公益財団法人 国家基本問題研究所
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今週の直言

髙池勝彦

【第1349回】安定的な皇位継承を目指して

髙池勝彦 / 2026.02.25 (水)


国基研副理事長・弁護士 髙池勝彦

 

 世論の圧倒的な支持を受けて第2次高市内閣が発足した。この内閣は、日本を「強く豊かに」するための経済、安全保障、その他多くの政策を発表してゐるが、その中で、もつとも基本的な政策として憲法改正と皇室典範の改正がある。

 ●「皇統」を守れない現在の規定
 高市早苗首相は、昨年9月19日発表した自民党総裁選の公約に、憲法改正とともに、「126代続いた男系の『皇統』をお守りするため、『皇室典範』を改正します」との項目を掲げた。この点、高市首相は一貫してをり、同年10月24日の第1次内閣の所信表明演説でも「安定的な皇位継承等の在り方に関する各党各派の議論が深まり、皇室典範の改正につながることを期待しています」と表明。今年2月20日の第2次内閣の施政方針演説では「我が国の伝統や歴史の重みをかみしめながら、国会において、皇室典範の改正に向け、安定的な皇位継承等の在り方に関する議論が深まることを期待しています」と述べた。
 憲法第2条は「皇位は、世襲のものであつて、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する」と定めている。皇室典範はそれを受けて、第1条で「皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する」とし、第2条第1項で、皇長子、皇長孫以下、皇位継承の順序を具体的に定め、第2項で、具体的に該当する皇族がいないときは「最近親の系統の皇族」に皇位を伝えると定めてゐる。
 ところが現在皇位継承者は、上位から順に、弟君の秋篠宮文仁親王、その御長男の悠仁親王、上皇陛下の弟君の常陸宮正仁親王の御三方であり、これに限られてゐる。常陸宮は現在御年90歳、秋篠宮は現在60歳であることを考へれば、66歳の今上陛下の皇位継承時の継承者は実質的に悠仁親王お一人だけで、他の「最近親の系統の皇族」が一人もゐないといふ状況である。これでは、「126代続いた男系の『皇統』をお守りする」安定的な皇位継承ではない。
 今上陛下には長女愛子内親王がをられるところから、「男系の男子」を改めて「女子」でもよいではないかとの議論がある。しかし愛子内親王が生涯独身であれば、安定的な皇位継承にはならず、民間人と結婚されてその子孫が皇位につくといふことになれば女系天皇となる。これはこれまでの皇室の伝統からはづれてしまふので認めるべきではない。

 ●旧宮家男子の皇族復帰を
 そこで、昭和22(1947)年に皇族から離脱された旧宮家の男子の皇族復帰が考へられる。復帰の仕方もいろいろ考へられる。旧宮家の自動的な復帰ではなく、然るべき方に現在の皇族の養子になつていただくこと、次に、そのやうな方に旧宮家として皇族に復帰していただくことなどである。いづれも皇室典範の改正が必要であり、現状を考へれば急ぐべきである。
 さらに私は、上記2案のいづれかと合はせて、旧宮家の方と現在の内親王の方々との御成婚があれば国民と皇室の一体感が一層深まると思つてゐる。(了)