公益財団法人 国家基本問題研究所
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今週の直言

李宇衍

【第945回】韓国人がドイツで慰安婦像撤去を求めた

李宇衍 / 2022.07.19 (火)


落星台経済研究所(韓国)研究委員 李宇衍

 

 ドイツ在住韓国人の団体によって首都ベルリンに設置された旧日本軍の慰安婦像の撤去を求めて、私たち韓国人グループは6月末に現地を訪れた。
 問題の慰安婦像は、在独韓国人団体「コリア協議会」がベルリン中心部のミッテ区の許可を得て、2020年9月に設置した。ベルリンを訪れたのは、1月に結成された「慰安婦詐欺清算連帯」(本部ソウル)の朱玉順代表ら4人で、その一員として私も参加した。
 
 ●対話を拒否した設置団体
 訪問の目的は二つあった。一つは、慰安婦像の設置が歴史的事実を歪曲していることをコリア協議会に認めさせ、像の自主的撤去を要求すること。もう一つは、9月28日までに慰安婦像の設置継続を許可するかどうかを決めなければならないミッテ区当局と区議会に、像撤去を求める私たちの意思を伝えることだった。
 コリア協議会の慰安婦問題に関する認識は、韓国の慰安婦支援団体「正義連」(旧挺対協)のパンフレットを復唱するレベルだ。すなわち、①20万人の②少女たちが③強制連行されて④性奴隷になり、⑤これはナチスドイツのホロコースト(ユダヤ人大虐殺)と同じだ―という主張だ。
 しかし、慰安婦とは25歳くらいの成人女性が業者と契約を結び、日本軍人に性的サービスを提供したセックスワーカーだ。異民族の大虐殺とは全く関係なく、ホロコーストと同一視するのは反日種族主義的なこじつけだ。
 私たちは出発前からコリア協議会に対話と討論を求めたが、拒否された。ベルリンには6月25日夜に到着し、30日明け方に出発するまで、慰安婦像の前で約2時間ずつ7回にわたって集会を開いた。コリア協議会は約15メートル離れた所で反対集会を催した。
 ミッテ区長には出発前に面談を要請し、関係者から肯定的な答えを得ていた。また、関連業務を担当する区議会議員とも面談の約束を取り付けた。しかし、区役所と区議会がある庁舎を2回訪問したものの、よく分からない理由で面談できず、私たちの意見書を伝達することで満足せざるを得なかった。
 一方、像設置に反対する在独韓国人たちと3回の会合を持つことができ、私たちの主張に同意する韓国人も少なからずいることが分かった。
 ドイツ人の反応は予想と違って中立的ではなかった。彼らは慰安婦問題の真実よりも「ホロコースト」という単語に敏感に反応しているように見えた。過去の歴史にコンプレックスを持つ一部の日本人に会った時の印象と変わらなかった。知的怠惰と偽善を感じた。
 
 ●日本人と共闘したい
 私は慰安婦像が遠からず撤去されると信じている。ミッテ区には、芸術品でない造形物を2年以上存置できないという規定がある。 実際、ホロコースト犠牲者の記念碑の設置が許可されなかった例があるという。ドイツ人が慰安婦問題で日本と外交摩擦を悪化させてまで、規則を軽視することはないだろうと信ずる。
 ドイツ訪問を通じて日本の同志と共同行動を模索できる契機を作ったことも重要な成果だ。日本の皆さんと共に行動できるようになればいいと思う。(了)
 
 

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