公益財団法人 国家基本問題研究所
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今週の直言

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授 西岡力    8月2日、我が国政府が韓国を輸出優遇国から除外する措置を決めたのに対し、韓国の文在寅大統領は「非常なる外交・経済状況」が発生したとして臨時閣議を主宰し、冒頭発言で日本を非難した。しかし、その主張は事実関係を歪曲し、国際法の解釈をねじ曲げるものだった。  文大統領は日本の措置を「最高裁の強制徴用判決に対する明白な貿易報復だ」...

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国基研企画委員兼研究員 冨山泰    来年の米大統領選挙で民主党がホワイトハウスを奪還すれば新政権の外交・安全保障チームの中核を占めそうな元政府高官2人が、中国との「共存」を呼び掛ける論文を米外交専門誌フォーリン・アフェアーズ(2019年9~10月号)に連名で発表した。トランプ政権と議会の超党派議員が中国への強硬姿勢を堅持する中で、中国との対決を嫌う政治勢力が巻き返しに乗り出した...

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国基研企画委員兼研究員 太田文雄    24日に4年ぶりの中国国防白書が公表された。2015年末以降の人民解放軍の機構改革後、初めてまとめられた白書である。そのためか「新時代における中国の国防」というタイトルになっており、改革後に新設された五つの戦区内にある集団軍の番号や艦隊名が示されている。その意味では多少透明度が増したと言えるが、西側の同種の白書に比べれば透明度は極端に低い。...

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中部大学特任教授 細川昌彦    なぜ韓国の問題になると日本の報道は歪むのか。「半導体材料の事実上の禁輸」との報道や「世界貿易機関(WTO)協定違反の疑い」との批判もあった。いずれも輸出管理制度への無理解からくる誤解によるものだ。  国内では朝鮮人戦時労働者の問題を巡って、韓国への対抗措置を求める声が高まっていたので、今回の措置を事実上の対抗措置と見る人もいた。メディアはそれを...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授 西岡力    日韓関係が悪化の一途をたどっている。私は13日からソウルで状況を取材している。韓国保守派の有力者は口をそろえて「文在寅政権の反日政策は反米・親北政策と一体であり、文在寅大統領の周囲を固める転向していない主体思想派(金日成主義者)の革命家たちが日米韓同盟を弱体化することを戦略目標として今の反日政策を進めている」と説明した。 ...

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国基研理事・企画委員 石川弘修    国家基本問題研究所は、今年の日本研究賞の特別賞を現代史家の秦郁彦氏の英訳本 Comfort Women and Sex in the Battle Zone(慰安婦と戦場の性、米ハミルトンブックス)に授与した。奨励賞には、神戸大大学院法学研究科・簑原俊洋教授の「アメリカの排日運動と日米関係 『排日移民法』はなぜ成立したか」(朝日新聞出版)と、...

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国基研企画委員兼研究員 太田文雄    9日、ダンフォード米統合参謀本部議長(海兵隊大将)が、ペルシャ湾の出入り口のホルムズ海峡や紅海の出入り口のバブエルマンデブ海峡におけるタンカーなどの航行の安全確保のため、数週間以内に同盟諸国の軍と有志連合を結成し海上護衛活動を行う考えを明らかにした。議長は「指揮統制を行う旗艦は米国が提供するが、実際の哨戒と護衛は各国によって行われる」として...

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水産ジャーナリスト 梅崎義人    日本政府は昨年12月31日に国際捕鯨委員会(IWC)に脱退を通告、半年後の今年6月30日に効力が生じたため、7月1日から日本の200カイリ内(排他的経済水域)で商業捕鯨を31年ぶりに再開した。  昨年12月に遡るが、日本がIWCからの脱退を表明した時のメディアの扱いぶりには大いに失望した。大手メディアは揃そろって批判的に扱った。「国際協調の精...

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国基研副理事長 田久保忠衛    月刊「正論」1月号のコラム「激流世界を読む」の拙文の最後を、「ペリーの黒船、第2次大戦の敗戦と、米国に2度運命を変えられた日本に、第3の黒船が太平洋の彼方から近づいてくるのかも知れない」で結んだが、黒船はやってきた。にもかかわらず、日本の対応は政府・与党もマスメディアの大方も見当外れだ。  ●大統領発言は米国の総意  トランプ米大統領が私...

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国基研企画委員兼主任研究員 湯浅博    リーマン・ショック後の多国間協調を図る20カ国・地域首脳会議(G20サミット)は調整機能が低下しており、米中対立の行方が会議全体の流れを支配する。再選を目指すトランプ大統領は米中首脳会談での決裂を避け、関税戦争では表面的な歩み寄りを図るだろう。だが、ハイテク覇権争いは持ち越され、相互不信から「価値観の衝突」へと突き進んで、対立がより深く長...

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