2026年10月の記事一覧
【第1411回】見逃せない米韓関係悪化
国基研企画委員兼研究員・麗澤大学特任教授 西岡力 韓国の李在明政権と米国との関係の悪化が公然化してきた。米国の情報機関が韓国政権内の親北朝鮮派に対して不信任のメッセージを繰り返し送っているが、李在明大統領は親北派をかばい続け、韓国内の保守派から激しい批判を浴びている。 ●きっかけは機密情報の暴露 始まりは3月6日、国会で鄭東泳統一相が北朝鮮の濃縮ウラン製造施設...
【第1410回】自ら国を守る覚悟を台湾に学べ
国基研副理事長・元陸上幕僚長 岩田清文 「中国の経済的威圧が強まる中、日本と台湾は軍民両用部品の分野で『信頼の供給網』を共に築くべきだ」―。台北で10月11日、台湾のシンクタンク「印太戦略智庫」と国家基本問題研究所が共催した「日台科学技術未来フォーラム」で筆者がこう訴えると、会場から賛同が寄せられた。中央通信社や自由時報など台湾の有力マスコミも報じている。翌日、表敬した頼清...
【第1409回】待ったなしのスパイ防止法制定
国基研企画委員・産経新聞特別記者 有元隆志 ロシア連邦保安局(FSB)が北海道新聞ユジノサハリンスク支局の男性特派員をスパイ容疑で拘束し、モスクワへ連行した映像は、主権国家としての日本の脆弱さを白日の下に晒した。中国では反スパイ法の下でビジネス関係者を含む邦人の拘束が相次ぎ、イランなどでも恣意的な身柄拘束が起きている。 権威主義国家が邦人を不当に拘束する「人質外交」を平...
【第1408回】中国の日本孤立化戦略を失敗させた高市外交
国基研企画委員・明星大学教授・内閣官房参与 細川昌彦 香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは10月8日、9月の米中首脳会談でトランプ大統領が習近平国家主席に対し、レアアースなどの対日輸出規制の撤回を求めたと報じた。日本からの部品・素材供給に依存する米国産業にも悪影響が及び、米中貿易休戦にも間接的に違反すると主張したという。習氏はこれに応じず、日本の軍国主義化への警戒...
【第1407回】北朝鮮経済回復説は事実に反する
国基研企画委員兼研究員・麗澤大学特任教授 西岡力 9月21日から25日、私は北朝鮮拉致被害者の家族会、支援団体「救う会」、拉致議連から成る代表団の一員として訪米した。政府高官、上下両院議員、専門家と13の面会を行ったが、日本人拉致問題解決への協力を惜しまないという超党派的な姿勢を再確認できた。だから、トランプ米大統領が公言しているように、米朝首脳会談が年内にあれば、拉致問題...
【第1406回】増える税収を民間に還元せよ
国基研企画委員・産経新聞特別記者 田村秀男 5日から秋の臨時国会が始まり、食料品消費税減税法案の審議に入る。編成作業が進む来年度予算と相まって、高市早苗政権の「責任ある積極財政」路線の正念場だが、片山さつき財務相は「高市首相はリフレ派ではない」とことさらに強調する。片山氏は円安是正を求めるトランプ米政権や金融市場の反応を念頭に置いているのだろうが、反リフレを強調する余り緊縮...
【第1405回】中部電力不正の一因は原子力規制委にあり
国基研理事・北海道大学名誉教授 奈良林 直 9月14日、中部電力耐震評価不正に関する調査委員会の報告書が公開された。結語において、データ改ざんの具体的指摘に加え、原子力規制委員会が仮想の震源断層の上端の深さを5キロと浅いところに設定することを要求したと明記され、過剰規制が示唆された。 つまり、規制委の強引な要求が原因となり、耐震設計の基準となる地震の揺れが極端に大きくな...
【第1404回】歴史の虚構と地政学の罠が潜む米中会談
国基研企画委員兼研究員 湯浅博 ワシントンでの米中首脳会談は、綿密な計算と華やかな演出の政治劇という印象を残して幕を閉じた。11月の米中間選挙を控えるトランプ大統領と、10月下旬の中国共産党中央委員会第5回全体会議(五中全会)を控える習近平国家主席には、国内向けにそれぞれ「世界を仕切る指導者」であることを誇示すべき理由があり、実質的な「成果なし」との冷ややかな批判に晒された...
