衆院選が27日に公示され、2月8日に投開票が行われる。戦後最も厳しいと言われる国際情勢に迅速に対応するためにも、憲法改正をはじめ、抑止力の強化を訴える勢力の伸長が望ましい。
●基本政策あいまいな「中道」
自民党の高市早苗総裁(首相)は、毎年度、補正予算が組まれることを前提とした予算編成手法との決別や、「世界の中心に立つ日本外交」を取り戻すためには、高市政権への強い信任が必要だと訴える。
立憲民主党と公明党が合流した新党「中道改革連合」は、安全保障関連法の「違憲部分の廃止」と「原発ゼロ」を掲げてきた立憲民主党の基本姿勢から転換した。政権交代を可能とするため、安全保障、エネルギー政策で現実路線を打ち出したといえる。このこと自体は好ましいが、安保法制にある集団的自衛権の限定行使を容認したのかは明確にせず、「原発ゼロ」についても「究極目標としてはゼロも含まれる」と説明する候補もいる。
さらには、日米同盟を軸にすると言いながら米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の辺野古(同県名護市)への移設について、安住淳共同幹事長が「ストップすることは現実的ではない」と言えば、野田佳彦共同代表は「我々は慎重姿勢」と賛否の明言を避けた。
公明党の山口那津男元代表はかつて、立憲民主党議員の多くが所属した民主党政権の「失敗の悪夢はもうごめんだ」と批判したが、普天間移設を巡る「中道」幹部の一貫しない発言は民主党の迷走を彷彿とさせる。基本政策についてあいまいなままではとても政権を任せることはできない。
●強い指導者が必要
トランプ米大統領やメルケル元独首相をはじめ各国首脳が安倍晋三元首相の発言に耳を傾けたのは、安倍氏が「自由で開かれたインド太平洋」(FOIP)戦略など幅広い視野を持っていたのはもちろんだが、その前提として安定した長期政権だったからだ。米国やドイツだけではない。中国の習近平国家主席、ロシアのプーチン大統領なども「弱い指導者」とは真剣に向き合おうとはしない。
今後の対米、対中関係を構築するうえでも、改憲勢力が改憲発議に必要な衆院総議員数の3分の2(310議席)を上回ることは欠かせない。改憲勢力は世論の信任を得たうえで、自衛隊明記に向けた憲法9条改正などに最優先で取り組むべきだ。(了)





