公益財団法人 国家基本問題研究所
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今週の直言

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2020年7月の記事一覧

国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授 西岡力   これまで新型コロナウイルス患者は1人もいないと主張してきた北朝鮮が、初めて感染者発生を認めた。韓国から軍事境界線を越えて北朝鮮の開城市に戻った元脱北者の感染の疑いが濃厚と判明したというのだ。 7月26日、朝鮮労働党機関紙・労働新聞は一面トップで、前日に党非常拡大政治局会議が開催されたと報じた。そこで金正恩委員長は「わが国に悪...

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国基研理事長 櫻井よしこ    4月7日に安倍晋三首相が緊急事態宣言を発出したとき、日本国民は立派に行動した。政府の宣言には強制力も罰則もなく、要請するだけの建て付けだ。国は国民と対立する悪しき存在であり、最小限の権力さえ与えないのがよいとする現行憲法の精神を色濃く反映した結果である。  国の建て付けとは正反対に、日本国民の圧倒的多数が首相の言葉を正面から受け止め、本来の日本国...

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国基研副理事長 田久保忠衛    中国の王毅国務委員兼外相は7月17日にロシアのラブロフ外相と電話会談をした際に、「(米国は)国際関係の基本ルールを破っている」と批判し、共に対抗しようと呼び掛けた。因果の関係を知ったうえでの発言かどうか。国際秩序の現状変更を求めてきたのは中国で、これに対する激しい応戦が政治、経済、軍事、イデオロギー、サイバー、宇宙、技術などすべての分野で米国によ...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授 西岡力    7月2日、韓国与党「共に民主党」所属で国会の外交統一委員長である宋永吉議員が、元慰安婦や元戦時労働者の遺族らとともに国会内で記者会見を開き、日韓でベストセラーになった『反日種族主義』の編著者李栄薫氏と、講義中に『反日種族主義』を取り上げて大学当局から懲戒処分を受けた柳錫春・延世大教授らを「歴史歪曲があまりにも深刻で到底黙過で...

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国基研副理事長 田久保忠衛    トランプ政権の外交政策の内幕を暴露する著書を出版したボルトン前米大統領補佐官は最近、産経新聞とのインタビューで、トランプ大統領は従来の米大統領とは違って本当に米軍を撤収させるリスクがあり、経費負担の増額要求をもっと真剣に受け止めるべきだと語った。  昨年、トランプ大統領は、6月25日にブルームバーグ通信で報道されたのを皮切りに、米国だけが防衛義...

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国基研理事・東京工業大学特任教授 奈良林直    理化学研究所と富士通が開発したスーパーコンピューター「富岳」が、計算速度などを競う世界ランキングで「4冠」を獲得した。旧民主党政権の事業仕分けで、「スパコンは2位では駄目か」と予算を大幅に削られ、2011年6月に「京」が出した毎秒8162兆回の記録の後、日本は中国に負け続ける状況が続いていた。富岳は既に新型コロナウイルス対策にも活...

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国基研企画委員兼研究員 太田文雄    6月26日、川勝平太静岡県知事は金子慎JR東海社長と会談、静岡工区内の水資源への影響を理由にリニア中央新幹線の工事を認めなかった。このため、当初予定されていた2027年の開通が困難となった。  中国はリニア新幹線に携わった約30名の日本人技術者を引き抜いて、自国でリニア新幹線を開発している。昨年11月14日の中国共産党系英字紙チャイナ・デ...

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産経新聞正論調査室長兼月刊「正論」発行人 有元隆志    中国への過剰な忖度そんたくはやめるべきだ。中国の香港への統制強化を目的とした香港国家安全維持法(国安法)施行に対する自民党と公明党の対応である。主要野党が談話などでいち早く批判したのとは対照的に、与党は正式な談話を出していない。なかでも自民党は部会で習近平国家主席の国賓来日の「中止」を求める非難決議案をまとめたにもかかわら...

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国基研企画委員・中部大学特任教授 細川昌彦    米中対立が激化する中で、日本の経済界の安全保障意識が懸念される。もちろん巨大な中国市場のビジネスチャンスは無視できない。しかし、同時に安全保障リスクを頭に置かなければ、米国の虎の尾を踏むことにもなりかねない。  2018年8月、米国は2019年度国防権限法で、ファーウェイ(華為技術)など中国企業5社を安全保障上の懸念により政府調...

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