公益財団法人 国家基本問題研究所
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今週の直言

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授 西岡力    日韓関係が悪化の一途をたどっている。私は13日からソウルで状況を取材している。韓国保守派の有力者は口をそろえて「文在寅政権の反日政策は反米・親北政策と一体であり、文在寅大統領の周囲を固める転向していない主体思想派(金日成主義者)の革命家たちが日米韓同盟を弱体化することを戦略目標として今の反日政策を進めている」と説明した。 ...

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国基研理事・企画委員 石川弘修    国家基本問題研究所は、今年の日本研究賞の特別賞を現代史家の秦郁彦氏の英訳本 Comfort Women and Sex in the Battle Zone(慰安婦と戦場の性、米ハミルトンブックス)に授与した。奨励賞には、神戸大大学院法学研究科・簑原俊洋教授の「アメリカの排日運動と日米関係 『排日移民法』はなぜ成立したか」(朝日新聞出版)と、...

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国基研企画委員兼研究員 太田文雄    9日、ダンフォード米統合参謀本部議長(海兵隊大将)が、ペルシャ湾の出入り口のホルムズ海峡や紅海の出入り口のバブエルマンデブ海峡におけるタンカーなどの航行の安全確保のため、数週間以内に同盟諸国の軍と有志連合を結成し海上護衛活動を行う考えを明らかにした。議長は「指揮統制を行う旗艦は米国が提供するが、実際の哨戒と護衛は各国によって行われる」として...

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水産ジャーナリスト 梅崎義人    日本政府は昨年12月31日に国際捕鯨委員会(IWC)に脱退を通告、半年後の今年6月30日に効力が生じたため、7月1日から日本の200カイリ内(排他的経済水域)で商業捕鯨を31年ぶりに再開した。  昨年12月に遡るが、日本がIWCからの脱退を表明した時のメディアの扱いぶりには大いに失望した。大手メディアは揃そろって批判的に扱った。「国際協調の精...

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国基研副理事長 田久保忠衛    月刊「正論」1月号のコラム「激流世界を読む」の拙文の最後を、「ペリーの黒船、第2次大戦の敗戦と、米国に2度運命を変えられた日本に、第3の黒船が太平洋の彼方から近づいてくるのかも知れない」で結んだが、黒船はやってきた。にもかかわらず、日本の対応は政府・与党もマスメディアの大方も見当外れだ。  ●大統領発言は米国の総意  トランプ米大統領が私...

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国基研企画委員兼主任研究員 湯浅博    リーマン・ショック後の多国間協調を図る20カ国・地域首脳会議(G20サミット)は調整機能が低下しており、米中対立の行方が会議全体の流れを支配する。再選を目指すトランプ大統領は米中首脳会談での決裂を避け、関税戦争では表面的な歩み寄りを図るだろう。だが、ハイテク覇権争いは持ち越され、相互不信から「価値観の衝突」へと突き進んで、対立がより深く長...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授 西岡力    香港で中国共産党の抑圧体制下に入ることを拒否する大規模な抗議行動が起きた。香港政庁が進める「逃亡犯条例」改正案が実現すると、自由を求める香港人が中国共産党に引き渡されかねないため、人口700万人の香港で100万人以上が街頭デモに参加した。香港政庁は15日、改正案の審議の延期を決めたが、撤回ではない点や、デモを「暴動」と位置づ...

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国基研企画委員兼主任研究員 湯浅博    ホルムズ海峡近くで日本のタンカーなど2隻を攻撃したのは誰か。米国はイランを非難し、イランは関与を否定する。安倍晋三首相のイラン訪問中に起きたこの事件は、イランと日本を引き裂こうとする勢力の仕業であろう。しかし、安倍首相のイラン外交は、米国とイランによる偶発戦争を回避し、緊張を緩和するための重要な一歩であった。両国間の緊張を高め、軍事衝突を...

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国基研企画委員兼研究員 太田文雄    6日、北方領土を戦争で取り戻す趣旨の発言をした丸山穂高衆院議員(日本維新の会から除名)に対する糾弾決議が衆院で可決された。実際には、核兵器を持たない日本が核大国のロシアとの戦争で北方領土を取り戻せる可能性はゼロに等しい。  一方、2日、シンガポールにおけるアジア安全保障会議(シャングリラ対話)で、中国の魏鳳和国防相が台湾独立の動きに対して...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授 西岡力    初の米朝首脳会談がシンガポールで行われてから12日で1年となる。会談結果には多くの批判が向けられた。だが、私は米国が安易な譲歩をしなかったことを肯定的に評価した。私の評価が大枠で正しかったことは今や明らかになったと考える。  ●安易な譲歩を排した首脳会談  当時、多くの論者が、トランプ米大統領は北朝鮮のグロテスクな個...

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