【第1403回】日銀は高市成長戦略の流れを止めるな
国基研企画委員・産経新聞特別記者 田村秀男 日本銀行は9月18日の金融政策決定会合で、政策金利を0.25%引き上げ、1.25%とすることを決めた。24日から適用する。政策金利は慢性デフレ不況に陥る直前の1995年以来31年ぶりの高さとなる。植田和男日銀総裁は今後の連続利上げや大幅利上げの可能性を示唆しているが、高市早苗政権が主導する日本経済再生の流れを止めてはならない。 ...
【第1402回】「仕事師内閣」に期待する
国基研企画委員・産経新聞特別記者 有元隆志 第2次高市改造内閣が大型連休明けの24日から本格始動する。内閣改造報道では、とかく党内力学など政局の文脈で論じられがちだが、今回の人事をみると、高市早苗首相が自民党所属議員に配布した役職希望アンケートを踏まえ、政策本位の適材適所を徹底したことが伺える。 かつての派閥全盛期にみられた「これから勉強します」といった生半可な就任会見は...
【第1401回】沖縄知事選勝利の古謝氏に期待する
国基研企画委員・産経新聞特別記者 有元隆志 13日投開票の沖縄県知事選で、自民党などが推薦した前那覇市副市長の新人、古謝玄太氏(42)が勝利したことで、長きにわたり国と対立してきた「オール沖縄」県政がようやく終焉を迎える。現実的な安全保障政策と経済発展を両立させる道筋が開かれる意義は極めて大きい。 古謝氏勝利がもたらす最大の効果は、沖縄の防衛基盤の強化と基地問題の前進だ...
【第1400回】高市成長戦略はリフレ政策に非ず
国基研企画委員・産経新聞特別記者 田村秀男 米国で開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議後の記者会見(9月1日)で、ベセント米財務長官が日本に関し、「リフレ政策をやめるべきだ」と言明した。日銀は9月17、18日に金融政策決定会合を控えている。秋の臨時国会には高市早苗政権が閣議決定した食料品消費税減税法案が提出される。来年度予算の編成作業も始まった。このタイ...
【第1399回】台湾の現状維持は日本の国益
国基研副理事長・元陸上幕僚長 岩田清文 ●台湾喪失は日本の土台を揺るがす 台湾が中国の支配下に入れば、日本の安全保障環境は取り返しのつかない形で悪化する。台湾は、日本からフィリピンへ連なる第1列島線のほぼ中央に位置し、中国にとっては西太平洋へ進出するための扉であり、日本にとってはそれを防ぐ防波堤である。この防波堤が崩れれば、中国は日本の南西諸島を広く射程に収めるミサイル...
【第1398回】「法の支配」支持は日本外交の基本
国基研理事・元統合幕僚監部首席法務官 黒澤聖二 米国務省は国際刑事裁判所(ICC)の赤根智子所長らに対し、米国内資産の凍結やクレジットカードの利用停止などの制裁措置を発動した。ICCは、国際法違反の犯罪者を訴追・処罰するため2002年に設立された常設国際刑事法廷である。わが国は設立当初から加盟し、裁判官を送り続け、最大の分担金拠出国として支えてきた。国際社会における「法の支...
【第1397回】米朝首脳会談を拉致解決のチャンスにせよ
国基研企画委員兼研究員・麗澤大学特任教授 西岡力 米朝首脳会談が開催される可能性が浮上した。核問題で合意が成立すれば、日朝首脳会談が開かれ、日本人拉致被害者を取り戻すチャンスが来る。 ●北は9月以降の会談模索 トランプ米大統領は8月16日、翌日始まる米韓合同軍事演習について「全く不適切で敵対的なシグナルを送っている」として、その大幅縮小を命じた。 このタイミ...
【第1396回】ロシアの暴挙にウクライナ支援で応えよ
国基研副理事長・元陸上幕僚長 岩田清文 8月13日、ロシアのプーチン大統領は日本の北方領土の択捉島に上陸した。ロシア大統領の同島上陸は初めてである。 その前日、プーチン氏は13年ぶりにサハリン州を訪れ、「(北方領土の地位は)第2次世界大戦の結果として国際文書に明記された」と述べ、領土問題の「解決済み」を強調した。同時期に行われていたロシア太平洋艦隊の大規模演習を視察した...
