公益財団法人 国家基本問題研究所
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今週の直言

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2019年12月の記事一覧

国基研副理事長 田久保忠衛    1年間を振り返ると、世界の戦後体制といわれるシステムに一大変化が生じつつある。それが正しいか正しくないか、既成の価値観に合致しているかいないか、などは関係がない。世界の指導者の中で、「私は民主主義のリーダーだ」などと言っているのは、既に政治的にレームダック(死に体)になってしまったドイツのメルケル首相くらいだ。  強権政治は中国、ロシア、北朝鮮...

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インド政策研究センター教授 ブラーマ・チェラニー    インド太平洋の16カ国で構成される東アジア地域包括的経済連携(RCEP)は、世界最大の貿易圏を生むはずだった。しかし、インドの離脱でその目標は崩れた。中国がRCEPの主導権を握るのは、今やほぼ確実に見える。  インドのRCEP離脱の主な要因は中国である。米ハーバード大学のグレアム・アリソン教授は中国を「世界で最も保護主義的...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授 西岡力    12月16日、東京とソウルで日韓関係をめぐり二つの動きがある。東京では戦略物資の輸出管理をめぐる日韓局長級対話が開かれる。報道によると、ソウルでは戦時労働者補償基金法案が韓国国会に提出される。日本の超党派国会議員がつくる日韓議員連盟の幹部らは、文喜相韓国国会議長が主導したこの法案に両国関係打開への期待をかける発言をしている。...

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参院議員 山谷えり子    今、世界第二の軍事・経済大国、中国によるチベット人やウイグル人の人権弾圧に、国際社会、特に欧米が厳しい視線を向けている。12月3日の米下院本会議では中国の新疆ウイグル自治区で少数民族のウイグル人を弾圧する中国当局に厳しい対応をとるようトランプ政権に求める「ウイグル人権法案」が賛成407、反対1の圧倒的多数で可決された。  この法案は、中国当局がウイグ...

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中部大学特任教授 細川昌彦    来週、日韓の輸出管理に関する局長級対話が開催されることに注目が集まっている。  今回の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を巡る騒動は韓国の独り相撲だった。当初、韓国の文在寅政権は日本の輸出管理強化への対抗措置としてGSOMIA破棄のカードを切った。そうすれば米国は破棄を回避するために韓国だけでなく日本へも働きかけ、日本を輸出管理強化の撤回へ追...

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国基研企画委員兼研究員・福井県立大学教授 島田洋一    イランのロウハニ大統領が近く訪日予定という。12月3日に大統領特使として来日し、安倍晋三首相と面会したイランの外務次官が希望を伝えた。その後、NHKの取材に応じた同次官は「日本はイランにとって経済的なパートナーだ。イランはずっと日本に原油を供給してきたし、日本はイランに技術を提供してきた。これまでと同様の関係を継続したい」...

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国基研企画委員兼研究員 太田文雄    11月23日、ローマ教皇フランシスコは日本へ向かう機中から中国、台湾、香港の指導者にメッセージを送った。香港ではキリスト教信者の一部が大規模デモの人道的解決へ向けて教皇の介入を求める署名活動を行っていたにもかかわらず、教皇は香港で抗議活動をする人達に言及しなかった。また、欧州国家のうちバチカンのみが外交関係を持つ台湾に対しても、儀礼的なメッ...

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国基研企画委員兼研究員・福井県立大学教授 島田洋一    11月24日、香港の区議会選挙で民主派が圧勝した。中国本土でも、公正な選挙が行われれば共産党が権力を失うだろうことを強く示唆する結果である。中国共産党政権(以下、中共)は、ますます言論抑圧、普通選挙の阻止に邁進するだろう。  11月27日、トランプ大統領の署名を経て、米国で香港人権民主法が成立した。香港の「市民的自由」と...

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