自民党総裁選では、日本の国家的課題について活発な政策論争を期待したい。その際、消費税減税、再生可能エネルギー(再エネ)推進政策の見直し、防衛費の国内総生産(GDP)比3%への引き上げ、の三つについて積極的に論じてもらいたい。以下、その理由を説明したい。
●消費税減税と再エネ政策見直し
第一は消費税減税だ。2012年12月に始まったアベノミクスの成果で日本経済は再び成長軌道に乗りつつある。株価は上昇、輸出も拡大、失業率も改善、税収も増えたが、その一方で企業の設備投資、個人の所得、そして家計の消費は伸び悩んでいる。だからこそ手取りを増やすことを訴えた国民民主党が現役世代の支持を集めた。可処分所得を増やすため、科学技術予算の増加など「稼げる国」を目指すと共に、消費税減税や社会保険料の軽減を明確に打ち出すべきだ。
第二が再エネ推進政策の見直しだ。電気やガソリンなどエネルギー価格の上昇は、低所得層や地方在住者、そして企業活動に大きなダメージを与えている。言い換えれば、エネルギー価格の低下は、国民負担率を下げ、かつ国内の製造業を含む企業活動を活性化させることになる。エネルギー価格の上昇を招いている要因の一つが再エネの推進だ。しかも再エネ推進のために戦略鉱物が必要だが、それは対中依存の拡大を生んでいる点も見逃せない。その一方で、国産技術である原子力の長期活用はエネルギー安全保障、温暖化防止、経済効率の面で合理的な手段だ。よって再エネ推進の見直しと原子力の長期活用への政策転換が重要だ。
●防衛費をGDP比3%に
第三が防衛費のGDP比3%への引き上げだ。2022年12月、岸田文雄政権が安保3文書と共に5年間で約43兆円の防衛費を閣議決定した。防衛費は確実に増えているが、米国や北大西洋条約機構(NATO)に比べると少ない。よって日本もGDP比3%を目指し、日本が独力で戦える戦力の構築(即応能力=装備稼働率と自衛官充足率の引き上げ、燃料・弾薬の備蓄増大など。継戦能力=燃料・弾薬の急速な増産、弾薬庫の新設、民間飛行場・港湾の使用拡大など)に全力を傾けると共に、日米同盟の抜本強化にも踏み切り、かつ台湾やフィリピン、オーストラリアなどに対しても軍事支援をしたいものだ。
その予算額はGDP比3%なら約18兆円となるが、それでも米国の約8分の1だ(米議会は2024年12月18日、総額8950億ドル〈約139兆円〉の国防予算案を可決している)。中国、ロシア、北朝鮮などからインド太平洋地域の自由と繁栄を守っていくためにも、日本だけの専守防衛予算から、積極的平和主義に基づく防衛予算へと大きく発想を変えたいものである。
以上、自民党は総裁選を通じて、これまでの政策を大きく転換してもらいたい。(了)





