公益財団法人 国家基本問題研究所
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今週の直言

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国基研副理事長 田久保忠衛    トランプ米大統領のあら探しを最初から虎視眈々たんたんと狙ってきたリベラル系新聞の酷評は割り引いて読まなければならないとしても、今回のアジア大旅行は米国本来の指導性に欠けていた。  中国訪問の大きな目玉は、①米中貿易の不均衡を是正する②北朝鮮の核・ミサイル実験をやめさせるため中国により重要な役割を担わせる―の2点だったが、前者はひどい失敗だった。...

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国基研企画委員 湯浅博    ベトナム中部ダナンで開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)で、「インド太平洋」戦略を掲げて巻き返しを図る米国と、「一帯一路」構想の実利で磁場を広げる中国が激突した。とくに環太平洋経済連携協定(TPP)離脱でアジア関与が疑われたトランプ米大統領は、11月10日の演説で初めて「インド太平洋」という地理的概念を多用し、経済を語りながら安全保障への関...

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国基研企画委員・麗澤大学客員教授 西岡力    11月6日、来日中のトランプ米大統領が北朝鮮による拉致被害者家族会メンバーと面会した。大統領は、愛する肉親を北朝鮮に奪われて40年も会うことができない拉致の深刻さについて、当事者の説明を真剣に聞いて深く理解し、「安倍晋三首相と協力して被害者が家族の元に帰れるよう努力する」と明言した。  早ければ年末から来年にかけて軍事衝突さえも想...

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国基研理事・明星大学特別教授 髙橋史朗    パリで開催された国連教育科学文化機関(ユネスコ)の国際諮問委員会(IAC)が、日中韓を含む8カ国の民間団体などによって共同申請された慰安婦資料の「世界の記憶」登録を見送ったことが分かった。最終的にはユネスコのボコバ事務局長がIACの勧告を受けて登録の是非について判断することになる。IACの決定は、10月18日にユネスコ執行委員会が「世...

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国基研副理事長 田久保忠衛    トランプ米大統領は11月3日から14日まで12日間にわたって日本、韓国、中国、ベトナム、フィリピンのアジア5カ国を訪問する。米国にとって日本、韓国、フィリピンの3カ国は同盟国、ベトナムは新たな「戦略的パートナー」だ。そこにアジアの大国としての中国を加えたのは、朝鮮半島の今後に中国が重大な役割を担うと米国が判断しているからだ。米政府は中国に圧力をか...

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国基研理事・政治評論家 屋山太郎    「一強多弱」の状況は今回の総選挙で変わらなかった。しかし、野党第1党だった民進党が希望の党と立憲民主党に分裂したことによって、政界の在り方や国会運営の手法が基本的に変わるだろう。何でも反対という共産党主導の「全野党共闘」は終焉した。恐らく立憲民主党と共産党の共闘は続くだろうが、これまでとは全く違う様相になるだろう。憲法改正をめぐる国会の審査...

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国基研理事・明星大学特別教授 髙橋史朗    10月12日、米政府は国連教育科学文化機関(ユネスコ)から脱退すると発表した。ユネスコが今年7月、イスラム圏7カ国から共同申請されたパレスチナ自治区のヘブロン旧市街の世界遺産登録を決定するなど、「反イスラエル」的姿勢を続けていることに反発したものである。イスラエルも米国に追随し、ユネスコから脱退することを明らかにした。  米国の脱退...

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国基研企画委員・麗澤大学客員教授 西岡力    朝鮮労働党創建記念日である10月10日に、北朝鮮はミサイル発射や核実験など軍事挑発を行わなかった。しかし、金正恩政権は米本土まで届く核ミサイル保有に向けて邁進する姿勢を変えていないので、米朝の軍事的緊張が一層高まっていくことは間違いない。記念日に先立つ党幹部人事で明らかになったのは、北朝鮮内部で対米強硬路線に対する不安、動揺が出てお...

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国基研理事長 櫻井よしこ    「国会議員になって驚いたのは、起きてほしくないことは起きないという前提で議論する政治家がいたこと」。これは安倍晋三首相の側近の一人、高市早苗前総務相の言葉だ。何でも起き得るのが国際政治の現実であり、政治家はそのために常に国際情勢に正対し、予断や希望的観測を排しなければならない。それが出来ない政治家が多いという高市氏の苦言は、この瞬間の日本の現状にあ...

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国基研副理事長 田久保忠衛    衆院解散に打って出た安倍晋三首相の念頭にあるのは、北朝鮮の核・ミサイル開発という未曽有の脅威に直面しながら、日本人の危機感は全体として極めて低いとの認識にほかならない。日本国民のかなりの部分は朝鮮半島情勢の緊迫などどこ吹く風だ。  残念ながら今の憲法も、その基になったメモ書きのマッカーサー・ノートも、日本人から「独立自存」の精神を奪うところに眼...

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