公益財団法人 国家基本問題研究所
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今週の直言

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2021年1月の記事一覧

国基研副理事長 田久保忠衛    バイデン米大統領の就任演説の全文を読んだが、あまりにも「民主主義」の説明と「団結」の必要性が繰り返されているので、正直に言って、いささかうんざりした。この二つのキーワードを強調すればするほど、トランプ前大統領に票を投じた7400万人の神経を逆なでし、非民主主義的行動を挑発し、対立を呼び戻さないだろうか。米国は南北戦争以来の深刻な対立を秘めながら前...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授 西岡力    北朝鮮の平壌で1月5~12日に朝鮮労働党第8回大会が開かれた。大会では初日から3日間をかけて金正恩委員長が活動報告を行い、「国家核武力」を完成させたことを自身の業績として強調し、今後も核兵器を開発すると明言した。多弾頭核ミサイル、固体燃料の大陸間弾道ミサイル(ICBM)、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の開発を続け、原子力...

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国基研企画委員兼研究員 冨山泰    1月20日のバイデン米大統領就任を前に、次期政権でアジア政策を統括する「インド太平洋調整官」という幹部ポストがホワイトハウスの国家安全保障会議(NSC)に新設され、カート・キャンベル元国務次官補の起用が決まった。次期政権の上層部で数少ないアジア通として、キャンベル氏には、法の支配に基づく地域秩序の構築を目指す「自由で開かれたインド太平洋」戦略...

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国基研理事長 櫻井よしこ    四海波高し。米中両大国の常軌を逸した振る舞いで幕を開けた今年、国際社会の直面する危機は尋常ではない。危機の本質は、世界が膨張する中国に飲み込まれることだ。  その中で日本がどのように自由陣営に貢献できるかを問うときだ。私たちはかつて列強の脅威に耐え抜いた。今回、中国共産党の脅威をかわし、世界に日本の道を示せるか。現在の危機は黒船来航から始まった1...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授 西岡力    また韓国の裁判所がひどい判決を下した。1月8日、ソウル地裁は日本国に対して、元慰安婦12人に、1人あたり1億ウォン(約950万円)の慰謝料を払えと命じた。  国際法には、国家は他国の裁判の被告にならないという「主権免除」の原則がある。国家が互いの主権を尊重する外交関係の基本だ。ところがソウル地裁は、慰安婦制度を「主権免除」...

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防衛省防衛研究所 社会・経済研究室長 塚本勝也    米国では新型コロナウイルスの感染拡大から1年足らずのうちにワクチンが開発され、接種が開始されている。この前例のない急ピッチのワクチン開発で存在感を高めたのが、米国防総省の研究機関である国防高等研究計画局(DARPA)であった。  DARPAは、人工衛星の打ち上げでソ連に先を越された1957年の「スプートニク・ショック」の翌年...

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