【第1395回】石破氏の高市減税批判は言いがかりだ
国基研企画委員・産経新聞特別記者 田村秀男 戦後81年を過ぎた。日本は1968年に米国に次ぐ経済超大国に上り詰めたが、90年代後半からは長期経済停滞局面に入り、いまだに抜け切れない。それは「第2の敗戦」とも称されるが、元凶は硬直的な緊縮財政至上主義にある。 緊縮財政至上主義の源流は、いわゆる平和憲法と同時に制定された財政法にある。国債が戦前・戦中の軍拡の財源になったとの...
【第1394回】防衛白書に見る「核」への思考停止
国基研企画委員・麗澤大学特別教授 織田邦男 8月4日、令和8年版防衛白書が公表された。「戦後最大の試練の時」との脅威認識は的確だが、それに見合う議論が伴っているとは言い難い。第一に、三正面の核保有国(中国、北朝鮮、ロシア)に囲まれた構図を自ら描きながら、米国の「核の傘」の信頼性に関する議論がない。第二に、継戦能力の重要性をウクライナ戦争の戦訓として掲げながら、弾薬備蓄や継戦...
【第1393回】永住許可厳格化へ「在留10年」も見直せ
国基研企画委員・麗澤大学特任教授 西岡力 政府は外国人の永住許可要件を厳格化する方針を固めた。年収が日本人世帯の平均を上回ることや、年金の受給見込み額が厚生年金に30年加入した場合の標準的な受給額に達していることを原則として求める。10月1日付でガイドラインを改定し、来年4月の申請分から原則適用するという。 今回の方針に賛成だ。ただし、永住許可者急増の根本的な理由は、平...
【第1392回】首相は粛々と減税と成長戦略を実行せよ
国基研企画委員・産経新聞特別記者 田村秀男 高市早苗首相は7月30日、現在8%の食料品の消費税率を来年4月から2年間、1%に引き下げる意向を表明した。部分的にせよ消費税率を引き下げるのは1989年4月の導入以来初めてだ。先の衆院選での公約に沿った当然の決断だが、足元の自民党内では反対論が噴出し、有力全国紙も社説などで執拗に批判する。これらに共通する主な論拠は、社会保障財源で...
【第1391回】日越原子力協力を推進しよう
国基研理事・北海道大学名誉教授 奈良林 直 停滞していた日本とベトナムの原子力協力が復活へ向けて動きだした。5月の高市早苗首相の訪越で、日越両国は原子力分野の協力の可能性について協議を促進することで一致した。それを受けて今月、ハノイで筆者らと面会したベトナム原子力研究所の所長は、小型モジュール炉(SMR)の日本との開発協力に強い意欲を示した。 ●小型モジュール炉の共...
【第1390回】成長促進へ画期的な骨太方針2026
国基研企画委員・京都大学大学院客員教授 本田悦朗 いわゆる「骨太方針」とは、経済財政運営の基本方針を定めると同時に、「中長期経済財政計画」(今回は2027~40年度)、及び翌年度(2027年度)の予算編成に向けた考え方を示すものであり、毎年6~7月(本年は7月21日)に閣議決定される。今回は「強い経済」を目指す高市早苗政権下で最初の骨太方針であり、予想通り、成長促進の観点か...
【第1389回】「核のタブー」を完全打破せよ
国基研企画委員・産経新聞特別記者 有元隆志 年末に予定される国家安全保障戦略など戦略3文書の改定に向け、小泉進次郎防衛相が国家基本問題研究所の櫻井よしこ理事長主宰のインターネット番組「言論テレビ」で「核政策に関するタブーなき国民的議論」の必要性を訴えた。当研究所が本年4月に発出した「日本が再び核攻撃を受けないために何が必要か、政府主導で議論を起こすことを『国家安全保障戦略』...
【第1388回】防衛費増額の財源に建設国債を活用せよ
国基研企画委員・産経新聞特別記者 田村秀男 2022年末に岸田文雄政権が発表した国家安全保障戦略は、防衛関連費を国内総生産(GDP)の2%とする目標を掲げ、同時に発表した防衛力整備計画で、必要な総額を5年間で43兆円程度と設定した。高市早苗政権は、今年末にこれら文書の改定を予定しているが、防衛費増額へ向けて避けて通れないのが、財源をどうやって確保するかの議論である。 ...
