7月27日に国連欧州本部で行われた女子差別撤廃委員会プレセッション(準備会合)に出席するため、スイスのジュネーブを訪れた。NGO「なでしこアクション」の山本優美子代表と共に日本の保守系団体の代表として初めて発言の機会を得た。
我々に与えられた発言時間は各2分。内容が重ならないようにあらかじめ調整してスピーチに臨んだ。
●国連欧州本部で説明
山本氏は米国各地に建てられた慰安婦像・碑が原因で発生している日本人バッシングについて述べ、「慰安婦問題は女性の人権問題の域を超え、日本人を貶める政治的キャンペーンに利用されている」と英語で訴えた。
私は「慰安婦の強制連行はなかった」という1点に論点を絞り、この問題を世界中に広めた朝日新聞が誤報を認め、訂正記事を出したことを説明した。その上で、「国際社会では未だナチスドイツのホロコースト(ユダヤ人大虐殺)に匹敵する戦争犯罪だと宣伝されているが、事実無根である」とフランス語で主張した。
我々が話し終わった後、出席した委員からいくつか質問があった。
委員「あなた方は政府の関係者か?」
我々「いいえ、違います。全くの民間団体です」
委員「我々は慰安婦の強制連行はなかったという意見を本日初めて聞いた。今まで述べられてきた意見とは全く逆である。にわかに信じがたいが、慰安婦問題について(今までとは違う)考え方をもっと聞かせてほしい」
この質問に対し、我々は、米国の公開文書(1944年に米軍がビルマ=現ミャンマー=のミートキーナで行った朝鮮人慰安婦の尋問報告書NO.49)を用いて、「慰安婦は性奴隷ではなかった」という説明を行った。
最後に議長からは、「慰安婦の強制連行はなかったという意見を初めて聞いた。今後は慰安婦問題には二つの異なる見方があるということを念頭に置いて考えるようにする」という言葉を頂いた。
●委員会からの問い合わせ
実際にこの委員会には、日弁連、「日本女性差別撤廃条約NGOネットワーク」といった左翼系の団体が多く出席して発言しており、今回も「従軍慰安婦は日本の重大な戦争犯罪であり、日本は十分に謝罪していない」「教科書から従軍慰安婦の記述が削除された」といった主張を行っていた。
7月30日、委員会から日本政府に提出された質問リストに、これまでになかった新たな項目が加わった。
≪委員会は最近の公開陳述で「慰安婦の強制連行を証明するものはなかった」との説明を受けた。これについて見解を述べてほしい≫
日本政府がこの問い合わせに対し、「慰安婦の強制連行はなかった。それが日本政府の公式見解である」と、毅然とした態度で回答することを強く期待する。(了)