公益財団法人 国家基本問題研究所
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今週の直言

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2022年6月の記事一覧

国基研企画委員・明星大学教授 細川昌彦    今、西側諸国と中露の対立を背景に、国際経済秩序が「分断の時代」を迎えている。対露経済制裁が顕在化させたのは、西側先進7か国(G7)の結束とともに、新興国・途上国の西側からの乖離だ。こうした状況で秩序作りをどう進めるべきか。それを考えるうえで歴史を参考にしたい。冷戦終了直後の輸出管理のワッセナー・アレンジメントと1980年代末のアジア太...

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国基研評議員兼企画委員 太田文雄    ケビン・メア元米国務省日本部長が自衛隊の国産ミサイル「12式地対艦誘導弾」をロシアに侵略されたウクライナに供与するよう提案した。軍事的見地からと国際的な責務という観点から賛成したい。  6月半ば、ウクライナは英国とデンマークから供与されたばかりの米国製の対艦ミサイル、ハープーンで黒海のロシア海軍タグボートを破壊したと発表。米政府もウクライ...

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元米国務省日本部長 ケビン・メア    特殊な状況下で例外的な措置を取らねばならない時が歴史の中にはある。ロシアのウクライナ侵攻はそのような機会を世界にもたらした。  日本が国際的な対ロ経済・金融制裁への支持を迅速に決めたことは大歓迎だし、ウクライナに軍用ヘルメットや防弾チョッキなどを寄贈したことも大歓迎である。しかし、ロシアの侵略に対するウクライナの抵抗を助けるために、日本は...

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国基研副理事長 田久保忠衛    「米国による平和の真の終焉」との見出しの一文がフォーリン・アフェアーズ誌ウェブ版(6月13日付)に掲載された。筆者は欧州外交問題評議会会長のマーク・レナード氏だ。ロシアによるウクライナ侵攻の影響により、ドイツは防衛政策の大転換とロシアへのエネルギー依存漸減にかじを切り、日本も追随するかのように防衛費の大幅増額に踏み切った。両国とも「普通の国」への...

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国基研評議員兼企画委員 太田文雄    米政府は6月29日から8月4日まで行われる環太平洋合同演習(リムパック)の参加国をこのほど公表したが、この中に台湾は含まれていなかった。リムパックは米海軍主催で2年に一度実施されるもので、2022会計年度の米国防権限法は今年のリムパックに台湾を参加させるようバイデン政権に促していた。また、2020年に台湾の当時の厳徳発国防部長(国防相)も参...

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国基研理事・北海道大学名誉教授 奈良林直    札幌地裁が5月31日、北海道泊村にある北海道電力泊原子力発電所1~3号機の運転差し止めを認める判決を出した。東日本大震災に伴う東京電力福島第一原発の事故後、各地で原発の運転差し止めや設置許可取り消しを求める訴訟が起こされたが、いずれも上級審で覆っている。今回の原告も「脱原発弁護団全国連絡会」の支援を受けた「日本国内又は海外に居住する...

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国基研副理事長 田久保忠衛    米カーター政権の時に大統領補佐官を務めたズビグニュー・ブレジンスキー氏が、今から25年前に書いた「巨大な将棋盤」(邦訳「世界はこう動く」日本経済新聞社)と題する書物がある。月刊文芸春秋5月号にフランスの人口学者エマニュエル・トッド氏がこの書を引用してウクライナ戦争の今日的意義を説いた。  特筆に値する第一は、中国がユーラシア大陸で世界的な覇権国...

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国基研企画委員・産経新聞特別記者 田村秀男    岸田文雄政権は5月末に発表した「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太の方針)原案で、「基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)の2025年度黒字化目標を堅持する」との記述を外した。  喫緊の課題である防衛費の倍増を考えても当然の選択だが、原案には財務省の企図が各所に散見された。例えば、全般的な財政支出抑制や消費増税による財源...

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国基研企画委員・産経新聞月刊「正論」発行人 有元隆志    ロシアのウクライナ侵略を受け、ドイツが国防費の国内総生産(GDP)比2%以上への引き上げを決めたのに対し、日本政府は数値目標を掲げることに消極姿勢だった。それが5月23日の日米首脳会談で岸田文雄首相が防衛費の「相当な増額」を表明したのに続き、経済財政運営の指針「骨太の方針」でも、「防衛力を5年以内に抜本的に強化する」と明...

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