【第1387回】3回の危機を乗り越えた皇室の伝統
国基研企画委員・麗澤大学特任教授 江崎道朗 改正皇室典範が参議院本会議で可決、成立した2026年7月18日は、歴史的な日となった。 現行の皇室典範は先の大戦後、現行憲法の下で整備されたものであり、その第1条は明治の皇室典範を引き継ぎ、「皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する」と明記している。現行憲法下でも認められたこの皇室の伝統は近年、3回の危機に直面したが、...
【第1386回】中国、SLBM実射で核3本柱確立へ
国基研研究員 中川真紀 中国は7月6日、海軍の戦略原子力潜水艦(SSBN)により潜水艦発射型戦略ミサイル(SLBM)を太平洋公海に向けて発射、正確に予定海域に着弾させたと公表した。これは2024年にロケット軍がサイロ装填用の大陸間弾道ミサイル(ICBM)を太平洋公海へ実射したのに続く、ミニマムエナジー軌道(最も効率的な飛翔パターン)による戦略核ミサイルの発射であり、「トライ...
【第1385回】現下の円安は成長投資の好機である
国基研企画委員・産経新聞特別記者 田村秀男 現下の円安は強い日本経済再構築の追い風と見るべきだ。円売りを仕掛ける強欲な為替投機筋の思惑に動じる必要はない。 ●国力を増す戦略17分野 円安は日本での生産を有利にし、産業界の海外投資志向の転換を促す。高市早苗政権は戦略17分野を挙げ、官民一体となった投資と取り組んでいる。17分野は人工知能(AI)、先端半導体、データ...
【第1384回】新段階に入った日印の戦略的関係
国基研企画委員・明星大学教授・内閣官房参与 細川昌彦 高市早苗首相による7月1~3日のインド訪問。明らかに日印関係を新たな段階に導くことに成功したと評価できよう。安全保障、経済安保、経済交流の3本柱について首脳間で基本方針を共有し、具体的プロジェクトもスタートした。高市首相初の官民ミッションであるが、150社以上という多数の企業が参加し、協力協定を締結した。産業界の熱気は明...
【第1383回】ガラパゴス国会を猛省せよ
国基研企画委員・産経新聞特別記者 有元隆志 高市早苗首相が7月にトルコで開催される北大西洋条約機構(NATO)首脳会議への出席を見送ることになった。理由は「会期末の国会日程を優先するため」だという。昨年の石破茂前首相に続き、またしても日本の首相は内政の都合を理由に安全保障を議論する外交舞台を欠席する。国際社会における日本の存在感を自ら貶めるこの愚行をいつまで続けるつもりか。...
【第1382回】中国の邦人拘束の背景にモーター技術
国基研企画委員・明星大学教授・内閣官房参与 細川昌彦 中国で先月、日本人2人が当局に拘束されたことが24日明らかになった。2人は富士電機の社員で、レアアース(希土類)製品の輸出に関して「国家輸出入禁止貨物密輸罪」違反容疑をかけられたと見られている。 ●反スパイ法事件とは異なる狙い 日本の中国専門家の中には、今回の拘束が反スパイ法ではなく、上記密輸罪を適用している...
【第1381回】米国の変化は日本のチャンス
国基研理事長 櫻井よしこ 米・イラン戦争停戦の覚書は、米国の政治的敗北を印象づけた。比類ない軍事力でイランを圧倒したにもかかわらず、眼前の中間選挙、株式市場、油価に影響された「弱い立場からの交渉」の結果だと米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは批判した。 戦略なき軍事力行使の限界は、最も困難な状況に陥った局面でトランプ氏が長年の同盟国、例えばイスラエルのネタニヤフ首相を...
【第1380回】政府は日銀に国策との整合性を求めよ
国基研企画委員・産経新聞特別記者 田村秀男 日本銀行は16日、政策金利を0.25%引き上げ、31年ぶりの水準である1%としたばかりか、さらに利上げを重ねる構えである。需要が依然として脆弱な状況下で利上げを先行させると、景気の停滞を招きかねない。すると、高市早苗政権がめざす国内投資促進による経済再生に冷や水がかかる。日銀には国家の政策との整合性が問われる。 ●不可解な...
