韓国の李在明政権と米国との関係の悪化が公然化してきた。米国の情報機関が韓国政権内の親北朝鮮派に対して不信任のメッセージを繰り返し送っているが、李在明大統領は親北派をかばい続け、韓国内の保守派から激しい批判を浴びている。
●きっかけは機密情報の暴露
始まりは3月6日、国会で鄭東泳統一相が北朝鮮の濃縮ウラン製造施設について、その時点で明らかになっていた寧辺と降仙に加えて、亀城にもあると発言したことだった。亀城の施設の存在は、米国の衛星と韓国のスパイ活動により判明した極秘情報だった。米国は秘密の暴露に不快感を示したが、鄭統一相と李大統領は、民間ですでに公開されている情報だと開き直った。政府高官が国会でその情報に言及することは民間の情報を確認することになる。米国はその弁明を受け入れず、北朝鮮に関する機密情報の提供を部分的に中断した。
同じ3月には李鍾奭国家情報院長が米国家地理空間情報局(NGA)への訪問を拒否され、その事実が最近明らかになった。6月には米国で開催された北朝鮮のサイバー攻撃に関する日米韓実務者会議に国情院職員の参加が認められなかった。10月には国会の活動の一環として訪米を予定していた議員7人のうち与党「共に民主党」の前代表、鄭清来氏にだけビザ(査証)が発給されなかった。
10月8日、韓国軍制服組トップの陳永承合同参謀本部議長が国会で、北朝鮮の核関連情報など米国からの核心的な情報共有が制限されているかという質問に対し、「一部は制限されている」と認めた。10月12日には康京和駐米大使が「(米韓関係において)情報協力が最も困難な課題である」と述べ、「ホワイトハウスの主要高官へのアクセスももどかしい状況」だと認めた。
そのような中、鄭統一相は9月に南北非武装地帯の韓国側管轄地で北朝鮮が埋めた地雷によって韓国軍の将校ら3人が重傷を負ったことを「北朝鮮の攻撃」と認めなかった。さらに、趙顕外相が地雷攻撃への報復として財産凍結範囲拡大などの制裁強化を主張したことに対し、鄭統一相は声を荒立てて反対し、むしろ大規模な対北医療支援を進めようとした。
●北に融和的な李大統領
韓米同盟が揺らぐ以上のような状況に対して、野党と保守派言論人だけでなく、一部与党議員からも鄭統一相、李院長の交代論が出たが、李大統領はそれを拒否。地雷攻撃を演説で「不慮の事故」と述べて、報復をしなかった。また、閣議で米国からのメッセージに反発し、「国家間関係において屈従的、事大主義的な態度を避けるべきだ」と主張した。
李大統領はイスラエルやウクライナの首脳に対しては激しい言葉で批判しながら、北朝鮮指導者の金正恩氏には融和的だ。この姿勢に関して、京畿道知事時代に側近が北朝鮮に不法送金をした事件の裁判が大統領当選によって中断しているが、その件で北朝鮮に決定的な弱みを握られているのではないかという疑いの声が出ている。(了)




