公益財団法人 国家基本問題研究所
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今週の直言

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国基研企画委員兼研究員 大岩雄次郎    米中両国は2年にも及んだ交渉の末、1月15日、「第1段階」の経済・貿易協定に署名した。「第1段階」であることが今回の合意の成果を象徴している。  協定内容の実体的なインパクトはそれほど大きくない半面、「第2段階」の合意についての不確実性は極めて大きく、予断を許さない状況と言えよう。  ●「合意」という名の一次休戦  「第1段階」...

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国基研理事長 櫻井よしこ    鮮やかな勝利だった。台湾総統の蔡英文氏は史上最高の817万余票、57%強の得票率で再選された。中国国家主席、習近平氏が台湾に強要を試みた「中台統一」と「一国二制度」は、台湾の民意に完膚なきまでに否定された。  1年前の1月2日、習氏が「統一は必然」であり「実現されなければならない」と語ったとき、蔡氏は直ちに「絶対に受け入れない」と拒否した。有権者...

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国基研企画委員兼研究員 冨山泰    米有力紙ウォール・ストリート・ジャーナルが、保釈中に日本から逃亡した日産自動車の元会長カルロス・ゴーン被告を擁護する社説を立て続けに掲載した。①日本の司法制度は不当なので国外逃亡を非難できない②ゴーン被告の記者会見での無罪主張には説得力があった―とする内容だ。同紙は国際的影響力が大きいだけに、看過できない。  ●社説で国外逃亡を正当化 ...

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国基研企画委員兼研究員 太田文雄    10日、河野太郎防衛相は海上自衛隊の護衛艦と哨戒機に中東海域への派遣命令を出した。  米イラン関係の緊張の高まりを受け、大半の野党は派遣に反対するが、日本の原油輸入量の約9割を依存する中東海上交通路の安全確保に日本が参画しなくて良いのかという疑問には答えない。  米国は中東への軍増派を決めた。日本が「安保ただ乗り」をしていれば、いつ再び...

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国基研理事・麗澤大学大学院特任教授 髙橋史朗    改正児童虐待防止法が4月に施行されるのを前に、厚生労働省は昨年12月3日、体罰に関する指針案を公表した。広く国民の意見を聴いたうえで、3月に指針を確定する。指針案には「身体に何らかの苦痛又は不快感を引き起こす行為(罰)は、どんなに軽いものでも体罰に該当し、法律で禁止する」とある。しかし、「体罰」と自立心や忍耐力、基本的生活習慣を...

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国基研理事長 櫻井よしこ    令和の時代の日本は、国家の基本にまつわる重要かつ困難な課題をひとつまたひとつと解決していかなければならない。パクスアメリカーナ(米国による平和)の下で労せずして平和の配当を得た平成の30年間とは対照的に、私たちは自らの手で日本国と国民、国益を守る力を養わなければならない。  令和元年は北朝鮮による断続的なミサイル発射で始まった。2年は米国によるイ...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授 西岡力    北朝鮮では昨年12月28日から4日間、労働党中央委員会全体会議が開かれた。本来なら党中央委員と同候補の300人で行う会議だが、今回は中央委員候補より下の党、行政機関、軍の幹部が全国から平壌に集められ、傍聴席を埋めたので、約2000人に膨れ上がった。  会議では金正恩委員長が約7時間、報告演説をした。その内容は一言で言うと「...

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国基研副理事長 田久保忠衛    1年間を振り返ると、世界の戦後体制といわれるシステムに一大変化が生じつつある。それが正しいか正しくないか、既成の価値観に合致しているかいないか、などは関係がない。世界の指導者の中で、「私は民主主義のリーダーだ」などと言っているのは、既に政治的にレームダック(死に体)になってしまったドイツのメルケル首相くらいだ。  強権政治は中国、ロシア、北朝鮮...

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インド政策研究センター教授 ブラーマ・チェラニー    インド太平洋の16カ国で構成される東アジア地域包括的経済連携(RCEP)は、世界最大の貿易圏を生むはずだった。しかし、インドの離脱でその目標は崩れた。中国がRCEPの主導権を握るのは、今やほぼ確実に見える。  インドのRCEP離脱の主な要因は中国である。米ハーバード大学のグレアム・アリソン教授は中国を「世界で最も保護主義的...

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国基研企画委員兼研究員・麗澤大学客員教授 西岡力    12月16日、東京とソウルで日韓関係をめぐり二つの動きがある。東京では戦略物資の輸出管理をめぐる日韓局長級対話が開かれる。報道によると、ソウルでは戦時労働者補償基金法案が韓国国会に提出される。日本の超党派国会議員がつくる日韓議員連盟の幹部らは、文喜相韓国国会議長が主導したこの法案に両国関係打開への期待をかける発言をしている。...

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