2018年1月の記事一覧
【第494回・特別版】北が仕掛けた軍事パレードの罠
国基研企画委員・麗澤大学客員教授 西岡力 安倍晋三首相が2月9日の平昌五輪開会式に出席するため訪韓すると発表した。文在寅韓国大統領との首脳会談も同日持たれるという。北朝鮮は、経済制裁と軍事圧力が効いてきたから文政権に接近してきた。これは想定内で、安倍首相は文政権が北の「逃げ道」を提供しないようにすることが大切だ、訪韓前に、まず東京へ来るペンス米副大統領と対北朝鮮圧力強化...
【第493回】米の復帰表明に惑わされず、TPP11の実現に注力せよ
国基研企画委員・東京国際大学教授 大岩雄次郎 トランプ米大統領は、25日の米CNBCテレビのインタビューに続き、26日にスイスのダボスで開催された世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)の演説で、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への復帰へ向けて「交渉を検討する」と明言し、周囲を驚かせた。ただし、交渉項目やスケジュール等については言及しておらず、その真意は不透明であ...
【第492回】北朝鮮の五輪参加は文政権の裏切り
国基研企画委員・麗澤大学客員教授 西岡力 2月9日から韓国の平昌で開催される冬季五輪に北朝鮮が参加することが決まった。韓国の文在寅政権が主催国の特権で北朝鮮へのえこひいきを押し通した結果だ。アイスホッケー、スキー、スケートの3競技10種目に北朝鮮選手22人の参加が認められたが、フィギュアスケートのペア以外は出場資格を獲得していなかった選手ばかりだ。日本を含む競技関係者か...
【第491回】中国軍の活発な行動を警戒せよ
国基研企画委員 太田文雄 中国人民解放軍海軍の潜水艦が11日に沖縄県尖閣諸島の大正島周辺の接続水域を潜行したまま航行した。フリゲート艦も随伴した。最近の中国は広域経済圏構想「一帯一路」に日本を取り込みたいためか微笑外交を重ねてきたが、一方で尖閣の領有を企図した軍事行動を活発化していることに我々は目をつむるべきではない。 今回の航行目的の一つは、日本の潜水艦探知能力を...
【第490回・特別版】明治150年、先人の英知に学べ
国基研理事長 櫻井よしこ 新しい年、平成30年は、日本のみならず世界にとって大きな分岐点となる年だ。伝統的な米国の価値観と中国のそれがより顕著にせめぎ合う年と言ってよいだろう。日本の命運も大きく左右される変化の前で、あらゆる国のあらゆる人材が力を尽くす1年になる。国基研にとっては、創設以来掲げてきた憲法改正の実現に向けて、果敢に提言し続ける1年でもある。 ●米国...
【第489回】中国リスクに備え民主主義国の連帯が必要
国基研企画委員兼研究員 冨山泰 2018年を迎えて、新年の国際情勢予想が欧米メディアをにぎわせている。焦点の一つは中国の影響力拡大であり、トランプ政権の米国第一主義によって生ずる世界秩序の空白を中国が埋めることを警戒する声が上がる一方で、中国の拡張主義への抵抗が世界各地で強まるという予測もあり、国際社会の先行きを不透明にしている。 ●地政学上の危機 中国への...