高市早苗首相は8日投開票の衆院総選挙で自民党を爆発的勝利に導いたが、その「責任ある積極財政」にはまだまだ超えなければならない壁がある。それは緊縮財政主義に固執する「オールドメディア」である。経済紙を含む既存メディアは高市政権が財政悪化を招くと騒ぎ立て、衆院選で食料品消費税ゼロを公約するとさらに批判を強めた。これに海外メディアも同調し、日本国債売りと、円相場の下落を加速させた。
●消費税減税に問題なし
消費税減税について、メディアはあらゆる面から異論を挟んできた。社会保障財源を失う、減税しても需要が増えるので価格は下がらない、食料品ゼロ税率に伴う小売店のレジ改修の手間が大変、などだ。
それほど消費税減税はスジ悪なのだろうか。物価上昇が始まる前の2021年末に比べると、昨年末の消費者物価は13%、うち食料品はコメの2.4倍を筆頭に28%も上がっている。平均賃金は11%上昇に過ぎない。とりわけ若者や子育て世代の窮乏化は深刻だ。メディアは食料品無税なら5兆円の税収減になると問題視するが、一般会計税収は2021年度に比べて20兆円も増えている。その一部を家計に還元するのに何の無理があろうか。
経済協力開発機構(OECD)の2025年12月見通しによると、日本は今や財政優等生である。日本の政府全体(中央・地方政府と社会保障基金の合計)の基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB、政策経費と税収のバランス)赤字の対国内総生産(GDP)比率は、2020年の8.6%から大きく減り続け、2025年は0.4%、2027年には黒字化する。対照的に、米国やドイツは大幅な赤字が続く。
来年度一般会計予算政府案では、PBは黒字になる。さらに政府債務の対GDP比の漸減方針を明確化している。にもかかわらず、国内の既存メディアが財政不安を一方的に喧伝し続けてきた。対照的に、SNSでは若者や子育て世代を中心に高市政権の財政方針への支持が広がり続けている。既存メディアは「オールド」と呼ばれるのも無理はない。
●均衡財政主義への執着をやめよ
高市首相は総選挙によって獲得した強大な求心力を使って、故安倍晋三首相も成し得なかった経済再生を達成できると期待出来る。だが、メディアのネガティブな報道が今後も繰り返されるようだと、国債や円売りの投機勢力を刺激しかねない。ほくそえむのは、日本を威圧する中国の習近平政権だろう。既存メディアは戦後以来の均衡財政主義への執着をやめるべきだ。(了)





