公益財団法人 国家基本問題研究所
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今週の直言

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国基研理事長 櫻井よしこ    新しい年、平成30年は、日本のみならず世界にとって大きな分岐点となる年だ。伝統的な米国の価値観と中国のそれがより顕著にせめぎ合う年と言ってよいだろう。日本の命運も大きく左右される変化の前で、あらゆる国のあらゆる人材が力を尽くす1年になる。国基研にとっては、創設以来掲げてきた憲法改正の実現に向けて、果敢に提言し続ける1年でもある。  ●米国...

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国基研企画委員兼研究員 冨山泰    2018年を迎えて、新年の国際情勢予想が欧米メディアをにぎわせている。焦点の一つは中国の影響力拡大であり、トランプ政権の米国第一主義によって生ずる世界秩序の空白を中国が埋めることを警戒する声が上がる一方で、中国の拡張主義への抵抗が世界各地で強まるという予測もあり、国際社会の先行きを不透明にしている。  ●地政学上の危機  中国への...

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国基研企画委員・麗澤大学客員教授 西岡力    12月27日、韓国外相直属の「慰安婦合意検証タスクフォース」が、慰安婦問題に関する日韓合意(平成27年12月28日)の検証結果を記載した報告書を発表した。韓国語の全文を通読したが、一言で言うと、国内の政争を外交に持ち込んだ、日本としてははた迷惑な内容だった。  ●政争の具に外交を使う  報告書は合意に対して4つの否定的評...

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国基研副理事長 田久保忠衛    今年を振り返って目立った国際情勢の特徴を挙げよと言われたら、無謀な核・ミサイル実験を続けてきた北朝鮮、「危険な台頭」をためらおうともしない中国、大統領の言動が予測不可能な米国の三カ国ということになろうか。北朝鮮と中国については日本における研究もかなり進んでいるが、同盟国として誰もがなじんでいるはずのトランプ政権の性格はいまだ正確に分析されてい...

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国基研企画委員・東京国際大学教授 大岩雄次郎    トランプ米大統領が公約した約30年ぶりの大幅な税制改革は、今週中にも上下両院で法案が可決される見通しである。各国が注目する法人税は2018年に現行の35%から21%へ引き下げられ、全体の減税規模は過去最大の10年間で1.5兆ドルと見込まれている。その財源は、減税による米経済の成長加速で得られる将来の歳入で賄うことを想定してい...

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国基研企画委員・麗澤大学客員教授 西岡力    私は最近、北朝鮮軍人による中国少数民族ウイグル人の武装勢力への武器密輸未遂事件があったという情報を中国筋から入手した。中朝関係が悪化の一途をたどっているのはこの事件の影響も少なからずあるという。事件の詳細は以下の通りだ。  ●大量の銃砲と弾を押収  9月8日午前1時20分ごろ、中国吉林省長白県で朝鮮人民軍の武器を積んだト...

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国基研副理事長・弁護士 髙池勝彦    12月6日、NHKの受信契約に関する最高裁大法廷の判決が出た。この事件は、テレビを設置した男性が、NHKから受信契約を締結して受信料を支払ふやう要求されて拒否したため、訴へられたものだ。平成23年のことである。私がこの男性の弁護を担当した。  放送法64条1項は、テレビを設置した者はNHKと「受信についての契約をしなければならない」と...

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国基研企画委員 太田文雄    11月29日、北朝鮮の国営報道は「米本土全域を攻撃できる新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)火星15号の発射実験に成功した」とし、「我々が目標としたミサイル兵器体系開発の完結段階に到達した」と報じた。しかし、今回の発射は通常より高く打ち上げるロフテッド軌道で行われており、通常軌道での発射実験はまだであることから「完結段階に到達」と結論づけるのは早い...

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国基研企画委員・麗澤大学客員教授 西岡力    「韓国人として恥ずかしい」「外交儀礼も知らないのか」「北朝鮮の核武装を阻止するため韓米日の連携が今くらい必要な時はないのに、逆をしている」。11月中旬に私と会った韓国保守派のリーダーらは、韓国の文在寅政権がトランプ米大統領訪問時に晩餐会で、「独島エビ」をメニューに加え、元慰安婦をトランプ大統領と抱擁させたことを口々に批判した。  ...

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国基研副理事長 田久保忠衛    トランプ米大統領のあら探しを最初から虎視眈々たんたんと狙ってきたリベラル系新聞の酷評は割り引いて読まなければならないとしても、今回のアジア大旅行は米国本来の指導性に欠けていた。  中国訪問の大きな目玉は、①米中貿易の不均衡を是正する②北朝鮮の核・ミサイル実験をやめさせるため中国により重要な役割を担わせる―の2点だったが、前者はひどい失敗だった。...

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