公益財団法人 国家基本問題研究所
https://jinf.jp/

今週の直言

有元隆志

【第1347回】自民党は高市首相を支えよ

有元隆志 / 2026.02.24 (火)


国基研企画委員・産経新聞特別記者 有元隆志

 

 衆院選で自民党が316議席を獲得したことを受けて、高市早苗首相は20日の施政方針演説で、憲法改正について「国会における発議が早期に実現されることを期待します」と述べた。自民党が少数与党だった昨年10月の所信表明演説では改憲について「積極的な議論が深まっていくことを期待します」と述べたが、今回はその時よりも踏み込んだ発言であり、首相の強い決意を示したものだ。
 首相が憲法について言及したのは施政方針演説の「むすび」の部分だった。今年が昭和元年から起算して満100年を迎えることにあたり、「どのような国を創り上げたいのか、その理想の姿を物語るものが憲法です」と述べ、歴代首相の施政方針演説よりも分量を多くして憲法改正の必要性を説いた。その上で「挑戦しない国に未来はありません」「守るだけの政治に『希望』は生まれません」と訴えた。

 ●改憲に尽力しなかった党
 西日本新聞は、自民党重鎮が諭すような口ぶりで「首相らしい言葉が並んだが、言葉だけで政治はできない」との感想を述べたと報じた。こうした認識を持っている自民党議員は少なからずいる。
 今回の衆院選で自民党が大勝したのは、ひとえに高市首相ならば日本を変えてくれるだろうと有権者が期待したからであって、自民党への信頼が回復したわけではないことをこの重鎮らは早くも忘れているようだ。
 自民党は憲法改正を「党是」として掲げてきたが、「党是」と掲げるだけでこの重鎮たちはどれだけその実現に尽力してきたのか。訳知り顔で人に諭す前に、自らの過去を顧みるべきだろう。

 ●大勝のあと大敗も
 自民党は平成17(2005)年、小泉純一郎首相が郵政民営化の是非を国民に問うたいわゆる「郵政選挙」で衆院296議席を獲得したが、次の21年(2009)年には119議席と大敗を喫し、野党に転落した。
 高市首相は施政方針演説に先立って行われた自民党両院議員総会で、憲法や皇室典範の改正について「しっかり挑戦してまいりましょう」と訴えかけた。首相を支え、党一丸となって憲法改正などを実現してこそ、自民党への信頼が回復することを、党重鎮をはじめ、所属議員は肝に銘じてほしい。21年衆院選と同じ轍を踏まないためにも。(了)