と、連立政権を離脱した公明党が新党「中道改革連合」の樹立を決め、立憲民主党は焦点の安全保障関連法について合憲と認める。立憲民主党はこれまで同法の「違憲部分の廃止」を掲げてきた。野党第1党が安全保障政策で非現実的な主張をしてきたのを方針転換することは好ましい。

 ●政治と宗教
 ただ、立憲民主党は旧統一教会問題などをめぐり「政治と宗教」について追及してきた政党だ。その立憲民主党が宗教団体の創価学会を支持母体とする公明党と新党をつくることには、違和感を覚える。2022年10月の参院予算委員会で、立憲民主党の議員が閣僚に旧統一教会の信者か否か迫る場面があった。そういう政党が「信教の自由」をなにより重視する公明党とどのような政党をつくろうとしているのか、選挙前の数合わせという印象はぬぐえない。
 そうした点も含め、日本の舵取りを任せるのに高市首相と、立憲民主党の野田佳彦代表、公明党の斉藤鉄夫代表のコンビのどちらがふさわしいのか。言わずもがなの印象はあるが、活発な論戦を期待したい。(了)