これを似た者同士というのであろう。
朝日新聞とニューヨーク・タイムズ(NYT)は、日本誹謗に熱心なあまり、事実を曲げてまで報道するが、自身の間違いを指摘されると知らぬ顔で通すのだ。
●誤報に頬かむりの朝日新聞
国基研は7月17、18、19日の3日間にわたり読売、毎日、産経、日経の全国紙4紙に「『河野談話』の検証はまだ終わっていません」と題する意見広告を掲載したが、朝日新聞だけ7月28日現在、掲載に至っていない。
私たちは朝日新聞にも他紙同様、同月4日に掲載を申し入れた。すると、7日に質問状が届いた。意見広告の文中に「平成4年1月の訪韓で、宮沢喜一首相は8回も謝罪」「朝日新聞の誤報で激高した韓国世論」とあるが、裏付け資料はあるかとの問いだ。
国基研は、前者については「平成4年1月18日の朝日新聞で報じている」と答え、後者についても詳しい資料を送付した。慰安婦とは無関係の女子挺身隊を強制連行して慰安婦にしたという朝日の誤報については明白な証拠がある。
それきり朝日からは、なしのつぶてとなった。問い合わせると、「(国基研の希望する)7月17、18の両日は広告スペースがない」という。私たちは、いつでもよいからスペースがある時点での掲載を希望する旨伝えたが、7月28日現在、朝日は意見広告を掲載していない。恐らくこれからも掲載する気はないのであろう。これを頬被りというのである。
●ニューヨーク・タイムズは反論を握りつぶし
これより少し前、NYTも米ジョージタウン大学教授のケビン・ドーク氏の指摘に全く同じ対応をしていた。国基研の「寺田真理記念日本研究賞」第一回受賞者のドーク氏は、今年3月2日のNYTの社説に反論を送った。社説は「安倍氏の危険な修正主義」という題で、安倍首相が「南京大虐殺」を否定し、慰安婦への謝罪をご破算にするつもりだと非難した。
これらは事実でない。そこでドーク氏は、①安倍首相は南京大虐殺を否定していない②一国の首相に対してこのような事実誤認の非難は許されない③安倍首相の発言や首相が象徴するものは近隣諸国とりわけ中国を戸惑わせるかもしれないが、軍事行動を取っているのは日本でなく中国である④日本は60年以上、民主主義を貫いている―などと書いて投稿した。
3月10日、NYTから質問が届いた。ドーク氏の投稿文に、「それでも彼(安倍首相)は(放送作家でNHK経営委員の)百田尚樹氏と共著を出版し、共著本で百田氏は、南京大虐殺は捏造だと語っている」と加えてもよいかという問いだった。
「百田氏の見解は首相と無関係」としてドーク氏が拒否したのは当然だったが、これっきりNYTからは、なしのつぶてとなった。NYTは日本政府から抗議を受けて小さな訂正を出しただけだった。ひと月余り後、ドーク氏が問い合わせると、「投稿を掲載するスペースがない」と、素っ気ない回答だったという。
自らの嘘や事実誤認に頬被りする恥知らずのメディアが、洋の東西で跋扈していることを心に刻みたい。(了)