2017年10月の記事一覧
【第478回・特別版】慰安婦登録見送りは官民一体の努力の成果だ
国基研理事・明星大学特別教授 髙橋史朗 パリで開催された国連教育科学文化機関(ユネスコ)の国際諮問委員会(IAC)が、日中韓を含む8カ国の民間団体などによって共同申請された慰安婦資料の「世界の記憶」登録を見送ったことが分かった。最終的にはユネスコのボコバ事務局長がIACの勧告を受けて登録の是非について判断することになる。IACの決定は、10月18日にユネスコ執行委員会が「世...
【第477回】アジアの問題を米中に仕切られていいのか
国基研副理事長 田久保忠衛 トランプ米大統領は11月3日から14日まで12日間にわたって日本、韓国、中国、ベトナム、フィリピンのアジア5カ国を訪問する。米国にとって日本、韓国、フィリピンの3カ国は同盟国、ベトナムは新たな「戦略的パートナー」だ。そこにアジアの大国としての中国を加えたのは、朝鮮半島の今後に中国が重大な役割を担うと米国が判断しているからだ。米政府は中国に圧力をか...
【第476回】9条の硬い殻を破れる可能性が出てきた
国基研理事・政治評論家 屋山太郎 「一強多弱」の状況は今回の総選挙で変わらなかった。しかし、野党第1党だった民進党が希望の党と立憲民主党に分裂したことによって、政界の在り方や国会運営の手法が基本的に変わるだろう。何でも反対という共産党主導の「全野党共闘」は終焉した。恐らく立憲民主党と共産党の共闘は続くだろうが、これまでとは全く違う様相になるだろう。憲法改正をめぐる国会の審査...
【第475回】「慰安婦」登録なら日本もユネスコ脱退だ
国基研理事・明星大学特別教授 髙橋史朗 10月12日、米政府は国連教育科学文化機関(ユネスコ)から脱退すると発表した。ユネスコが今年7月、イスラム圏7カ国から共同申請されたパレスチナ自治区のヘブロン旧市街の世界遺産登録を決定するなど、「反イスラエル」的姿勢を続けていることに反発したものである。イスラエルも米国に追随し、ユネスコから脱退することを明らかにした。 米国の脱退...
【第474回・特別版】北体制の危機感を示す検閲委員長人事
国基研企画委員・麗澤大学客員教授 西岡力 朝鮮労働党創建記念日である10月10日に、北朝鮮はミサイル発射や核実験など軍事挑発を行わなかった。しかし、金正恩政権は米本土まで届く核ミサイル保有に向けて邁進する姿勢を変えていないので、米朝の軍事的緊張が一層高まっていくことは間違いない。記念日に先立つ党幹部人事で明らかになったのは、北朝鮮内部で対米強硬路線に対する不安、動揺が出てお...
【第473回・特別版】天晴れ、高市氏の正論主張
国基研理事長 櫻井よしこ 「国会議員になって驚いたのは、起きてほしくないことは起きないという前提で議論する政治家がいたこと」。これは安倍晋三首相の側近の一人、高市早苗前総務相の言葉だ。何でも起き得るのが国際政治の現実であり、政治家はそのために常に国際情勢に正対し、予断や希望的観測を排しなければならない。それが出来ない政治家が多いという高市氏の苦言は、この瞬間の日本の現状にあ...
【第472回】米国頼みで生きていけない時代に入った
国基研副理事長 田久保忠衛 衆院解散に打って出た安倍晋三首相の念頭にあるのは、北朝鮮の核・ミサイル開発という未曽有の脅威に直面しながら、日本人の危機感は全体として極めて低いとの認識にほかならない。日本国民のかなりの部分は朝鮮半島情勢の緊迫などどこ吹く風だ。 残念ながら今の憲法も、その基になったメモ書きのマッカーサー・ノートも、日本人から「独立自存」の精神を奪うところに眼...
【第471回】リベラル色濃い希望の党
国基研理事長 櫻井よしこ 「ドナルド・トランプ米大統領のアジア歴訪が終了する11月中旬以降、米軍の準備が整えば、北朝鮮問題で何が起きても驚かない」と、政府要人が現状を分析した。 日本も極東も、高まり続ける緊張の中にある。10月22日の総選挙後に成立する内閣は、北朝鮮有事、中国の野望、米国の対日政策の変容に対応し、物理的、法的に国防力の強化を進めなければならない。 ...