2019年2月の記事一覧
【第574回】欧州民主主義国と対中政策で連携を強めよ
国基研企画委員兼研究員 冨山泰 ベルリンでこのほど日米豪印4カ国協力に関するシンポジウムが開かれ、パネリストの1人としてこれに参加した。欧州でも近年、中国の台頭への懸念が強まり、それに対抗する多国間の枠組みとして、インド太平洋地域の民主主義4カ国による協力体制への関心が増しつつある。 シンポジウムを主催したのは、ドイツの最大与党キリスト教民主同盟(CDU)傘下の有力シン...
【第573回】韓国憲法前文が、日韓友好の障害となっている
国基研理事 首都大学東京名誉教授 鄭大均 韓国国会議長の「天皇謝罪発言」に一文をというのが、国基研企画委員会からの要請であるが、ここではもっと大事なことを記したい。 韓国憲法の前文に、「悠久の歴史と伝統に輝くわが大韓民国は3・1運動により建立された大韓民国臨時政府の法統」を継承するという文があって、それが意味するのは、今日の韓国が1897年に成立した大韓帝国の正統性を継...
【第572回】日印戦略協力を推進せよ
国基研理事長 櫻井よしこ 2月上旬、ニューデリーでインドのビベカナンダ国際財団(VIF)と「不確実な時代における日印パートナーシップ」と題されたセミナーを行った。それに先立って国家基本問題研究所代表団は、モディ首相の国家安全保障顧問を務めるアジット・ドバル氏らとの意見交換、インド工業連盟(経団連に相当)との対話に臨んだ。 私たちを迎えたインドの人々には熱気が溢れていた。...
【第571回・特別版】トランプ一般教書演説と日本――リーダーシップの重要性
国基研企画委員兼研究員・福井県立大学教授 島田洋一 トランプ大統領の一般教書演説を日本から見ていて改めて感じたのは、アメリカのリーダーシップの重要性である。 外政分野でトランプ氏が最初に触れたのは、知的財産窃取など中国の国家ぐるみの不正行為をやめさせるとの決意だった。日本も長年被害を受けてきた当事者である。しかし日本政府は手をこまねくばかりだった。「中国共産党のスパイ機...
【第570回】トランプ大統領に対北制裁を緩めさせてはならない
国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授 西岡力 2月末にベトナムで、トランプ米大統領が北朝鮮の独裁者金正恩委員長と2回目の首脳会談を持つという。トランプ大統領は金委員長と「恋に落ちた」などとツイッターで語りつつも、対北朝鮮制裁はむしろ強化してきた。経済制裁が効果を上げ、北朝鮮では外貨が枯渇し始め、国内で不満が高まってきた。 金委員長はこれまで、核実験場爆破と米兵遺骨返...