【第1379回】米国をアジアから引かせてはならない
国基研副理事長・元陸上幕僚長 岩田清文 60日間の停戦合意が一応成立したイラン戦争は、トランプ米政権の戦略上の矛盾を鮮明にした。米国は、南北米大陸を中心とする西半球の重視を唱えながらも、現実には中東に深く引き込まれ、イランの核兵器保有阻止やホルムズ海峡の再開のために、軍事・外交資源を大きく費やした。こうした中東への資源投入が、米国の対中抑止に本来振り向けるべき戦力をそぎ、結...
【第1378回】習氏は何をしに平壌に行ったのか
国基研企画委員・麗澤大学特任教授 西岡力 6月8~9日、中国の習近平国家主席が平壌を訪問した。北朝鮮の金正恩委員長は米国から攻撃される場合に中国軍の介入を望み、習氏は台湾侵略に備えて北朝鮮軍の協力を求め、両者の思惑が一定程度一致したので訪朝が実現した。 両国の国防相が異例にも首脳会談に同席した。首脳会談に関する中国側発表に「軍隊の交流を強化する」「それぞれの安全保障を断...
【第1377回】国際会議で示した日本の主体的な安保戦略
国基研企画委員・元陸上幕僚長 岩田清文 5月末に開催されたアジア安全保障会議(シャングリラ会合)の第一の意義は、米国が「米国は太平洋の国だ」と強調し、第一列島線(日本~台湾~フィリピン)沿いの「拒否的抑止」(攻撃しても成功しないと相手に思わせ、攻撃を断念させること)に焦点を当てると明言した点にある。 ヘグセス米国防長官は、中国の「歴史的な軍拡」と活動拡大に強い警戒感を示...
【第1376回】日銀利上げに重大疑義あり
国基研企画委員・産経新聞特別記者 田村秀男 日本銀行(植田和男総裁)は今月15、16の両日に開く金融政策決定会合で政策金利を引き上げる情勢だ。物価高や円安に対応するためとされるが、重大な疑義がある。利上げはエネルギー価格高騰によるインフレには無力どころか、需要を萎縮させ、国民経済にデフレ圧力を及ぼすリスクが大きい。円安に関しても、これまでの日銀利上げ効果は乏し かったでは...
【第1375回】中国軍が米空母艦隊攻撃の模擬訓練
国基研研究員 中川真紀 中国人民解放軍のロケット軍では2023年に司令官と政治委員の解任が明らかになって以降、同軍や装備調達部門の高官が相次いで失脚し、指揮系統の混乱等による作戦能力の低下に関する報道が散見されている。しかし、中国内陸部に所在する軍射爆場の衛星画像を分析すると、ロケット軍が保有するミサイルの開発試験や部隊による実射訓練は継続されており、その能力を逐次強化させ...
【第1374回】核の議論先送りで国民を守れるのか
国基研企画委員・元陸上幕僚長 岩田清文 5月25日、自民党安全保障調査会は、年末の安保関連3文書の改定に向けた提言案を了承した。強調されているのは、ドローンや人工知能(AI)を活用した「新しい戦い方」への対応や、長期戦を見据えた「継戦能力」である。これらはいずれも重要だ。しかし、最も重いテーマである「核攻撃をどう防ぐか」に関しては、「米国が提供する核抑止力を中心とした拡大抑...
【第1373回】憲法9条の改正から逃げるな
国基研企画委員兼研究員・麗澤大学特任教授 西岡力 高市早苗首相は4月の自民党大会で憲法改正のスケジュールについて「時は来た」「来年の党大会までに、発議にめどがついた状態にしたい」と述べた。2月の総選挙で自民党に史上最多の議席を与えた国民の多くは、いよいよ憲法改正が実現するのかと心を躍らせたに違いない。 しかし、大きな心配が浮上している。最初の改憲発議の対象に憲法9条が含...
【第1372回】高市内閣の使命は国軍保持の憲法改正だ
国基研副理事長・弁護士 髙池勝彦 安倍元首相の理念を受け継ぎ、発展させるといつて就任した高市早苗首相には歴史的使命がある。それは「謝罪といふ消極的性格を占領軍当局によつて強ひられた」(福田恆存「平和の理念」)憲法第9条を改め、我が国を、国軍を有する普通の国家とすることである。 安倍さん亡き後、停滞気味であつた憲法改正の動きも、高市内閣になつて衆参両院の憲法審査会が動き始...





