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【第223回・特別版】日本の領土を守る当然の法律が必要だ

野口東秀 / 2013.11.25 (月)


国基研客員研究員・拓殖大学客員教授 野口東秀

 

 日本維新の会は25日夕、国会内で記者会見し、「国家安全保障上、重要な土地等に係る取引等の規制等に関する法律案」を今国会に提出することを発表した。北海道から沖縄まで、中国人や韓国人などの外国人が安保上問題のある基地周辺や離島を購入しており、野放し状態となっている。このままでは国防体制の妨げとなり、将来に禍根を残す。自民党内には法案の趣旨に賛同者が少なくない。日本の国益を考えれば、来年の通常国会で自民党と維新の共同提案の形となっても法案が成立することが望ましい。

 ●重要施設周辺・国境離島で取引禁止も
 維新が作成した法案のポイントは、日本の安保上支障となる恐れがある重要な土地を「第一種重要国土区域」に指定し、そこでの土地の売買・賃借には「事前届け出」と「審査・許可」を必要とする点だ。安保上、取引に問題があると政府が判断した場合は、その取引に対して「中止勧告」を行い、従わない場合は「中止命令」が出される。罰則は3年以下の懲役または300万円以下(法人は1億円以下)の罰金だ。
 法案には「第一種重要国土区域」として、日米の防衛施設、原子力施設の敷地及びその周辺、そして国境離島が明記されている。その他の安保上重要な土地についても、内閣府に設置する専門部局が調査し、有識者による重要国土審議会に諮問した上で判断し、指定できる。

 ●外国人のみを対象としない
 法案の大きなポイントはもう一つある。「第一種重要国土区域」での土地取引の「審査」や「許可」は外国人(法人を含む)のみを対象としていない点だ。
 実は、世界貿易機関(WTO)協定の一部を成す「サービスの貿易に関する一般協定」(GATS)に、外国人による土地の取得を規制する留保条項を日本は盛り込まなかった。元政府関係者は「当時(1990年代)は日本が外国で目立った不動産を買っていた時代。今のような外国による日本買いを想像しなかった」と指摘する。
 このため、外国人だけを対象にした土地取引規制法を日本が制定すればWTO協定違反とされかねない。維新の法案は外国人だろうが日本人だろうが、「第一種重要国土区域」における土地の売買・賃貸を許可制とするもので、WTO協定に照らして何の問題もない。

 ●平和ボケをいつまで続けるのか
 長崎県の対馬を8月末に訪れた。現地の海上自衛隊防備隊本部は海に面しているが、周囲3カ所の広大な土地を韓国系資本がリゾートや民宿として購入していた。うち1カ所は、6月に更地状態で韓国企業に所有権が移転したばかりだった。韓国資本が、日本により敵対的な国の資本に土地を転売することもあり得る。
 防衛施設の周囲を外国資本が取り囲むのは異常な光景である。電波の盗聴や妨害工作は可能とみなければならず、有事の際にはどう利用されるかも分からない。日本は平和ボケをいつまで続けるのか。(了)